それなら簡単 9
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CDE
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けど・・・さっきも言ったけど、テンゾウの気持ちはいたいほどわかるのヨ・・・・
テンゾウをなんとかしてやりたいと思っていた、さっきまでの気持ちも、今だって変わらない。
「なんだって、そんなこと、オレに言うの? まだイルカ先生はオレのものじゃない。」
「カカシ・・・ちゃんと、自覚出来てたのね?」
「さすがのカカシも、テンゾウとイルカを、天秤にはかけられねーか。」
「先輩が追いかけまわしてるのは有名ですから。イルカちゃんは逃げられないだろうと思います。」
さすが、テンゾウ、オレのことよくわかってる・・・・じゃなくて!!
畳に頭をこすりつけて懇願する、テンゾウの頭を踏みつけて、言ってやりたい。
ー 返すって何だ?! もとから、お前のものでもないだろう!! ー
それが出来たら、とっくにやってる。
テンゾウにとって【アヤネ】・・・イルカ先生は全てだ。
あそこまで生命維持出来たのも【アヤネ】に出会えたからかもしれない。
「もうイイよ・・・。 わかった・・・。 諦めるよ。」
「お? テンゾウの為に 一肌脱ぐのか?!」
「・・・くやしいけど、何であんたがモテるのか、わかった気がする。」
「!!ぜ、ぜんぱい!! ・・・ズズッ。」
いつもの額当てしてないから、頭をあげたテンゾウの顔が、畳の目の跡だらけだ。
しかも、泣いてやがるし。 鼻水出てるし。現役暗部部隊長が・・・みっともねーぞ?
イイ男が台無しだ。 オレは『THE☆上忍』の特製おしぼりで顔を拭いてやった。
吸収力抜群、ほのかな石鹸の香り、クナイで刺しても穴が開かない繊維、隅々までこだわった心配りだ。
「おふたりは、イルカちゃんが、兄とも姉とも慕ってると聞きました。」
「・・・だから、あたしたちに、認めてほしかったのね?」
「イルカにツッコむなら、おれの許可がいるわなぁ。・・・黙っちゃいねえからよ。」
「・・・・・。」
オレが諦めると言ったのは『独り占め』する事だけ。 イルカ先生を諦めるはずがない。
テンゾウはちゃんとわかってる。 ほら、目が・・・獲物を狩る目になって来た。
「はーい! アッスマちゃーん! それならオレも認めてー!!」
「・・・・ほお? ・・・そうきやがったか。 まぁ、いいだろう。」
「ちょ、アスマ!! イルカをコワスつもり?!」
「先輩! がんばって、イルカちゃんをゲットしましょうね?!」
こいつらも、幾多の戦場を潜って来たんだ、オレ達の決断もわかっている。
そんなわけで、イルカ先生は、近々オレ達のものにする予定だ。
「あいつも、立派な中忍だ。竿の二本ぐらいじゃ、こわれねえ。だが、無理強いはすんなよ?」
「そうよ? 脱童貞で焦っちゃ駄目よ?」
「イルカちゃんの心が入ってないんじゃ、右手と同じです。」
「あたりまえでショ? オレの忍耐力舐めないでチョーダイ。」
当然だ。あの温かい心がなければ、何の意味もない。テンゾウは、どこまでも、オレと同じだ。
テンゾウとイルカ先生とオレ・・・やば、想像したら息子が元気になって来た!!
・・・・・・お前もか?! 内股になって顔赤らめてんじゃねーよ、このチェリー!!
なんで、そこまでシンクロしてんだヨ!! 気もち悪いでショ?!
「あんたたち!! 言ってるそばから、オッ起ててんじゃないわよっっ!!」
オレとテンゾウはまたまた吹っ飛ばされた。ふたりともかろうじて、息子をかばったが。
ウワバミ!テメー、この! イルカ先生を喜ばすはずの大事なモノが、折れたらどうすんの?!
おい、髭、惚れ直してないで助けろ!! 何やってんだ、こんなとこでイチャつき始めるな!!
「口は悪いケド、サンタは最高の男よ? アスマ。」
「そう思ってんなら、帰って抱かせろ。」
「ふふ。いいわ。 今日は大サービスするわよ?」
「じゃ、カカシ、テンゾウ、まぁ、がんばれや。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
壁にめり込んだオレ達を掘り出してくれたのは、今回も『THE☆上忍』の店員さんだった。
オレ達の股間を確認すると、こんにゃくを二本、持ってきてくれた。
ちゃんと指であけた、穴が開いてる。もちろん温度は人肌だ。全く、行き届いたサービスだ。
オレのイルカ先生は、オレ達のイルカ先生になるけど、それはそれで、いい。
だって、誰がいつ死んでも、おかしくないんだ。 もう後悔はしたくない。
もしも二者択一の決断に迷った時は、どちらも譲らない。 オレはいつだって後から気付くから。
生きているうちは、好きな事をやりたいだけやる! ほら、それなら簡単だろ?
下ネタだらけで、すみません。 ほとんどイルカ先生出てこないけど、ちゃんとイルカスキーです。 聖