※ ガイ上忍師つき第三班
アカデミーを卒業しても全員が下忍になれる訳じゃない。 下忍試験に受からなければ出戻りだ。
また、最初から卒業が目標で忍びにはならない、という子もいる。 まあ、自己スキルの一環だ。
すみません、第三班の皆さんにお聞きしたい事があるのですが。 修行の邪魔でしょうから単刀直入に。
先日、木の葉の里で納涼祭りが行われましたよね? アカデミーに遊びに行った同期メンバーはいます?
いえ、卒業したメンバーが久々に集まって、こっそり遊びに行ったりしたのかなー なんて思いまして。
実はこれ、私が請け負ったDランク任務の調査なんですが。 ぜひ三人にお話を聞きたいと・・・・。
ご存じの通りアカデミーでの催しは、生徒たちがお化けに扮する “校舎でドッキリ肝試し” でした。
可愛いお化けに扮する生徒たちに、ついほのぼのしてしまう・・・・ そんな企画だったのですが。
こっそり覗きに行った忍びがいたらしく、それを見かけた数人が本物だと勘違いしてしまいました。
「おおぅ! それではアカデミーの年少組などは、さぞ怯えているだろうな!」
「そうなんですよ。 なので三代目が早急に調査し、生徒たちを安心させよ、と。」
「うむっ! リー!! お前何か心当たりはないかっ!」
「すみません、ガイ先生っ! 僕は同窓会には行ってませんっ!」
「そうかっ! テンテン! お前はどうだっ!!」
「ちょっと、リー! 同窓会なんてなかったでしょう? 同期の集まりはなかったです。」
「そうかっ! 次っ! ネジッ!!」
「・・・今、テンテンが言ったじゃないか。 同期会などなかった。」
・・・・・噂には聞いていたが熱い。 こんな温度差でよくスリーマンセル行動ができるな・・・・。
い、いや。 そんな個人的感想は二の次だ。 そうか、卒業生が遊びに行ったんじゃなかったのか。
「という訳だ! 卒業生は関係なさそうだぞ?!」
「は、はぁ、どうもありがとうございました・・・・・」
「解明を願掛けして、僕は逆さ腕立て伏せ500回しますっ!」
「我が弟子リーよっ! よし、私もつきあおうっ! ふんぬっ!!」
「「「・・・・・・・・。」」」
師弟同士が願掛け逆さ腕立て伏せを始めてしまったので、冷静そうなネジ君に直接訪ねた。
今年卒業したこの日向家のネジ君は、一族の中でも天才と名高い。 もしかしたら・・・・・
ネジ君。 確か当日、日向一族は里内を暗部と同様に見回る警備任務に就いていたよね?
その時、先生方以外でアカデミー生に不釣り合いなチャクラの持ち主とか。 感知した?
「・・・・・そういえば。 暗部がアカデミーの窓に貼り付いてたな、逆さで。」
「だって、暗部も警備してたんでしょう?」
「なぜか校舎の天井裏が待機場所だったようだぞ? 変わった警備の仕方だ。」
「なんか、暗部の警備の仕方って・・・・ 貧乏くさいわね・・・・」
「そうだろ? ・・・・低予算なのかもな。」
いや、気配を消すと要らぬ憶測が飛び交うから、あえて感知できる範囲内で行動してるんだ!
とは、天才を自称するプライドの高い一族のおぼっちゃまには言えないだろ。 うん。
ん? 二人も逆さ腕立て伏せにつき合い始めた。 この調査の早期解明を願掛けしてくれるらしい。
・・・・・てんでバラバラだと思ってたけど。 なんとなくボケ具合が共通してるな、ははは!
全員がボケだったらツッコミは誰だろう? と思いつつ、協力に感謝してその場を後にした。
⇒ これはもう、暗部の訓練所、第七演習場に行ってみるしかないな。
⇒ 暗部の当日の待機場所が保健室の天井裏ならなんの問題もない。