一目あったその日から 9   @AB CDE FGI




「チャンス到来〜! “お姫様救出大作戦”だ! 四代目もこれでクシナさんゲットしたから。
 イルカちゃんに感謝されて、なおかつ惚れさせるには今をおいて他にないよ〜。 てんぞーくん?」


今なら? そうだよ、ボクはショタ好きのオスマグロから、イルカ君を守るはずだったじゃないか。
欲求不満が爆発して、カカシ先輩は我を失ってる。 気のせいじゃないなら、写輪眼が超高速回転中だ。
ココで独りカッコよくイルカ君を助けたら・・・・ チャンスだ、確かに。 先輩を出し抜ける、でも。
あのカカシ先輩が、こんなになるまで我慢してたなんて、この目で見ても、まだ信じられない・・・。

「やー、壮絶、悶絶、憧れの触手プレイだーネ・・・・ 完全保存、永久保存・・・・」
「カ、カカシ先輩、その気持ち、すごーーーーっく、わかりますが戻って来て下さい!」
「あんな可愛い顔出来る様になったんだネ・・・ 大丈夫、これで後1〜2年はもつから・・・」
「先輩、先輩っ! なにやってるんですかっ! あのヘンなのにお初を持っていかれちゃいますよ?!」

「おお、イイ感じ。 アレがお初を持っていってくれたら、不毛なお初争いもなくなるね〜」

・・・・・・あ・・・・。   遅かった・・・・・ アレもう、完全に中に入ってるよ・・・・ね?

イルカ君の後ろの穴が犯されている、多分・・・・ 邪魔な服に隠れて、よく見えないけど。
もう一本のロープは、服の中をつたって首に巻きつき、口の中を犯し始めた・・・・・。
わぁ、ホントだ。 イルカ君、あんな顔が出来るんだね・・・・・ すごく・・・・ じゃなくてっ!

う、ボクの思考が先輩化してる。 だってボクも二年間片思いしてきたんだから、仕方ないよね?

「ヨシッ! 触手モノ完全録画終了!! オビト、写輪眼をくれてありがとうっ!!」
「木の葉の宝眼のひとつ“写輪眼”をそんな事に使うなんて・・・・ くっ、あなたって人は・・・・」
「テンゾウ、待たせたネ。 オレ達のイルカを返してもらうヨ!」
「は、はいっ!! ・・・・・オレ達? はは、イイですね・・・ それで手を打ちましょう。」

「よっしゃ! 意気投合した、俺の読み通り〜! うん、うん、そのままくっついちゃえっ!」


雷遁と木遁で、霧状のロープもどきは黒焦げになった。 イルカ君に入っていた先っぽも真っ黒だ。
どんだけ使いこんだらこんな色になるの的な、真っ黒具合だった。 コレ一体何だったんだろう・・・。
ちょっぴり大人の顔になったイルカ君は、泣きながらボク達に抱きついてきた。 泣き顔も可愛い。
でも、本物はもっと太くて大きいから、やっぱりまだもう少し、待っててあげなきゃ。 ね、先輩?

「カカシさん、テンゾウさん、ありがとう・・・・・ うぅ・・・ 気持ち悪かったよぉーーーっ!!」
「大丈夫、もう黒焦げにしたから。 ビックリしたネ?」
「アイツはボク達がやっつけましたから。 怖かったね?」

「・・・・・ふたりとも、すごいや・・・   なんでそんなに・・・・ カッコいいの?」
「「キラキラらぶりーな瞳、キターーーーーーッ!!」」

「ふっ。 またひと組、幸せな恋人達を作ってしまった・・・v グッジョ〜ブ、俺!」

イ、イルカ君が・・・ 天真爛漫で、超鈍感で、人の好意を天然スルーかましまくるイルカ君が・・・・
頬を染めてボク達を見て言った。 『カッコいい』これは・・・・ 惚れたよね? もう夢中だよね??
今は亡き四代目夫婦をくっつけたという、伝説の“お姫様救出大作戦”は、吊り橋効果絶大だった。
ありがとう、コウ部隊長っ!! さすが自称暗部のキューピット! いや、恋の大天使様っ!!

「あ、式だ、なんだろ? “イルカちゃん発見”は、もう知らせたはずなんだけどね〜」
「三代目?  “はやくイルカの差し入れ持って来い”じゃないの、どーせ。」
「・・・・・え? これ・・・・ ってことは・・・・ この黒焦げ物体が?!」


ボク達がかぶりつきになっている時、部隊長がちゃんと式を飛ばして、三代目に報告をしていたらしい。
【湯の山の森の中で、謎の霧に包まれたイルカを発見、命に別状はない、安心されたし】
三代目はその“謎の霧”についての情報を、よこした。 詳細と注意事項が書かれている。
あの霧状の生物は、昼間ボク達が捕まえたネズミこと、侵入者によって持ち込まれた生物。

「危険生物にもなる得る、注意せよ、か。 確かにあれは危険だよっ! うぅ、お尻まだ痛い・・・・」
「直ちに処分、逃がすべからず・・・・って、黒焦げにしたから、もう問題ないでショ、解決。」
「・・・・・そうだね〜  おっと、ココ見て? ココんとこ〜。」
「・・・・あ、だからイルカ君が“父ちゃん、母ちゃん”って言ってたのか。」


その生物は、触った人間の感情を具現化し、触れた本人にだけ、そう見えるようになるらしい。
イルカ君の、死んだ両親に甘えたいという感情。 ボク達の、イルカ君に対するヨコシマな感情。
それらが、具現化された結果、イルカ君には両親に見え、ボク達にはあのエロいロープに見えた。
心に思い描いた通りを、あの生物が実行する。 優しくなでて抱きしめたり、特定の人間を犯したり。

・・・・。 じゃぁ、ボクは間接的にイルカ君を犯した事に・・・?? イルカ君のお尻を・・・ ぶほっ!