Lucky Day 4   @AB DEF G




今回に限っては、部隊長の痕跡をたどるのは簡単だ。 行く先々で、コンモリとしたカタマリを見つけた。
結構几帳面な部隊長は、調べ終わった場所を、木遁を使って選別しながら移動しているらしい。
木の脇や草の中に点々と続くソレは、任務で殲滅させた抜け忍集団の死体だ。 43人いたな、確か。
バラバラだった敵忍の死体は、枝や蔓でひとまとめにされて、牧草地にある飼葉のように固められていた。



「コレがある辺は、もう部隊長が探した場所ッスね?」
「ってことは、この死体の塊をたどっていけば、部隊長と合流できるわね。」
「・・・・ついでに燃やして行くか。 ここまで綺麗だと戦場には見えないし。」

おれ達暗部は暗殺専門、ただ殺すのみ、だ。 ケドそれだけではダメだと、この前ブッ飛ばされた。
暗部で殺しまくっている時も、木の葉の忍びである事を忘れるな、動いた後の事を必ず考えろ、と。

交戦のあった場所は、このままほおっておけば、死体はカラス達の餌になったりして自然淘汰される。 
一般人は不用意に近付いてはこないから、死体を直接目にする事もない。 でもウロチョロするかもだ。
これじゃとても戦いの後にはみえないよ。 肉片が綺麗にまとまってて、周りもめっさ整ってるから。
う〜ん。 んじゃ、このままキュウキュウに固められて、丸まってる死体を残しておくとマズイよな?


「あ、いたいた。  部隊長ーーっ!!」
「!! お前らどうして・・・。」

「オレら、ちゃんと火影様の許可をもらって来たっス!!」
「そ、そうなんだ・・・・・。」

「一緒に探しますよ、カカシさんのチャクラ刀!!」
「え? チャクラ刀?」

おれ達が火影命令で動いたと知って、部隊長は諦めたようだ。 戌部隊長に会ったコトも伝える。
最初ごまかそうとして、部隊長が危険かもしれないと誤解されそうになっちゃいました。
イイ奥さんですね、ウルウルして心配してましたようみの中忍。 部隊長達の新婚生活は円満ですね!
あの人不思議です、なんか和むって言うか、くすぐったいって言うか。 超感動されちゃいま・・・・

「あげないよ? イルカちゃんはボク達のだから。」
「「「・・・・・・。」」」


戌部隊長と同じだ・・・・。 むちゃくちゃ目がマジだよ、このヒトも。 これヤバいよ・・・・。
さっきの緊張を思い出したよ・・・ “うみの中忍ネタを必要以上にフラない”コレも隊員に徹底させよう。
それはそうと。 感情も感覚も、チャクラまでも同調してるふたりに亀裂が入るなんて、絶対阻止せねば!
部隊長、おれ達が来たからには、もうめっさスピードアップですよ、見てて下さいっ!!

「気持ちだけもらっておくよ、ボクひとりで探すから。 お前らは帰って休んで・・・・」
「部隊長っ!! あたしたち、一緒に斬られる覚悟出来てるんですっ!」
「そおッスよっ!! 動いた後の事も考えて、さっきの死体もちゃんと燃やしてきたッス!!」
「おれ達は猫班、追跡は大得意な部隊じゃないですか、そうでしょ?」

部隊長はこの期に及んでまだ、自分ひとりで探すなんて言う。 こうなりゃ火影命令を盾に取ってやる!
おれ達は、不機嫌そうな部隊長を無視して、ちゃっちゃと探し始めた。 確かチャクラ刀は・・・・
はたけカカシさんは、フルネームで顔見せ有りの為、毎年他国の手配書のトップテン入りを果たしてる。
暗部の一種面の人は全員そうだ。 おれ達もみんな載っかってるけど、部隊長達とは賞金額の桁が違う。

「いくら仲が良くっても、白い牙 サクモさんのチャクラ刀はマズイっすヨ。」
「聞きましたよ? さすが部隊長ですね、あのチャクラ刀を使えるなんて。」
「ドーンと大船に乗った気でいて下さい、おれ達が来たからには!」
「・・・ぁ、ああ。」

でもその中でも、部隊長達は群を抜いてる。 あんな人達が敵にいたら・・・・ なんて考えたくない。
味方で良かったと思えるぐらい、頼もしいし怖い。 隊員はみんな、その逆鱗に触れないようにしてる。
例えば戌部隊長の場合は、写輪眼の事と、親父さんの事。 コレに触れちゃいけない。 暗黙の掟。
ウチの部隊長の場合は、大蛇丸の事と、木遁忍術の事。 でないと長生きできない、とみんな知ってる。


「あ・・・・・あれ? チャクラ・・・・・刀??」
あーーーーっ! 部隊長! ゲートルに挟んでるじゃないですかっ!!
「ホントだ、もうっ!!! しっかりして下さいよ、部隊長っ!」
「・・・・ぁ、うん。 じゃ、そういう事だから。 解散。 お疲れ。」

何言ってるんですか、みんなで帰るんですよ。 良かったじゃないですか、ただの早とちりで。
もう! 覚悟をしたおれ達の身にもなって下さいよ・・・・って、勝手なお世話でしたね、すみません。
さあ帰りましょう、火影様が次の任務を用意していましたよ? あ・・・・れれ? 部隊長??
部隊長は“解散、お疲れ”そう言ったきり、動かない。 心なしかショボーンとしてる様な・・・・?

「な、なんですか部隊長。 早とちりぐらいで自分を責めないで下さいよ。」
「そおッスよ、オレなんかいっつも先走って、ブッ飛ばされてるじゃないですか、ははは!」
「ちょっと! 人斬りバカのあんたと、冷静な部隊長を一緒にしないでくれる?」
「あははは、そのとーり! さ、部隊長、帰りましょ。 おれ達の里へ!」
「??? 部隊長?? どうしたんですか??」

「・・・・・木遁、四柱牢の術!! 捕縛!!」
「「「え゛え゛っ!!! なんでぇーーーーーーっっっ?!」」」