愛しの天敵 8
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こんなのってアリ?! そりゃ、思った以上の反応するから楽しいかも・・・・ なんて一瞬思ったヨ?
でもまさかイクとは。 オレ達が無事に出し終わったのを確認したうみのイルカの、あの満足顔っ!!
“よかった、記憶は飛んでても体が覚えてたw” みたいな、安心しきった達成感のあるトロケ顔っ!
・・・・・・・・・オレ達がいくらデキ過ぎの忍びで言動に説得力があるとはいっても信じすぎっ!
チョットは疑ったらどうなのサ! だいたい男の乳首弄りが大好き、ってのがおかしいでショ!!
信じすぎなのはイタチの瞳術の副作用かもしれないケド! ・・・やっぱり不運な中忍だーネ。
もしかして一番不運なのは、部下達にその中忍を強姦したと思われてるオレ達なんじゃないの?
こんな状況にも取り乱さずに冷静に対処して出しちゃうオレ達。 自分で自分を褒めてあげたい!
・・・・イイでショ? そうでも思わないとやってられないもん、スッキリしたのは事実だしっ!
イタチの最後っ屁や、オレ達の為を思って強姦ごっこ好きと吹き込んだ部下達を責められるはずもなく。
すっかりオレん家が変態ハウスとなったあの日から一週間、うみのイルカは暗部の待機所に入り浸ってる。
毎日オレ達の間に陣取って、なんかの着ぐるみを着用。 当然、影分身で変化だから三分持たない。
ピコンピコンとお知らせタイマーが鳴ると、部下達は一斉に後ろを向く。 見ませんよー みたいな。
部下達の後頭部と尻を見ながら任務や訓練への号令にも慣れた。 同じく背中越しからの報告もネ。
「なんかサ。 オレ達、最近柔軟されてきてない?」
「・・・・・・慣れって、恐ろしいものですよね。」
「「・・・・・・・・・ふぅ。」」
・・・・・ソウ、慣れたんだヨ、恐ろしいコトに。 人間って、どんな状況にでも順応すんのネ?
案外、この生活も楽しんじゃってたりする。 だってあの暗部の元天敵、うみのイルカが、だヨ?!
オレ達の殺気をガン無視で寄って来て、言いたいコトだけ言って消える様な・・・・ 無神経中忍が。
とっても甘え上手だった日にゃ・・・・・ カワイイじゃねーかこのヤロウ! って、なったりネ。
そうなのヨ。 本人はすっかりそのつもりで待ち構えてんの。 元々ノリはイイ方だったけどサ。
なんというか別世界なのヨ。 “コスプレマニアの乳首弄られ好き” って信じ込んでるからネ。
共通の性癖を持った恋人、部下には本当の事を言えないからカモフラージュしてる、みたいなのを。
外では厳格な暗部の部隊長と補佐、でも家に帰ればフリーダム。 そこんトコを攻めてくんの。
もう我慢しなくてイイですよー さあさあ! って感じ。 家では隠し事はナシですよw 的な。
対忍び用の仮面を外させるなんて、さすがは孤独感探知機だヨ、オレ達の弱いトコ突いてるよネ。
オレ達が鍛えたせいかなかなか優秀でサ、影分身と物質変化の術をフル活用して、サービスすんのヨ。
乳首隠しに凝るコト、凝るコト。 小さいホタテ貝みたいなのとか、キラキラの星型みたいなのとか。
とにかくそういうのに化けて楽しませてくれんの。 めくってネv って甘えた目つきで訴えながら。
昨日なんか、ナスのヘタの乳首隠しだったの。 多分オレが好きだって言ったからだヨ、ナスを。
そんなの見たら・・・・ ナニ、カワイイ真似してんの、アンタッ! ってなるでショ?!
思わず、このおナスの実は小さいですネー なんて言いながら弄り回しちゃったじゃないのっ!
今日は絶対クルミだヨ? なんでって、テンゾウが好きだって言ったから。 クルミカバーだヨ、絶対。
・・・・・どうなのコレ。 順応しすぎでショ、オレ達。 マズイんじゃないの? ひょっとして。
だってもう数週間もすれば戻るワケでショ? イタチの瞳術が記憶をつかさどる脳内細胞に浸透する。
そんで綺麗サッパリ、うちは一族粛清の事実を忘れちゃって、うみのイルカは元の無神経中忍に。
・・・・・・・。 チョットだけ淋しい、なんて思っちゃうトコロがマズイのヨ。 ダメだよネ?!
「今のうみのイルカはオレ達が作り上げた代物だもん、所詮は偽物。」
「ええ、奴は信じ込んでますが、本来はボク達の天敵だった男です。」
「チョコットでもこの期間の記憶が残らないかなー とか思っちゃマズイよネ?」
「どうしても比べてしまいますからね、自分達の都合のいいように作ったなら。」
「“相性ピッタリの人と巡り合えてよかったv”とか言ってたネ・・・・」
「“俺の前では変態のままでいいですからねv”とかもよく言います・・・」
「「っ! だめだっ! 変態肯定思考を払拭せねばっ!!」」
考えれば考えるほどダメ。 だってそうでショ? 誰だって自分の都合のいい方を選んじゃうじゃない。
そっちが偽物なら余計にネ。 ・・・・ヤ、別に乳首攻め好きが理想の相手だとかじゃないのヨ。
偽物のうみのイルカの居る空間でリラックスしてる自分達がイヤなの。 というか、ダメでショ!
ヤツはいいのヨ? マニア思考同士が実を結んだ恋人達だとすっかり信じ込んでるだけだからサ。
期間限定のこの偽物イルカなら愛人にしてあげてもイイなー とか思い始めてる自分達がイヤなの!
自分の都合のいい様に変えた相手だけ認める? そんなのダンゾウの洗脳教育と一緒でショ?!
人っていうモノは自分と違って当然なのヨ、様々な思考や趣味が存在するのが普通! なのに・・・・
・・・・・・ン? アレ?? 厳密には、孤独探知機うみのイルカ本来の性質は変わっていない。
節々で価値観が変換されてるダケ。 ならこのノリは・・・・・・ ヤツ本来の・・・・ 人となり??
乳首弄り云々は抜かして、あと着ぐるみ好きも抜かしたとして、甘え上手なのは本来の性格なの?
「「・・・・・・・・・・・・。」」
「そう言えば、うみのイルカがまだオレ達の天敵だった頃・・・・・」
「敵を知らずして勝機は訪れない、とか思ってましたよね、確か。」
「知らない方が良かったかもネ・・・・」
「・・・・・ですね。」
「・・・・・ただ単にボク達の邪魔をする存在だったあの頃が、懐かしいですね。」
「・・・・ウン。 このままだと、間違いなくヘンな趣味に目覚めそうで怖いヨ。」
「「本来の・・・・ あのふてぶてしい天敵は、今いずこ・・・・」」
小さい粒でも結構楽しいじゃない、とか。 乳首攻めを肯定しつつある自分に気付いてビビる毎日。
やっぱりある意味オレ達の天敵だネ、うみのイルカは。 普段のペースを乱す相手には変わりないヨ。
・・・・マジで乳首攻めマニアに目覚めるワケにはいかない。 変態の仲間入りは絶対にしないカラ!!