あなたな生活 5   @AB CEF GHI JK




「う〜ん・・・・・ はっ!! ここは・・・・」
「気が付いたか? おれは・・・・・ いや、まずは・・・・ 驚かせてごめんな?」
「あたなたは・・・・ ライドウさん?! え、え? どうして・・・・・」
「イルカちゃん?! 記憶全部は・・・・ 消されてなかったんだな・・・・ よかった・・・・・」

「あ、あの。 ライドウさん、申し訳ありませんっ!!」
「今でもまだ信じられない、木の実のイルカちゃんが・・・・ こうして生きてるなんて・・・・」
「その事なんですが俺、木の葉の中忍、海野イルカなんです。」
「そうか、高度な暗示か。 そう思い込まされてあの家に・・・・・ 多分、上忍だな、くそっ!」
「いや、あの・・・・ 本当に、俺・・・・・」

「恐ろしい肉食花を監禁用に植えていた事といい、なんて卑劣な奴。 里の忍びの風上にもおけん!」
「えっと・・・・ あれはですね、一応バラとパンジーで・・・・・」
「あれは人を食う花だった。 少々手こずったが、おれの黒刀にかかれば屁でもない。」
「や、そうじゃなくて・・・ と言うか、あのバラ赤とパン白を・・・・ ライドウさんって、凄いな・・・・」
「これでも木の葉の特別上忍だぞ? これからはおれが守ってやる。 もう・・・・ 大丈夫だ。」



「カカシ、テンゾウ! ここだ。 この建物だ!」
「ボク好みの古臭い木造建築ですね・・・・ ふむふむ・・・・」
「テンゾウの木遁建造嗅覚を刺激するなんて、なかなかだネ?」
「ヘンなとこ感心してないで、早く助けに行けよっ!」

「ゴメンゴメン! ウルシ、案内お疲れさん! 巻物に戻ってイイよー!」
「里の上忍なら殺される心配はないと思って。 ちょっと安心しちゃった!」
「まったく・・・・ 入口はあっち側だぞ? じゃーな!」


入口? あ、ホントだ普通に表札があるヨ。 ンー【なみあし】・・・・?? 特別上忍の並足ライドウ?!
なんと、あのライドウが木の実の常連客だったの?! 階級こそ特別上忍だけど、そこらの上忍より強い。
正義感が人一倍強い為、真っ向勝負にこだわり、薄汚い小細工が出来ずに特別上忍に甘んじてるだけで。
ゲンマと四代目の護衛小隊にいたほどの実力の持ち主・・・・ バラ赤とパン白が倒されちゃったワケだヨ。


ライドウも優しいヤツだからネ。 イルカに酒を奢ってあげて、勘違いする愚痴を聞いたクチかも。
事前にイルカから、木の実の常連客の名を聞き出して、婚約しました葉書を出しておくんだった・・・・

後悔しても後の祭り。 オレ達 三人のあなたな生活をエンジョイするコトに舞い上がり過ぎてたネ。
忍びを感知する結界が張られた木の実の入り口は、中忍以上のレベルなら誰でも発見できたはずだ。
そしてあのホッコリ感。 特別扱いしない媚びない店。 ヤ、木の葉の忍びには特別扱いだったケド。

マスターのシキさん曰く、一人でたんまり落としてくれるから貸し切りにしても問題ない、とかのネ。
あの寛ぎ空間を独占体験したら、毎日は無理でも里の戦忍は間違いなく・・・ リピーターになるヨ。


「まいったネ、ライドウも勘違いしたクチかもヨ? イルカが愛してるのは自分だ、って。」
「主語のないナルトへの愛情を聞いたら、誰だって自分への愛の告白だと思いますもん。」
「絶対そう思ったヨ。 で“忍びに洗脳されて囲われていたのか”ってサ。」
「・・・・まさか木の実の放火もその忍びの偽装だった、とか?? 」
「「・・・・・・・・・あり得る・・・・。」」

イルカがいたあなたな家の状況、ライドウの目にどう映ったかは、容易に想像できちゃうヨ。
イルカを囲う為に木の実を買収し、店を焼く偽装までして里に連れて来た強引で卑劣な木の葉の忍び。
そんなヤツが一番嫌いそうな極悪タイプの忍び像が、頭の中で出来上がっているんだと思うヨ。

「オレ達ライドウからしたら、イルカを手籠にした卑劣な上忍になってるよネ、間違いなく。」
「肉食系植物のバラ赤とパン白を逃走防止用に植えている、と誤解した可能性もありますね。」
「イルカがもし里の忍びだと訴えても、そう思い込んでたら信じないヨ、絶対・・・・・」
「イルカちゃんは今後、自分が守らなければ! とか。 愛し合う二人は幸せになるべきだ、とか。」


「ワー 嫌なヤツならボコって終わりなのにサ。 ライドウって、上層部の信頼度スゴイよネ・・・・」
「うー 勘違いでイルカに落とされた者同士、ですか。 ちゃんと腹を割って話さなくちゃ・・・・」
「「・・・・・・イルカは売約済みなんだからっ!!」」

ライドウにイルカが何を言っても無駄だネ。 洗脳か暗示でもかけられてると思い込んでるだろうし。
オレ達の口から、木の実が草寄せ場でイルカは草狩り忍だと言うコトは出来ない。 極秘情報だから。
そう言えれば一番手っ取り早いけケド。 元暗部猿部隊長で、現潜入員のシキさんの身の安全の為だ。


ライドウだけじゃない、木の実の常連客には根回ししとかなくちゃ。 婚約しました葉書だな、やっぱ。
マスターのコトには触れず、イルカちゃんはあの店に潜っていた里の潜入員で中忍、とだけ書く。
木の実の常連客は多分、ほとんどが里の主力。 下手に衝突するもんじゃない。 ここは筋を通すヨ?
ライドウにも、こう言って分かってもらう。 イルカちゃんはオレ達が幸せにするから、ってね。

正体がバレて店に火をつけられた。 三代目からの命を受け、潜入員を救出すべく動いたのがオレ達。
海野中忍は間一髪のところで、暗部の戌猫に命を助けられて、そのまま三人はめでたくゴールインv
ウンウン、不自然じゃないよネ? イルカにもそう言って口裏を合わせてもらおうヨ。 完璧vv


店が全焼したあの後すぐ、オレ達が行った。 最初に店に駆けつけたのがもしライドウなら・・・・
今のオレ達の立場は・・・ イルカとあなたな生活を送ってたのは。 ライドウだったかもしれない。
一歩出遅れてたら互いの立場は逆だったヨ。 ごめーんネ、ライドウ。 イルカはもうオレ達のなの。