人生の楽しみ 2
@BC
DEF
GHI
まいった。 テンゾウが言った通り、かかっても三日だと思っていたのに・・・。
この御燈の里自体が、花の国からの独立を望んでる。 川の国と同盟を結んだと、里長は言った。
依頼主の望み通り、オニゲシの群生地だけを確保するなら、この里と敵忍を全滅させれば任務完了。
普段ならそうする。 オレ達はただ殺すだけ。 けど・・・ なんか、ひっかかる。
こういう時の勘は外れない。 全滅させて良いかどうかの確認の式を、火影様に飛ばした。
「あ、来た、来た。 ん〜と・・・ 同盟の話は本拠がない、裏をとれ?」
「御燈の里長の本心じゃない、ってことですね?」
「花の国からの独立を望んでる、とオレ達に言ったのは、言わされたってことか。」
「・・・・どっかに、雨隠れの本隊がいますね・・・。」
・・・やってくれる。 木の葉隠れに御燈の里を攻撃させる気だったのか。 自里の部隊ごと。
そうすることのメリットは? オレ達が里も囮の雨隠れも全滅させて引き上げたら、その後は?
その後は、本体が動くんだろう。 無人になった御燈の里から、悠々とオニゲシを持ち帰る。
オニゲシはウチが持ち帰ったようにして、花の国の木の葉への信用を無くす・・・こんなトコだろう。
「指名じゃなきゃ、部下に行かせてたネ。 ・・・オレ達が来てよかったヨ。」
「まったくです。 最近、あいつら、雑ですよね、仕事が。」
「テンゾウのとこもそう? オレもそれは危惧してた。 安心できるの、ジンだけだモン。」
「うちもハスナさんだけだし。 ・・・アラシ呼びますか? 今回、読唇術、役立ちますよ?」
「・・・・よし、きまり。 これで御燈の里の里長から、事情をおおまかに読み取れるネ。」
アラシはまだ新人だから、配属先が決まっていない。 使えそうなら、戌部隊に入れてやろう。
テンゾウも欲しがるかもしれないけどネ。 でも、ジンと仲良くなったみたいだし? ウチが有利。
三代目にアラシを寄越してくれる様、もう一度式を飛ばした。 後は、アラシ待ちだ。
テンゾウが指摘したように、任務内容が雑だ。 殺すことばかりを考えていたら、周りが見えなくなる。
アイツらがちゃんと丁寧な仕事をしていたら、今回のように、オレ達が指名されることはなかった。
あ〜ぁ、 今頃はテンゾウが特注したっていうキグルミをイルカに着せて、遊んでたはずなのに。
イルカは気持ちいいチャクラしてるから、興奮させたらさせただけ、あふれるのなんの。
「いちいち反応してくれるんだよね。 可愛いったらありゃしない。」
「イルカちゃんでしょ? 必死でしたよね、あははは。」
「どんなにイジっても、あのチャクラ質は変わんないよネー。」
「ええ。 柔らかいサラサラしたチャクラのままです。 不思議ですよね。」
始めは癒されるだけで良いと思った。 こんな安心できるチャクラに、いつも触れていたいって。
でも、一緒にいるだけじゃなくて、もし、このチャクラに包まれたらどうだろう。
オレ達がただ感じ取るだけじゃなく、イルカが自分からそれを向けてくれたら、きっと凄く気持ちイイ。
自分の手でするよりラク、それだけだったのに。 セックスが気持ちイイなんて思ったことなかった。
「いっぱい時間かけて、穴ほぐすのも楽しいんだよネ。」
「口を押さえてる手を取っ払って、声を上げさせるのも楽しいです。」
「イルカは素直だから、気持ちイイのこらえきれないし。 フフ。」
「あはは、気持ちよすぎて、いっつも泣いちゃいますもんね。」
女は勝手に濡れるし、時間がかからない。 ほっときゃ、自分から乗っかって終わってくれる。
わざとらしい声も耳障りだ。 うるさいから、オレもよく口にタオルを突っこんだもんなー。
急所をくわえさせるなんて、恐ろしいコト出来なかったのに、イルカなら噛み切られる心配はない。
それに・・・ 相手を気持ちよくさせようなんて、考えた事も無かった。 めんどくさいし。
「いや〜、変われば変わるもんだねぇ、オレ達も。」
「セックスが楽しい、気持ちいいなんて、初めて思いました。」
「オレもまったく同感。 その為だけに頑張れる気がする。」
「イルカちゃんに言いましょうか、キグルミ着せる為に、帰って来ましたって。」
「「あははは、ははは!!!」」
火影様は、思考からイルカを切り離せって言ったけど、そんなの無理に決まってるじゃん。
こうやって、イルカの元に帰りたいって思うのは、生き残りたいってコトデショ?
ちょっと前まで、いつ死んでも後悔しないと思ってたのに、今は違う。 イルカが泣くから。
気持ちイイ涙じゃなくって、あの時、和樹を看取ったような、あきらめた悲しい涙で泣くんだろう。
それは痛い。 あの別れの涙は、切られた訳でもないのに、体中が痛くなる。 だから死ねない。
「どうしょう・・・・ 今、部隊長達に声かけたら、また殴られるかなぁ・・・・?」