草狩り忍 11
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「あヤツは中忍昇格以来、一度も木の葉の地を踏んでおらん。 そろそろ呼び戻そうと思おての。」
「ソレとコレと・・・・ どういう関係があるんデスか?」
「お主達も知っておろう。 ナルトをな、アカデミーに入れようと思う。」
「という事は・・・・・ イルカちゃんをアカデミー関係に配属すると?」
次の草狩り場はもう作ってあり、草狩り忍も潜っているそうだ。 マスターこと前猿部隊長もそこに。
え。 じゃぁ・・・・ イルカちゃ・・・ じゃない、イルカ中忍は、もうすぐ里に戻ってくるんですか?!
・・・・は? 四代目の大ファンで、ナルトフェチ?? 下忍時代はナルトのベビーシッターだった?!
あの、カカシ先輩。 ひとつ聞いてもいいでしょうか? イルカちゃん、口説き上戸ですよ・・・ ね?
「・・・・・誰にも言えないけどずっと見てた、って。 力になれないけど、とか言ってたネ。」
「生まれて来てくれてありがとう。 心の中で言うよ、愛してる。 そうも言ってました。」
「・・・・・・テンゾウ、オレさ。 ものすごーくイヤな予感がするんだケド?」
「・・・・・・奇遇ですねボクもです。 生きてると分かって凄く嬉しかったんですが。」
「イルカ中忍って・・・・・ 涙もろいだけ? 里にいるナルトに会えないから、つい愚痴を?」
「でも励まそうと思ってくれてたのは事実ですよ? そこからナルトの回想に入った・・・・ とか?」
「「じゃぁ・・・・ 後半は全部・・・・ ナルトを思っての言葉?! 」」
・・・・・・・ふ。 ふふふふ・・・・。 カカシ先輩、今ボクが何を考えているか分かりますか?
イルカちゃんは草狩り忍でずっと花街に潜っていたけど、中忍として里に戻ってくるんですよね?
誰にも遠慮なく側に置けるじゃないですか、これから。 ・・・・・ボク達の。 そうでしょう?
忍びならある程度自分の身は自分で守れますよ。 先輩の忍犬もいて、イルカ中忍もいる!
「ボクの隠居後の夢が・・・ 隠居を待たずして実現しそうです、早くも!」
「オレも。 後、坊やだけだったから、ナルトを坊やにすれば全部そろうヨ!」
「坊や? ・・・・“あなた”の替え歌を口ずさんでた時、ハミングで誤魔化してた箇所ですね?!」
「お前全部聞いてたのネ? では。 コホン! ♪ ナルト〜の横に〜はイルカ〜♪ ヨシ、超完璧v」
「「って事で。 三代目、イルカ中忍を嫁に下さい。」」
「・・・・・さっぱり分からんが・・・ そうじゃの、もう一つ盆栽出してくれたら・・・・ の?」
「ご意見番とお揃いですね? 分かりました! 木遁っ! ミニ樹海降誕っ!!」
「おぉ、ほんに可愛いのぉ。 コハルもホムラも喜ぶじゃろうて。 ほほほほ。」
「では火影の許可の元、重婚婚約成立というコトで!! 行くぞ、テンゾウッ!!」
「はいっ! きっと・・・・ ナルトのアパートの屋根か天井裏にいますよね?」
「「♪ 愛し〜い〜 イルカはぁ〜 ♪♪ い〜ま どぉ〜こぉ〜にぃ〜〜 ♪ なんちゃってっvv」」
「・・・・・・なんじゃ? 懐メロ大会か??」
オレ達が思った通り、イルカちゃんはナルトのアパートの屋根から天井裏に侵入しようとしていた。
先に火影様に顔を見せなさいヨ! とかは、この際ナシ! イルカちゃんの背後に瞬身移動だっ!
再会の喜びが湧き上がる! 今の瞬発力、故四代目を超えるぐらいのスピードだったよネ、オレ達!
「ナルト・・・・・ やっと帰って来たよ? もう俺のことなんて覚えてな・・・・・ ひぃっ!」
「「イルカちゃんっ! 草狩り忍の潜入任務、お疲れ様vv」」
「ずっと里に帰ってなかった俺を、唐突に出迎えてくれる方々・・・・ あの、どちら様でしょう?」
・・・・・・そんな・・・・ イルカちゃんが・・・・ まさか草狩り場の秘密を守る為に記憶を?!
イヤ待て。 冷静沈着 冷酷無比 家内安全 と言われている頭を働かせろ! 冷静に考えるんだ、オレ!
さっき三代目は・・・・ もうすぐ帰ってくると言ったヨ。 重婚婚約もミニ盆栽と交換で成立させたし。
・・・・・・?? ナルトのアパートに直行したってコトが既に、記憶そのままだよネ? ・・・アレ?!
ならなんでイルカちゃんはオレ達に気付かないの?? どちら様でしょう? なんて、酷過ぎっっ!!
カミュの似合う上忍だって言ったじゃないのっ! こんなイイ男二人を忘れるなんて・・・・ イイ男??
・・・・・・・ア。 面つけたままだった。 更に覆面だし、声もくぐもってわかんないよネ。 ごめーんネv
「はっ! そうか、面っ!! 忘れてた! ・・・・・っと。 これでわかる??」
「カカシさんにテンゾウさんっ!! って、おふたりは暗部だったんですか?!」
「そうデース! あとオレ達、ご意見番公認のイルカちゃんの婚約者、だからv」
「婚約・・・・・?? そ、そうなんですか?! いつの間にそんな話に??」
木の実でイルカちゃんに堕とされたコト。 一般人だから側に置けないと言い聞かせたコト。
草狩り場って知らずに、木の実が焼かれてブチ切れたコト。 今迄の気持ちを全部イルカちゃんに話した。
オレ達の表面なんか気にしない、内面を見てくれるイルカちゃんの側に・・・・ ずっといたい、って。
「「皆で坊やを・・・ じゃない、ナルトを育てよう? あと、忍犬まみれになろうね!」」
「ナルトを一緒に? わ! 忍犬まみれっ! あ、古い木造建築巡りもどうです? 温泉もっ!」
「「大賛成っっ!! これからいつも側にいてくれる?」」
「潜入の為とはいえ、おふたりを騙していたのに。 こんな俺でいいんですか? すぐ泣いちゃうし。」
「「あはは、涙もろいイルカちゃん大歓迎。 ・・・・・・・・お帰り、イルカ中忍。」」
「うぅ・・・・ 海野イルカ、只今潜入任務から・・・ 戻って、まいりました・・・ ぅわぁ〜〜ん!!」
フフフ、ナルトや里のコトを思い出して泣いちゃうような、酒好きで涙もろい草狩り忍を手に入れた。
こんな忍びなら、草もつい信用しちゃうよネ? オレ達だって全然分かんなかったしサ。 だって・・・・
その涙や優しさに、嘘はないもん。 イルカ中忍の心は温かい。 オレ達忍びは何よりも嘘に敏感だからネ。
ン? 三代目に帰還の報告?? 今は邪魔しない方がイイかな? コハル様とホムラ様が行ってると思う。
さっきテンゾウがミニミニ盆栽を出したから、今頃誰がどれを育てるかでモメてると思うよ? フフフ!
『あなた』は私の知人の十八番で、毎回聞かされてましたv カカシ&テンゾウに激しく共感!(笑) 聖