愛しの天敵 2
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水面下での働きは全て暗部の仕事なの。 里の表向きの警備全般担っているのがうちは一族。
だから彼らが謀反を企てるなんて寝耳に水。 一般人や正規の忍びに尊敬される名門の一族なのに。
ま、実質手を汚しているのはオレ達 暗部だし? お飾りというのがプライドを刺激したのかもネー。
木の葉創設に協力した一族を表向きの飾りにしておくなどと我慢ならん! みたいな感じかな?
血縁のプライドばっか先走ってるからネ。 思想は時代と逆行してるのにまるで気付いてない。
だからお飾りなんだ、って分かってもよさそうなモノなのにサ? ま、ソレは置いといて。
だからって一族の誰もが埃かぶった思想の持ち主ばかりじゃない。 優秀な人材も当然いる。
悲しいかな若い世代なんだけどネ。 特にシスイとイタチは三代目が暗部に入隊させたほどだもん。
二人ともメチャメチャ優秀でサ、ひょっとしたらオレとテンゾウの後釜にするつもりだったのかも。
なら可愛がってやんなくちゃ、と思ってたら一族の謀反ときた。 どうなのソレ! でショ?
しかもサ。 シスイが身投げしたって言うじゃない。 遺体を見たヨ、両目がくりぬかれてた。
あの時、イタチは終始無言だったんだケド、まさかあそこまで思い詰めてるとは・・・・ ネ。
イタチは一族の謀反を止める為に強行に出た。 自分の弟以外のうちはの者を殺害したんだヨ。
・・・・・裏で誰とどんな取引があったにせよ、イタチが選んだ道はなんとも辛い長い道だネ。
応援するケド、残念だヨ。 一言オレ達に相談してくれたら、ジャンジャン喜んで一緒に汚れたのに。
イタチが一族殺害の罪を一人でかぶったから、うちは一族の謀反は表に出るコトもなく名門のまま。
悲劇の一族の生き残りのちびっこは三代目が後見人となって面倒を見るらしい。 ナルトと同じだネ。
「サスケには警護の心配はいらん。 悲劇の一族に同情する輩は大勢おるでな。」
「そうですネ。 ご近所さんや他の名門一族からも援助してもらえるでしょうカラ。」
「裏切り者はイタチでうちは一族ではない・・・・ と皆が思おておるのが救いじゃて。」
「そうなるようにお膳立てしたんですね。 弟の立場が今後里で変わらぬ様にと。」
じゃ、オレ達の警護はナルトのみか。 警護不要、ってコトは十中八九裏取引があったんだーネ。
でもオレ達の警護が不要というコトは、ダンゾウと取引したのかイタチは。 そういうコトでショ?
三代目が目を光らせていなくても拉致される心配はない、ってコトは根と取引したってコトだもん。
バカだネ、イタチ。 オレ達はシスイの死にダンゾウが関わってると思って調べてたトコなのに。
「死人に口なし。 これでシスイの死の真相を探る訳にはいかなくなりましたね・・・・。」
「そういう事じゃ。 ダンゾウはイタチを説得した手柄で疑いを払拭しおったからの。」
「上手く利用されたネ。 自分に疑いの目が向く前に一族を追い出したんだーネ。」
「サスケは里の皆がおる、心配せんでええ。 それより今心配なのは・・・・・」
「「人柱力のナルトですね?」」
「・・・・・も、そうじゃが。 イルカじゃ。」
「「はあ?!」」
「いや、実はのぉ。 ほれ、イルカの性質というか、感知体質を知っておるじゃろ?」
「・・・・・ええ、孤独感を何をおいても優先的に感知する体質だと・・・・」
「オレ達も先日、イヤというほど納得しましたヨ。 それがナニか?」
「なに、イタチのな・・・・ 一族殺しの使命に対する孤独感を感知しおったのじゃ。」
「「・・・・・・・まさか。」」
「一族粛清の命を受けた忍びの孤独を嗅ぎ分けて、うちはの敷地内に侵入しおった。」
「「うみのイルカは死んだんですか?!」」
ゲッ! いくらオレ達 暗部の天敵だからといって、木の葉の罪もない仲間が死ぬなんてダメでショ?!
そりゃ、うみのイルカは鈍感で自己完結型のマイペース中忍だケド、口封じはいくらなんでもダメ!
むしろ、可哀そうな忍びとして実戦組手までして鍛えたなんちゃって部下だヨ? チョット、イタチッ!
・・・・・・・へ? 記憶喪失? 一時的な?? ア、そう。 口を封じたワケじゃないのネ?
とっさに記憶操作の術で今見たコトを忘れさせようとしたら、対人関係を消去しちゃったんだ?
うみのイルカの侵入はイレギュラーだったので記憶操作の加減が出来なかったのネ、ナルホド。
・・・・・・ほうほう。 オレ達の部下が引き取りに行ったと? ・・・・ウン、そういや行かせた。
イタチが一族を粛清したから後片付けに向かってくれ、って三代目に言われたから行かせたっけ。
しかし。 イタチじゃなかったら完璧に口封じされてたヨ、うみのイルカ・・・・ バカちんめ!
ま、他の忍びの巻き添えが一人だけ、ってコトでヨシとしよう。 ねぇ、これってやっぱ暗部の責任?
一応、イタチはまだ暗部の正式な隊員だし。 部下の最後っ屁の責任をとるのは長の責務なのかナ?
この後イタチはスパイ活動に専念するらしいからネ。 仕方ないか、お前の屁の始末はつけとくヨ。
そうそう、影分身で百合の着ぐるみに扮していたうみのイルカは、術が解けたらスッポンポン。
そりゃそうだよネ、影分身を着ぐるみに変化させてそれを身につけてたらそうなるよネ?
影分身を三体出すのはなかなか筋がいイイケド。 もって3分だから実戦じゃ使えない。
三分持つように特訓してあげたんだよネ、あの後。 三分後捕まえる鬼ごっこ形式にしてサ。
あの第七演習場での鬼ごっこが今生の別れの思い出にならなくて・・・・ 良かったヨ、ホント。