合言葉は死の警告 3   @AC DEF GHI




使えない上忍を根に送り込んでスパイさせようとか、のん気に言ってる場合じゃなかったネ。
これが驚かずにいれようか。 まさかのまさかで、イルカの任務はタイムリーにも根を調査。
噂をすれば何とやら、だヨ。 ウ〜ン、根に行かせるなんて虎の檻に鶏を入れるようなモノ。

嫌味を言って虐めるぐらいは仕方がないケド、オレ達が警戒してるのは、イルカを利用されるコト。
知っての通り、イルカはなんでか死者と縁があるでショ? ダンゾウの悪徳商法にピッタリなワケ。
自分も何か通り名が欲しい! とか言って “彷徨える魂の送り人” なんて、最近名乗り始めたの。
だから余計に、オレ達は危惧してるんだよネ。 イルカを逆に手なずけようとするかも、ってサ。

「恐れていた問題がこんなに早く目の前にそびえ立とうとは。 先輩、何気にピンチです。」
「洗脳は根の十八番。 騙されやすいイルカは、ダンゾウにあっという間に心酔するカモ。」
「・・・・・・・・死者の言葉を伝える事はなんて立派な仕事ぶりだろう、とか。」
「・・・・・・・・今まで人知れず迷える魂たちを救っていたのですね? とかネ。」

「「イルカ・・・・・ 一分弱で騙されそう・・・・・。」」

そんなコトは許されざるコトだヨ? イルカの素直な性格を利用してイイのはオレ達だけだから。
イルカの調教を楽しんでイイのも、あの無意識天然エロリズムを堪能してイイのもオレ達だけなのっ!
それに。 イルカはホンモノだから。 詐欺じゃなく、忍術を悪用するでもなく、モノホンだから。
もしこの前みたく、エロい魂がイルカの体を借りたら? ・・・・うがぁ〜〜 ガッデム!!







コトの発端は貢物。 いつものごとく、ダンゾウが三代目にプレゼントを持って来た。 例によって謎。
今回は、ダイヤがちりばめられたスパンコール仕立ての火影笠だって。 ・・・・そんなモンかぶれる?
高価だったらイイってもんじゃないでショ? ま、ダンゾウの貢物は今に始まったコトじゃないケド。

で、イルカに帳簿を調べさせ、用途不明金などがないかを調査してくるように、と根に向かわせた。
木の葉の財源を着服しとるとはお仕置きじゃ! と言いがかりをつけようとしたらしいんだよネ。
ダンゾウが蓄えた裏資金を巻き上げて・・・・ じゃなかった、そのまま里の財源に充てようとした。

「三代目も思い切りましたね。 極力ダンゾウとは関わらない様にしてたのに・・・・・」
「でも支出名目は、“火影役職への維持費” とかだしサ。 謎の贈り物だけどネー。」
「もしかして。 例のほら・・・・ 小雪さん? でしたっけ??」
「ア! そうか!! 花街の売れっ子芸子の身請け金かっ!!」

「「・・・・・・・・三代目・・・・・。」」

でもイルカが言うには、根の帳簿に不審な点は一つもなく、むしろジリ貧状態だとか。 無理ないヨ。
・・・・裏資金をある程度蓄えたら、三代目に貢物をするんだから。 そりゃ、カツカツでショ。
いくら調べても、三代目ラブのダンソウの帳簿からは何もでない。 三代目、策士策に溺れるですネ?

実はダンゾウが謎のプレゼントを三代目に贈るのは、どうも経済力をアピールしてるっぽいのヨ。
三代目はその昔、投げキッスをしたダンゾウを見て、お主がやってもキモいだけじゃ! と、一刀両断。
顔が気に入らんとな? ならば財力で勝負! とばかりに、ダンゾウの高額プレゼント攻撃が始まった。

世間一般に、顔・性格は二の次、お金持ちなら許せちゃうv ってな雌ブタは意外に多いけどネ。
・・・・・どう考えてもそんなのに転ぶような三代目じゃないでショ。 雌ブタじゃなく、雄の狸だし。
そんなこんなで、ダンゾウが三代目にプレゼントする高額貢物は例外なく、里の財源として転売される。

ま、三代目にしてみたら、元々の金額をそのまま里の財源に充てたい、という気持ちは分かるのヨ。
今回の様に、いらない出費がかさむと余計に思い知るんだろうネ。 あの裏資金があれば・・・ ってサ。

個人の名前が入っている物品はネ、買い取り価格がモノスゴーク安くなっちゃうんだって。 だから。
ゴミが金に化けるなら御の字だと転売するケド、ほんのチョビットだけ。 足元見られて安く叩かれる。
アー ちなみに今回のダイヤスパンコール火影笠の転売価格は、たった10万両だったらしいヨ?

いわゆる傷物ダイヤというのは一気に価値が下がる。 ダイヤの一粒一粒に傷がついてるともう最悪。
ヤ、ダイヤそのモノはスゴク値打ちモノらしいんだけどサ。 【ヒルゼン愛v】って掘ってあるの。
忍術で掘ったんだろうけどネ、笠にちりばめたダイヤに。 分かる? そういうのは唯の傷なのヨ。

ダンゾウのどんな最高傑作のモノであろうと、里にくるAランク任務より安いなんて驚きでショ?
下手したら・・・・ Aランク任務報酬で、気前のいい金持ち連中がくれるチップよりも安いヨ?
三代目がちょっこっとダンゾウを褒めてやればイイのに。 それはどうしてもイヤみたいなんだよネ。

「根で支出入の帳簿を調べる、って・・・・ 普通の忍びはビビるよネ、ソレ。」
「いわゆるマルサ、ですからね。 もし何事かあったら、恨みを買いやすいし。」
「「・・・・・・だからイルカか。」」

なるほどネ。 潜入任務でもないのに、なんでイルカ? って思ったケド、物怖じしないから、か。
でもイルカは三代目の子飼いの忍びなんですヨ? 贔屓しとる、って公言してたじゃないですか。
あながちウソでもない通り名のせいで、ダンゾウに利用されたらどうするんですか、モウッ!!

・・・・というコトは。 “イルカを迎えに行け” とは、何かに巻き込まれてる可能性を示唆してるのネ?
三代目に私用で呼ばれるとロクな頼みじゃない。 ま、イルカの為だから仕方ないっちゃ仕方ないケド。
テンゾウ。 やっぱりオレ達の使い方を良く知ってるよネ、さすがはオレ達のエロ師匠なだけはある。