合言葉は死の警告 5   @AB CEF GHI




・・・・・・・・・遅い、遅すぎるっ!! 暗部の長たるオレ達を待たせるなんざ、一億光年早い。
待たせるのは得意だケド、待つのは大嫌いなのヨ、オレ。 あ、違った。 待つのが大好きの時もある。
テンゾウと順番っこでイルカに入れる時v もうナニがウズウズキュンキュン、楽しくて仕方がないv

ア、まだ、もういっこあった! 待ち伏せ任務の時も大人しく待ってるヨ? 命がかかってるからネ。
任務の時は獲物を狙う獣の様に、イルカに入れる時も獣の様に・・・・ ン? 一緒?? なんで??
ま、いっか。 とにかく!! 三下に待たされるなど言語道断! 何やってんだ、泣きベソ一郎は!

・・・・泣きベソ二郎を待つコト約三分、これだけ待てば今頃カップラーメンが食えるじゃないのっ!
もう怒った! イルカが請け負った調査任務は単独、超張り切って出かけたのはオレ達が知ってる。

「コッチはダンゾウの顔を立てて、建物の入口の受付っぽいヤツに話を通してやったのに。」
「カカシ先輩、もしかして泣きベソ三郎は、どこかでミーミー泣いてんじゃないですか?」
「ちっ! 使えないヤツだヨ、捨て台詞はわりとセンスあったのにサ。」
「イルカの任務の手前、正式に訪ねてみましたが、もういいでしょう。」

「だネ? 乗り込んで掻っ攫うか。」
「強制拉致しても、問題はないかと。」
「「我らが三代目火影の勅命は絶対っ!!」」

一応は来訪者らしく受付を通し、ちゃんとダンゾウの顔を立てたんだ、もうここにいる義理はない。
人を待たせても待たされるのが大嫌いなテンゾウとオレ。 なきべそ四朗は、もうこの際無視だヨ。

侵入者だー! とか勝手にほざいて、相手も確かめずにかかってきたバカなヤツらを思う存分ボコる。
途中、泣きベソ五郎を発見。 チョット、まだこんなトコでモタついてんの? ついでにボコっとくか。
瞬身移動ぐらい使えるようになろうネ、コレは愛の鞭だーヨ。 オレとテンゾウで一発ずつ入れといた。

「あのネ、泣きベソ六郎。 暗部ではサ、長の命令には絶対服従なのヨ。」
「ボク達が呼べと言ったら瞬身移動だ。 分かったかい? 泣きベソ七朗。」
「・・・・・・。」

「返事がないです、ただの屍の様に、ピクリとも動きません。」
「ちっ! どこまでも図太い根性のないヤツだネ、ホント!」
「「もっと強くなってのし上がってこい、泣きベソ八郎!」」

這い上がってこいヨ? ネーミングセンスが中の上だった泣きベソ九郎に暗部流の喝を入れておく。
皆、目が合うと降参の合図の様に腹を見せて屍のフリをする。 これ以上、邪魔をする気はないらしい。
ナルホド、ノビてる泣きベソ太郎をみたのネ? 同じ轍を踏まないのは忍びの基本、いい心掛けだヨ。
オレ達の行く先々で腹を見せた屍もどきがバタバタと倒れて行く。 十戒に出てくるモーセの様だネ?


さぁ、オレ達はイルカをこのまま拉致って・・・・・ じゃなくてイルカを火影室まで送り届けよう。
間違ってもダンゾウのイタコ詐欺に共感して降霊会をする、とか言い出さないでよネ、イルカ!

「「イルカどこ〜vv 調査任務は終了だって〜〜〜vv」」







重苦しい鳥居をいくつも抜けると、黒い鳥居が立っていた。 黒い鳥居にはデカデカと案内のビラが。
五芒星ダンゾウの部屋へ ようこそ】と、エライ達筆で書かれた紙が貼ってあった。
・・・・・・アー ま、イイんじゃないの? 誰がどう名乗ろうが、そんなのは個人の自由だし?

このなんともいえないオドロオドロしい雰囲気で、本物っぽさを演出してるつもりなんだろうから。
何気にどこぞのホームページみたいだネ。 三代目と同様、ダンゾウもネーミングセンスはない。
でも三代目はお茶目でエロで愛があるから笑って許される。 志村さんちのダンゾウは・・・・ ねぇ?
こんな地下深くに潜っちゃってサ? 確かにここなら三代目の目は届かないケド! 根暗過ぎっ!!

「先輩、素朴な疑問です。 根って、組織の頭が根暗だから、“根”?」
「アハハハ! そうかもヨ? ペットは飼い主に似る、っていうしサ。」
「ではボク達 暗部の“エロいの大好き体質”も、立派に師匠譲りですね。」
「当然じゃない。 火影直属部隊なんだヨ? 愛とエロの伝道師の三代目v」

一途に三代目を思って里の裏資金をせっせとこさえてるダンゾウには悪いケド。 イルカは返してネ?
あの乗っ取られ易い体質を利用されたり、火影室を訪ねる口実にしたり、そんなのは認めないから。
ダンゾウには根暗、という役割がある。 か弱い金持ちの一般人だけ騙してればそれでいいヨ。

「ウ〜ン、お仕置き・・・・ じゃなかった、おねだりの理由なんにしようか?」
「そうですね・・・・ ボク達を心配させた罰・・・・ というのはどうです?」
「“イルカ! こんなに心配させて! ウルウル・・・・”とかでいくか。」
「“三代目も心配してたんですから! うるる・・・・”なども効果的かと。」

ウン、いいネ! 三代目もオレ達も心配してるのは事実、嘘は言ってない。 ただ意味は違うけどネ?
三代目は自分が行ったらダンゾウにウインクされる心配、オレ達はイルカがマジなイタコになる心配。
なんにしても、イルカの良心を刺激すればOK! オレ達はイルカの大好きな恋人達だしネ、余裕v