※ アカデミーの保健室

ここは医務室として訪問客にも解放されていた。 普段が保健室だから設備も整っている。
生傷の絶えない生徒たちにはお馴染みの場所だ。 当日もはしゃぎすぎて多くが訪れただろうな。




パッと見は何の変哲もない保健室。 入ってすぐに机と椅子応急処置用のワゴンがある。
奥にはカーテンで仕切られたベッドが二つ。 この部屋で恐怖を感じるなら? と考えてみた。
応急手当を受けてる時は人が対応している。 誰かが他にいるのなら怖くはないだろう。

・・・・・ベッドは? カーテンで仕切られてるベッドに入っている時は一人だ。
ほのぼのが売りでも、一応 “肝試し” な訳だし、一人で色々想像してしまうとしたらそこだな。

怖い怖いと思っていると、ロープでも蛇に見えてしまうもの。 天井のシミとかそういうのかも。
そう思って天井を見上げてみた。 ?? あれ? あそこだけなんだか微妙に色が違う??


天井に吸着して調べると、どう見ても真新しい継ぎ目だ。 穴を塞いだ後だと仮定すると・・・・・
少し前まで小さな穴が開いていたと想像できる。 それぞれ指が三本くらい入る大きさで・・・・?
・・・・・・。 真新しい塞ぎ目のある穴は四つ。 位置からして二つずつが近い穴だ。

これは覗き穴だな、誰かがここから下の様子を覗いていたんだ。 そいつの目と合ったとしたら。
天井から自分を見つめる目玉が四つ・・・・・。 怖いっ!! そりゃ怖いだろう、おいっ!!


あー でも分かった。 結構真に迫っていて怖かった、そのお化けの正体は覗き魔だな、うん。
覗き穴をちゃんと塞いで証拠隠滅までしてる。 これはどう考えても人、それも忍びの仕業だな。




⇒ バッチリ人為的なモノだ。 よし、次は音楽室も調べてみよう。
⇒ ・・・なんだ? 複数の視線?? 気になって声をかけてみる。