愛しの天敵 10   @AB CDE FGH JKL




木の葉史上、最強と里内外で恐れられている火影の私兵。 その部隊の威厳たるや言わずもがな。
報復・脅しは隊員達の得意技。 任務には鬼激クールで、仲間には超ホットなハートの持ち主。
それが木の葉の暗部。 暗部はそういう部隊で、そうあるべき行動をとってるからこその威厳。
そしてオレ達は黄金コンビとまで呼ばれている、その暗殺戦術特殊部隊の部隊長と補佐なのネ?

あんまり木の葉を舐めんじゃないヨ、絶えずそんな雰囲気を醸し出してるから畏怖されまくり。
敵忍や裏切り者にはトコトン冷徹で容赦しないし実際そうして来た。 それが部隊の長ってもん。
だから部下達に強姦が大好きな鬼畜ヤロウだといくら思われていようが、そんなのはへでもないのヨ。

でもネ? それが実際にそうなっちゃダメでショ?! ヤ、鬼畜ヤロウじゃないヨ? 断じて。
ソコじゃなて、自称キューピット軍団に心ならずとも感謝しちゃってる様じゃダメ、ってコト!!

なんなの、この充実した毎日はっ! 他里からのチョッカイや里内のゴタゴタを回避するのがお仕事!
研ぎ澄まされたチャクラで里内外の忍びを威圧しまくってナンボの存在なのっ! ホノボノ禁止っ!
三分経ったら素っ裸になる情人をはべらせて、部下の背中みながら号令かけるコトに慣れちゃダメ!!

そうでショ?! 心身ともに充実・・・ は感謝してるケド、その原因が大問題なんだカラッ!
オレ達を不快にさせるばかりの無神経中忍を、なかなか可愛いんじゃないの? とか思ったりサ。
今日の乳首隠しはナンだろーネ? なんてのを楽しみにしてるコトに愕然とするの! 分かる?!








「・・・・・・カカシ先輩。 ボク、結構真面目に考えてみたんですが。」
「奇遇だネ、テンゾウ。 オレも真剣に今の自分と向き合ってたのヨ。」
「弱点に向き合えば自ずと勝機は訪れる、熱くならず冷静に。 そうですよね?」
「そーだヨ。 自分の弱さを知り他者の思考の理解に努めれば、視野は広がる。」
「「・・・・・・・・・・・。」」

体験、経験は何事にも勝る知識となり、自分の中に忘れるコトのない思い出として刻まれるモノ。
オレ達がどんなに認めたくなくても、楽しいと思って過ごした時間は自分の中に蓄積されるのヨ。
それが今までに感じたコトのない楽しい時間なら特に。 ハァ・・・・ 素直に認めるしかないネ。

不穏な動きをするヤツがいれば、ギンッ! と一睨みするだけで良かった。 絶対に寄って来ないカラ。
往生際の悪そうな敵忍には、これでもか、ってほど思い知らせて来た。 舐めんじゃないヨ、ってネ。
そんなオレ達の気を無視するヤツと一緒に居る時間が楽しい、そう感じてる。 しかも偽物に。

「・・・・厳密にいうと本人なのかもしれないですけどね。」
「だよネー。 元々のノリの良さとイーブン思考な忍道は。」
「乳首隠し・・・・ もしかしたら頼めばやってくれるかも、ですね。」
「ウン。 オレ達がヤツに恩を売ればちゃんと返してくれるヨ、絶対。」
「「・・・・・・・・・・・ふぅ。」」

軸になる人格は記憶処理中であっても変わらないんだよネ、本人なんだカラ。 催眠術じゃないし。
元々が疑い深くて物事の裏ばかり読むオレ達 暗部みたいな忍びなら・・・・ きっと違ったよネ。
部下達が言う様に、基本的にヤツは “良い人” の部類なんだヨ、とことん我が道を行ってるケド。

「ボク達、必死で以前のうみのイルカを思い出そうとしてましたよね、今と違うから。」
「考えてみたらサ。 無意識でダメージの軽減を計算してたコトになるよネ、オレ達。」
「「・・・・・己の弱さから逃げるべからずっっ!!」」

ハモったってコトは、お前もそう思ったんだ、以前のうみのイルカを懐かしく思うのは逃げだ、って。
ヤツが孤独センサ―だと知らなかった時、そんな忍びを理解しようとして柔軟してやろうとしたよネ?
ケド、そういう忍びもいるんだと認めたとたん納得して・・・・ 柔軟する必要がなくなった。
あの時、一度挑んだ勝負を途中放棄したも同然。 勝負そのものがなくなってしまったからと。

ケド考えてみたら、なんちゃって部下にまでして鍛えた中忍なんて、ヤツが始めてなんだよネ。
今の様に三代目に頼まれたから面倒見てるのでもなく、部下達に恋人だと思い込まされたのでもなく。
もっとずっと前に・・・・ 勝負を挑む前に・・・・ オレ達、柔軟されてたんじゃないのカナ?

自分達のテリトリーに、無遠慮にもズカズカ入って来られるのがイヤだった。 ペースが狂うからと。
でも既に入れてたんじゃない? 部下達の欲求不満による過大妄想の産物だと思い込んでただけで。
実体験してみないと分からなかった、そんなのある? 罰ゲームで乳首弄りしたのにスルー??

「自分では見えないケド、他人にはよく見える、ってコトがあるよネ? ・・・・コレもそうカナ?」
「つまり。 ボク達が気付かなかっただけで、部下達はとっくに気付いてた、という事でしょうか。」
「ウン、多分ね。 その分類でイイと思う。 ヤツの根底はとっくに認めてたんだヨ、オレ達。」
「孤独探知機だろうが、乳首攻めが好きな変態だろうが。 以前も今も同じ、という事ですね?」
「「・・・・・・・・そうか。」」

ホラ、逃げようとしたモノと向き合い認めれば・・・・ それほどカッカせず事実として入ってくる。
そっか、なら楽しいはずだヨ。 オレ達が無意識で逃げたがったのは、恋という事実だったんだネ。
モウ! 自称キューピット軍団に感謝するのは当然じゃないのっ! オレ達って、どんだけ鈍感?!

ヤ、あの。 断じてヤツの食べ物シリーズの乳首隠しラインナップにヤられたワケじゃないからネ?
元からだったから! たった今、絆されてたって判明したトコだからっ!! ・・・・・・ン?
・・・・・・・・というコトはサ、テンゾウ。 オレ達って・・・・ 正真正銘の変態さんだったのっ?!