合言葉は死の警告 7   @AB CDE GHI




イルカがイキますねv と言って撮ったのは、オレとテンゾウの股間に吸着させてる天狗面だった。
・・・・・・・・だよネ? 頑張るマグロちゃんが何の脈絡もなく発情するなんておかしいと思ったヨ。
この犬と猫の鼻を中心にドアップで撮ったら可愛いと思うんです! だって。 一応天狗なんだケド?

“霊が写るカメラ”という名の、霊感詐欺アイテム ポラロイド念写カメラは、出来上がりが激早い。
どれどれ・・・・。 ア、ほんとだ、天狗なんだか犬なんだか猫なんだか分からない。 絶妙に可愛い。
鼻の頭だけが存在を主張。 鼻がど真ん中に映ってる。 目と口はおまけ程度、穴と柄だもんネ・・・・
確かにこれじゃ、なんの生き物かはパッと見では分からないヨ。 ウン、可愛い・・・・ ハッ!!

「「じゃ、ないーいっ!!」」
「え、これ・・・・かなり可愛いく撮れて・・・・」
「そうじゃなくて! ヤ、鼻ドアップの写真は可愛いヨ?」
「かの有名な、ザ・ワンコも真っ青の可愛さですけど!!」
「「帳簿の調査に時間かかり過ぎだからっ!!」」

「オレ達、ものスゴーク心配したんだヨ? イルカにもしものコトがあったら・・・って。」
「三代目もめちゃくちゃ心配していますよ? 報告が来たのに本人が戻って来ないから。」
「もしかして三代目に言われて? だから様子を見に来てくれたんですか?!」
「「音信不通の恋人の心配をしちゃ・・・・・ 悪い? くすん・・・・」」

ちょこっとネ? こう、かすれた声を出すワケ。 こんなコト言って笑わない? みたいな感じで。
ここが勝負の決め手。 イルカが悪いんだヨ、オレ達を心配させるから・・・・ って、スネてみる。
どうよコレ! 完璧でショ。 これで罪悪感を抱かないイルカはオレ達のイルカじゃないよネ。







「こんなに心配させてごめんなさい・・・・ 俺って・・・ 恋人失格だ。」
「そんなことない! イルカの顔をみたらちょっと元気になったよ?」
「ふふ! 嬉しいです。 もっと元気が出る方法があるなら言って下さいね?」
「・・・・・・・ホント? ちょっとマニアックなお願いでもイイ?」
「くすっ! はい、良いですよ? 俺の大好きな二人の為なんだから。」

ヨーシ! お仕置きシチュエーション、ゲットだヨ、テンゾウ!! さすがはオレ達のイルカv
期待を裏切らないよネ? ホラみて、テンゾウ。 モロにごめんねオーラを垂れ流しちゃってサ。
またもや尊敬するお二人の手を煩わせたばかりか、恋人にここまで心配かけちゃって、みたいな。
愛する恋人達、カカシさんとテンゾウさんが喜ぶコトならなんだってやりますから! って感じw

やっぱアレかな、チャクラ玉が無難かな。 今から家に着くまで入れっぱなし、とか。 どう??
オレとお前のチャクラを練ってナニの形にするのなんて、面白そうじゃない? 感覚も繋げておくとかv
そうすればまだ、この天狗面の鼻の内側は異空間を通して海中と繋がってるから出し放題だヨ?!

「「チャクラ玉なんだけど・・・・ 後ろに入れてくれる?」」
「え、そんなのでいいんですか? それで元気出るの??」
「「もう元気バリバリ、大放出予定vv」」


ラーメン丼ぶりの残りの汁を飲み干したダンゾウと目が合う。 そうだ、コイツもいたんだった。
チョット。 ナニみてんのヨ。 そんなもの欲しそうな目で見てもムダ! アンタには無理!!
いい? 人間、頑張って努力したら出来ないコトはないヨ? でもないモノ強請りは無理なの!
こういう “なんでも好きなコト言って下さい” 的な純粋の瞳は、アンタにはついてないでショ?

「むぅ! 参考に見るぐらいは自由じゃろっ! 減るもんじゃなし!!」
「「駄目、減る、却下。 悪霊退散。」」
「・・・・・・・・・猿飛っ! ワシ、頑張るからのっ!!」
「「スーパーウゼェ、この爺・・・・。」」

長年このウザさに耐え、黙って貢物を転売しているあなたは、やはり素晴らしい火影ですヨ・・・・。
本来なら里から叩き出したいでしょうに。 ダンゾウを “根” に閉じ込めてる限り、この世は平和。
イタコ詐欺でも一応は人の役に立ってるし、貢物も換金出来る。 悪霊は里に留めておきましょうネ。

・・・・生きたなんちゃって悪霊がすぐ傍にいるからか、オレ達のイルカが一段と輝いて見えるヨ。
テンゾウ。 もしかして三代目は、里でのこのストレスから、愛玩忍を育てようとしたのかもネ?


「ワシは猿飛の陰として、これからも財源確保に命を懸けるのじゃっ!」
「ダンゾウ様、そんなに里の事を・・・・・ 黒字目指してガンバですっ!」
「「・・・・・・まあ、そこそこ頑張って?」」

お外に出たいよう、と幾数万個の我子に主張されれば、任せて! とばかりに出しちゃうオレ達と違い、
ダンゾウを無責任に世に解き放たない、我らがエロ師匠 三代目火影・・・ 心から敬意を表します。

「「三代目は偉大だ・・・・」」
「その通りです! 三代目って凄いっ!」
「そうか、そんなに凄いのか・・・・ ワシ、ちょっぴり羨ましいぞ、イルカ中忍。」
「「・・・・・・・。」」

違うからネ? アンタの言ってるのとイルカの言ってる意味は全然違うからっ! そこんトコに気付こうヨ?