※ 謙虚な暗部隊員

当日、暗部と同じく警備任務に就いていたのは日向一族。 百眼でチャクラ感知をしてたんだ。
里のあちこちで気配を出したり消したりしたら、緊張と緩和の連続で百眼への負担が大きくなる。
だから・・・・。 暗部はただ、日向一族に気を遣って気配を消さずに巡回してただけなのに。




まさか、そんな、いや気配を消してないならあり得る・・・・ と、暗部お三方は猛烈反省中だ。
部隊長たち、三代目に呼ばれてお説教かな、とか。 ・・・・やっぱりそうなるよな。
まず暗部の長たちが、火影様に呼び出されてお叱りを受け、そして当日の警備担当の隊員が・・・・。

暗部の序列はハッキリしてると聞く。 完全な縦社会で実力主義。 長たちには絶対服従らしい。
くだらない誤解の為に、ただ日向一族に気を遣って仕事をしていただけの隊員さんたちが・・・・。

ふぅ。 こんな時、気の利いた言葉のひとつが、なんで出ないかな・・・・・ じゃなーいっ!
こんなに動揺するなんて思ってもみなかったから、当初の目的を忘れそうになっちゃった!
この事は全部ここだけの話です。 って、言う為に来たんだろ? しっかりしろ、自分!


「あの、これ。 受付に提出する任務報告書・・・・ の下書きなんですが。 見てもらえます?」
「え、任務報告書って・・・・。 あら・・・ これは・・・・・」
「アカデミーの怪談は・・・・ 恐怖心が見せた幻??」
「校舎内を警備してた中忍に驚いて・・・・?」

「こういう風に報告しておけば、何の問題もないと思いませんか?」
「「「・・・・・・・・・。」」」

暗部は当然の仕事をしてただけ、私はそう思うんです! ・・・・お。 感動してくれてるっぽい。
わ・・・ ちょ、ちょっと。 あはは、やめて下さいって、そんな年じゃないですよ! あはは!

兎面の女性にいきなり頭をナデナデされた。 まるで “良い子、良い子” ってされてるみたいだ。
虎面の男性は肩を。 先発戦闘部隊に補給物資を届けた時のように、“よくやった!” みたいな。
狐面の若い青年は、ブンブンと強く握った両手を上下させ、年相応の嬉しさを表現してくれた。

「助かっちゃう。 これだと三代目のお説教はなくなるわね。 ふふ!」
「そうだな。 今後は誤解のない様に、何か対策を考える事にする。」
「正規の忍びが、こんな風にかばってくれるなんて・・・・。」

「そんな! 誰だってそうしますよ。 ・・・・・じゃあ、報告書はこれで提出します。」
「「「内々に収めてくれてありがとう!」」」
「とんでもないです。 訓練中、どうもお邪魔しました! では!」


後でちょっとした感謝の気持ちを任務受付所に届けておくから受け取ってね、と言われてしまった・・・・
別にそんなつもりで内々に収めた訳じゃない。 でも、まあ・・・・ もらえる物ならもらっとくか!

蓋を開けてみればこんなもん。 いや、でもやっぱり・・・・・ 一般人にしたら怖かったんだろう。
忍びはお化けなんかより怖いものを腐るほど知ってる。 だけど一般人はそうじゃないもんな?

・・・・・忍刀の柄で肩を叩かれた時は息が止まったけど。 暗部の隊員さんたちって謙虚なんだな!





あなたはこの後、Dランク任務の任務報酬と“暗殺任務一回無料券”を手に入れるのでした!(爆)