Lucky Day 3
@AC
DEF
G
ウチの部隊長が戦いの途中で大事な物を落としてしまった、部隊長の手助けをしたい、と説明した。
テンゾウさんとカカシさんは、普段から仲が良い。 これ以上見苦しく隠し立てして、
部隊長の身が危ないなどと誤解でもされたら、戌部隊長、御自らが同行する可能性が無きにしも非ず、だ。
三人は一ヶ月ほど前重婚して、新婚生活を送ってるらしい。 見たトコ、上手くいってるっぽいし。
「部隊長は怪我もしてなけりゃ、チャクラも万全ッス。 これはオレらのワガママなんッス。」
「おれ達、先に帰れって言われたけど、部隊長の為に何か出来るなら手伝いたいんですっ!」
「この前も怒られて初心に返ったばっかりなんです! 今度はわたしたちが!」
「うむ!! その心意気ワシは感激したぞ? ワシが許す、戻ってテンゾウを手伝ってやれ。」
「皆さん・・・・・ 仲間を思う熱い気持ちは、さすが火影様選抜の面々ですっ!!」
「・・・・イイ部下を持ったね、アイツも。 ・・・・・・ま、信じまショ?」
火影様とうみの中忍は、すっかり信じ込んでくれた。 まあ、詳細は伏せてるだけで、嘘は言ってないし。
戌部隊長は微妙。 でも三代目の許可がおりたので、上忍として戻らなくてもこのままトンボ返り出来る。
部隊長命令より、火影命令の方が優先だからな。 大義名分も出来た、よし、戻るぞ部隊長の元へ!!
「そういえば戌部隊長、トレードマークのチャクラ刀ぶら下げて無いッスね。」
「あ、ほんと。 非番の時は小さくして、腰にぶら下げてますよね?」
「ん? ああ、テンゾウに貸してる。 アイツの刀、刃こぼれしてダメになっちゃったから。」
「・・・・そう言えば部隊長、いつもの刀じゃなかったですね・・・・。」
「新しい得物が来るまで、オレのを使えって持たせてやったヨ。 アイツなら使いこなせるしネ。」
「凄いな・・・・ そんなにチャクラを同調出来るんですね・・・・。」
「アイツとの付き合いは長いから。 それにオレ達家族だし? ね、イルカ?」
「はいっ! ふたりともかけがえのない、俺の家族ですっ! エロ兄弟だけど。」
「あはは、うみの中忍、もう泣いたカラスが笑ってる、切り替え早い! さすが潜入員!!」
「・・・・・あげないよ? オレ達のだから。」
「「「・・・・・・・。」」」
ホンの一週間前か・・・ 酉班に配属になったアラシから、ある事を聞いた。 おれ達猫班への忠告だ。
『部隊長達の嫁さんの下の名前を軽々しく呼ばない方がいいですよ』 そう言ってたっけ。 ははは・・・・
アラシ、ありがとな。 あの忠告、役立ったよ。 この目・・・・・・ めちゃめちゃ本気なんですけど?
おれ達は今まで何度もピンチを潜りぬけて来た。 これ以上ココにいちゃいけないと本能が告げている。
「オ、オレ達はもう、行くッス。」
「少しでも早く見つけて、帰還しますね。」
「火影様、戌部隊長、行ってまいります。」
「三代目、俺、暗部部隊の結束力に感動してます、今。」
「うむ。 皆思いやりがあって、ワシも誇らしいぞ。」
「・・・・・。(チャクラ刀ならオレの元に戻ってくるのは知ってるハズだよネ・・・・)」
本気で感動されてしまった。 純粋な気を向けられて気持ちがいい。 はっ! い、いけない危険信号だ!!
うみの中忍を必要以上に見つめてはいけない、を両班の皆に徹底しよう。 よし、今度こそ行くぞ?
挨拶もソコソコに、敵と交戦があったあの山に向かって、駆け出した。 一刻も早く見つけなくては。
これが原因で仲のいい三人に亀裂が入ったら? 離婚騒動なんてのになったら、シャレにならない!!
「カカシさん、チャクラ刀ぶら下げてなかったッスね・・・・。」
「失くした物が、あの刀だったなんて・・・・・ 最悪だ。」
「部隊長、あたしたちが刀研いでる時に気付いたもん、絶対、そう。」
「想像してみるッスか? もし、チャクラ刀がみつからなかったら?」
「ウチの部隊長は、入院中の戌班 ジンさんのベッドの横に入る、おれ達も。」
「そして戌班・猫班の隊員達に、飛び火するわよね・・・・。」
一番恐れているのは、ソレだ。 暗部は四つに分かれた部隊のそれぞれが、各部隊長の元、独立してる。
互いの班へ隊員同士の干渉はご法度。 だが・・・・・ 戌猫が衝突してしまうかもしれない。
おれ達はみんな、それぞれの部隊長を尊敬してるから、当然その肩を持つ。 隊員同士いがみ合うかも。
そんで、また部隊長にブッ飛ばされて、また逆恨みして・・・・ 憎しみのメビウスの輪が出来上がる。
「「「暗部内の平和は守るぞっ!! おーーーーーっ!!」」」