声にならない依頼 8   �@�A�B �C�D�E �F�H�I �J�K�L �M�N�O �P�Q




なんてバカな人なの、イルカ先生。 ひとりでスルだけで満たされず、オレ達の子を孕むなんて。
そんなコトでオレ達がいない寂しさを、まぎらわせようだなんて。 どれだけオレ達に夢中なの?!
オレ達を溺愛してるお誘い上手なイルカ先生。 ここまで惚れられて情が移らない方がどうかしてる。
でもソレとコレとは話が別。 出産だなんて絶対認めない。 男の体はそんなふうに出来てないの!

「あれ?  任務受付所になんの・・・・ あ、ひょっとして。 三代目から聞きました?」
「そんなことはどうでもいいの! イルカ先生っ! 自分の命をかけてまで、するような事なの?!」
「へ? まあ、その・・・・ 俺の体力だと・・・・ でも兵糧丸を多めに飲みましたから・・・」
「兵糧丸を多めに飲んだから大丈夫だなんて、なんの根拠があってそんな事言ってるんですかっ!」

ナニ言ってんの! 兵糧丸をたくさん飲んだら安産確定、なワケないでショ! そんなコト言ったら、
世の中の妊婦さんが全員、我も我もと兵糧丸を買い求め、木の葉の里は大繁盛・・・・ じゃなくて!
子宮が存在しない以上、男の体で孕むというコトは、他の器官を圧迫する異物を入れるというコト。
腹の中の子が大きくなるにつれ、臓器が圧迫されて機能が低下し・・・・ 最悪死ぬコトになる。



「・・・・・気持ちはわかったから。 もういいから。 ね、諦めて。 お願い。」
「え。 どっち? お金出してくれるんですか? それとも出せない??」
「お金なんて、いくらだって出しますよ! だから馬鹿な事はしないで下さい!」
「わ、やったっ!! でも。 俺だって一度は腹を括ったんです。 その・・・・ 今日は・・・」

「馬鹿っ! なんでイルカ先生はそうなんですか! 婚約者のボク達がこんなに頼んでるのにっ!」
「オレ達にベタ惚れでショ? オレ達がいないと生きていけないでショ? わかってるんだから!」
「えっと・・・・・ なんだかよくわかりませんが・・・・ よしよし。」
「「!!!!!」」


出産費のコトなんて、今関係ないでショ?! 先生のお腹の子を下ろせとは言わないから。
医療班に頼んで摘出してもらう。 お金なんていくらかかったってイイ、なのに。 この頑固者!
腹を括った、って・・・・まだ諦めない気?! 先生に絆されたオレ達をこんなに心配させて平気なの?
我慢できずに・・・・・ 頭なんて・・・・ 今、撫でてる場合じゃ・・・・ ない・・・で、ショ。

「頑張って来たんですね、たくさんの人の死を見届けて来たんですね? ふたりとも立派です。」
「・・・・・うん。」
「もっと一杯褒めて、抱きしめてあげたいから。 先にお家で待っててもらえますか?」
「・・・・・ウン。」
「ふふふ。 ふたりともせっかくカッコいいのに。 泣いたらもったいないですよ?」
「「・・・・・・ぐすっ。」」

信じられないっ! 何泣いてんの、オレ! お前も一緒になって泣いてんじゃないよっ!
先生、諦めないの? あの抹殺任務で、小さな赤ん坊を抱いた母親もいた。 両方の首をはねたヨ。
赤ん坊は既に疫病にやられて死んでたけど、母親がずっと抱きしめていて赤ん坊を離さなかったんだ。
・・・・・ひょっとしたら。 イルカ先生なら。 あの母親以上の親になれるかもしれないネ・・・。

「イルカ先生。 オレ達より、その子が大事なの?」
「大事っていうか・・・・。 これは俺の勝手な行動なんですよ。」
「イルカ先生。 ボク達をほおっておくつもりですか?」
「大げさですね、もう! 二年も三年もかかりませんよ。」
「「・・・・・・・。」」

「しっかり寝て体を休めて下さい、また無理して来たんでしょう?」
「「・・・・・。」」
「帰ったら起こしてあげますから。 皆で一緒にご飯食べましょうね。」
「「・・・・・。」」

「「先生なんて・・・・。  先生なんてっっ! バカッ! エロッ!」」

エロイルカのくせに! 腹ん中にいたんじゃ、セックス出来ないでショ?! その子の為に我慢するの?
オレ達の子がそんなに可愛いの? あんなエロい体なのに、ご飯だけで先生が満足できる訳ないじゃない!
入れないで満足させてみろ、そういうコトなの? これは挑戦状? くそ、みてろエロイルカめ。
入れて欲しいから子供は諦めます、ひとりで我慢します、って言わせてやるっ! なめんなヨ?!



「くすくす! ちょっと調べに行くだけなのに。 ふたりが任務でいない事の方が断然多いのにな。
 ほんと可愛いったらない。 しかし最後の“エロ”ってなんだ? 兵糧丸飲んで・・・ 構えてたから?」





「暗部のいきなり訪問にも慣れたよな。 ・・・・そうか泣いてたのか。 お前わかった?」
「うんにゃ、全然。 面着けてたらわかる訳ないっしょ。 受付に暗部、日常になったな。」
「うみの中忍が“おふくろ”って暗部に呼ばれてるのって・・・・ すごく納得した。」
「いきり立ったふたりを静めてたしな。 おれらがおふくろ呼びしたら暗部にフクロかもよ?」