緋の記憶 6
@AB
CD
「・・・でね、ジンさんが半殺しで、アラシ君が舌切りですよ? どう思います?」
「まぁ! そうなの?! 本当にみんな、想像力が豊かね? ふふふ。」
ジンの入院は私のせいだ。アラシ君もしょげてたらしいから・・・やっぱり、私のせいだ。
私の行動の結果が、うみの中忍にまで、飛び火してたなんて思ってなかった。
でも、そう噂で関連づけられれば、彼らの執着度もわかるというもの。
よほど、この、おおよそ忍びらしくない忍び、うみの中忍が大切なのだ。
私のあのヒトとは違って、この彼は、ふたりの為なら、何が何でも生き残ろうとするだろう。
よくこんな忍びを、見つけたもんだ。 彼はふたりの宝物なんだろう。もちろん、彼にとっても。
さすが若くして、暗部をまとめあげる実力と、カリスマを備えた部隊長達だ。
「は〜い、制限時間いっぱい。 もうダメ、終了。」
「そうだよ? イルカちゃん。 ボク達以外の暗部とは、長話し禁止でしょ?」
「げ、出た!!」
「チョット! げって、ナニよ? ・・・はい、イルカ、お仕置き決定ネ。」
「ひどい、イルカちゃん!! そういう子は、恐怖の支配だよ?覚悟しなさい。 」
「わーん、ハスナさん、助けてー!」
「ごめんね? うみの中忍。 あたしのような一隊員じゃ、かなわないのよ。 わかるでしょ? 」
ほんとうに・・・この若い暗部部隊長ふたりには、かなわない。
全てを守り通す自信と力強さ・・・ その視線の先を一緒に見てみたいと思わせる、カリスマ性。
良い忍びを、彼らを育ててきた火影様に、あらためて、敬愛の情がわいてくる。
「借りは返したーヨ。」
「これでチャラですね。」
「・・・・部隊長・・・・・本当にありがとうございまいした・・・・」
「ど、どこ触ってるんですか! ヤメテ下さいったら!!」
うみの中忍は、彼らに担がれて、行ってしまった。 ふふ、いつもこうなんだろうか?
・・・・彼らはとても、生命力に満ち溢れている。 これが・・・ 火の意志。 生きる力なのね。
五大国すべてから恐れられ、利用された里を持たぬ忍び『人喰いジュウザ』 あの男は・・・・。
ふと、ジュウザを思い出した。 あそこを潜伏地に選んだのは何故だろう・・・
死の直前、わざわざ私に情報をよこしてくれたのは、どうしてなのか。
もし彼が、木の葉の里に生まれていたなら・・・・ 違う生き方が出来ただろうに。
ジュウザの真の姿は、あの町の赤い沼だけが知っているのかもしれない。
「・・・・ご馳走してくれるんじゃなかったのか?」
「ハスナさん、遅い!! 待ちくたびれたよ!」
「ジン・・・ それに、アラシ君も。 ・・・そうね、ふふふ、そうだっわね。」
「ジン、ごめんね? ・・・・ふふ。体でお返し、してあげましょうか?」
「ブッ!! 鼻血出そうになったじゃないですか! なんて声出すんですか! もう!」
「覚えとけ、アラシ。 これに引っ掛かったら命はないぞ?」
「ふふふ、そうよ、くのいちは怖いわよ〜? 見かけに騙されちゃだめよ?」
「めちゃくちゃ、説得力あります。・・・実践、ありがとうございました?」
「おお、アラシが素直に礼を言ったぞ、ハスナ。」
「ふふふ、あははは。」
ここには、私を待っててくれた、たくさんの木の葉の仲間が・・・・ 私の家族がまだいる。
この命は最後まで、あなたがいた木の葉隠れの里の為に捧げよう。 ねえ、みててくれる?
火影直轄 暗殺戦術特殊部隊 猫班所属。 あなたの生きた証、私は上忍 剣持<ケンモチ> ハスナ。
ジンはハスナに惚れてます。 あの誘惑声を思い出して夜も眠れず、いそいそと遊郭へ行くのです。 聖