※ 暗部 詰問部屋
・・・・まさかとは思うけど。 逆恨みで暗部の隊員から呼び出しとか。 そういうのはナシだよな?
唯の誤解なんだし。 怯えてたアカデミー生はちゃんと理解してくれたし。 ・・・・・・ないよ、な?
とりあえず自分の請け負った任務は完了したんだ。 だから任務受付所に行って任務報酬を・・・・
・・・・・・・・?? あ・・・・ れれ?? ここって・・・・・ え? 今、火影室を出て・・・・??
どこだろう、ここ。 任務報告をし終わって火影室を退室したと思ったら、見覚えのない部屋にいた。
「アカデミーの怪談を調査・解明した中忍って、あなたですよね?」
「こめーんネ? こういう所じゃないと秘密の話が出来ないでショ?」
「ぁ・・・・ 暗部?! その面は・・・・ カカシさんとテンゾウさんですか?!」
「「ようこそ、暗部の詰問室へvv」」
見覚えがないはずだよ、ここは暗部の詰問室だそうだ。 ここに見覚えがあったら間者か捕虜か、だ。
目の前の暗部の面は戌と猫、すなわちコピー忍者のカカシさんと木遁使いのテンゾウさん。
・・・・・そんな里を代表するお二人 暗部の長が、一介の中忍に内緒の話とは、これいかに?
・・・・ほうほう。 へー ふんふん・・・・。 なるほど。 つまりは交渉をしたい・・・・ と?
実はこのお二人、海野中忍に思いを寄せているそうだ。 任務中、彼に偶然助けられたとかで。
なんとかお近づきになりたいけど、暗部と受付は接点ゼロ・・・・ まあそうだろうな、直轄部隊だし。
アカデミー教員など、接点はゼロ以下・・・・・ うんうん、そりゃそうだな。 お二人は暗部の長だ。
確実に接点となり得るこの任務を。 ただとは言わない、ぜひ自分たちに譲ってくれ、ときた。
「どうかな? 悪い話じゃないと思うんだけど。」
「金額を倍にすると言われてもそれは、虚偽の報告に他なりません。」
「・・・・・アー。 ゴメン、この話は忘れて。」
「ほっ! よかった。 暗部の長ともあろう方が、虚偽報告など・・・・・ あははは!」
「「・・・・・うん。 暗部らしく実力行使にするね!!」」
「・・・・・ぇ゛?」
「「Dランク任務の報告書、三代目の完了サイン入り・・・・ 出して?」」
「・・・・・・・・・・・。」
いくら自分は正しい、事実を報告しただけだ! と言っても無駄だろう。 誰だってわが身は可愛い。
目がな? 面の穴からこちらを見つめる眼が・・・・・ な? マジな雰囲気を醸し出してるんだよ。
ここで断ろうものなら、即、間者扱いされて拷問部行き・・・・ ってか?! ・・・・・・・・。
事実がそうだったからと言って、そこに至るまでを解明せずに、真相解明とはおかしな話だ。
忍びの交渉は一度きり、最初に提示されたおいしい条件を無視したのは自分。 事実と真相は違う。
「チョット、チョット! どんよりしなーいのっ!」
「ボク達は任務報酬には興味ありませんから。」
「・・・・・・・・・へ?」
「「後で5000両と甘栗甘屋の一品無料券は送ってあげるから。 じゃぁねー!」」
「・・・・・・・は、はぁ。」
そう言うと二人は、三代目直筆のサイン入りDランク任務依頼書を強引にむしり取って出て行った。
任務報酬がちゃんともらえるなら・・・・ まあ、いいか。 ところでどこから出るの、この部屋??
手柄は横取りされましたが、任務報酬と無料券はちゃんと自宅に届いていました!(苦笑)