草狩り忍 7   @AB CDE GHI J




ワー やっぱりテンゾウはマジで惚れちゃってるみたいネ。 あんなに名前を強調してたし?
悩む・・・・・ さっきも言ったケド、もうテンゾウは四天王の一角を担うまでに成長した男。
木遁即席宿は便利でリッチなコトこの上ない。 それに木遁質の盆栽も、一種のブランド化してる。
ホムラ様もコハル様も三代目と同じく初代様フリーク、“猿飛だけズルイ!”って盆栽出してもらってた。

三人とも扉間班仲間だし、仲がいいのとライバル意識が混在してて、とにかく張り合うからネ。
“火影のワシにもう一つ出すのじゃ!”ってなって“猿飛だけ贔屓するとは何事じゃ!”ってなった。
今やお年寄り達のたしなみの様になっている盆栽コレクションは、毎年品評即売会を開催するほどだ。

『なに?! テンゾウが失恋のショックで暗部を抜けるとな?! ワシらの盆栽コレクションは?!』
『ヘソを曲げていては良い盆栽を出してくれん。 そうじゃ! イルカちゃんを娶らせては?!』
『おおそうじゃ、無理やり嫁さんにしてしまおう、ワシ火影だし。 そんなの朝飯前じゃ!』
『『『わははは! 万事解決じゃ、品評会は今年も木の葉で開催するぞぃ!!』』』


こんなコトになったらどうすんのヨ! イルカちゃんが心の底で愛しちゃってるのはオレなんだから!
里のご意見番勢力はハンパない、やると言ったら必ずやる超ワガママな年寄り達だ。 ピンチだヨ!


『あーれー カカシさーん 助けてー 俺、無理やりテンゾウさんの嫁にされてしまいますー!』
『ごめんネ、イルカちゃん。 里の上層部には逆らえないんだヨ、スーパー上忍のオレでも・・・・』
『俺が愛しちゃってるのはカカシさんなのに! もういいです! 死んでやるっ!!』
『そんな、そこまでオレのコトを・・・・・ イルカちゃん、死ぬなぁーーーっ!!』

ギャーーッ!! ダメ、そんなの絶対ダメだから!! 死ぬぐらいならオレが巻物の中に保存するから!
口寄せ契約して、忍犬と一緒に隠しておいてあげるからっ! はやまっちゃダメだヨ、イルカちゃんっ!
これはやっぱりテンゾウに、自主的に諦めさせる他ない。 花街遊びの心得を忘れたか! って!!

やっぱサ、そこまでオレを思っていてくれるイルカちゃんには、幸せになってもらいたいじゃないの。
テンゾウも便利で頼もしい仲間だヨ? でもオレ達は忍び。 一般人を側に置いちゃいけないんだ。
オレ達の敵はやっぱり忍び、例え男でも一般人は身を守るスベを持たない。 狙われたらお終いだヨ。
相手の傷をみつけ、ソコに塩を塗るのは忍びの常套手段。 そうなった時、一番苦しいのは自分だ。

かと言って木の実に行くなとも言えない。 単純に、オレと一緒にホッコリしに行くだけなら大賛成。
やっぱりネ、寛げる空間っていうのは大事だーヨ。 イルカちゃんにもオレの顔を見せてあげられるし!
暗部なんて、いつ何時どうなるかわかんない部隊だもん、少しずつ洗脳気味に説得していくしかないヨ。


「オレ達木の葉の忍びの・・・・ カッコいいトコだけ、覚えててもらおうネ。」
「・・・・そうですね、イルカちゃんやマスターには、一上忍として映ってますから。」
「ウン。 最近来なくなったな、任務で忙しいのかな、ぐらいにしておこうヨ。」
「・・・・・そういう日が来ないとは言い切れませんからね、ボク達忍びは。」

「でショ? 記憶に残るのはただ、美しい思い出のみ。 遊び上手な木の葉の上忍ってネ!」
「カカシ先輩・・・・・。 ははは。 まいったな・・・・ カッコ良すぎでしょう、ボク達!」

ヨシ、掴みはオッケー。 死ぬ気なんてサラサラない、オレの夢はハイパーな弟子を育てて円満退職。
基本ヘンなトコで真面目なテンゾウなら、感動して洗脳されて行くはずだ。 グッジョブ、オレ!
んでもってオレは、こっそりイルカちゃんの反応を見て癒されちゃう! 上手に隠してる心の欠片でネ。


テンゾウの目が“カカシ先輩ボク、辛くても我慢します、それぐらい耐えてみせます”って言ってる。
そうだーヨ? 辛いのはきっと一時ダケ。 ンー しばらくかもしれなケド、いつかなくなるヨ。
オレも極力、忍犬出してあげるからサ。 一緒に洗ってブラッシングもしてあげるからネ?
それぐらい、いつでもつき合うヨ。 だってイルカちゃんのハートを盗んだのは、このオレだしサ。

ンー 退職後ならつきっきりで守ってあげられるかも。 もし、気持ちが変わってなかったら、だケド。
円満退職後、もし今のまま気持が変わってなかったら・・・・ 木の葉の里に来てもらってもイイかな。
その時は・・・・・ テンゾウもきれいさっぱりイルカちゃんのコトなんて忘れてるよネ、きっと。

実はボク、イルカちゃんのコト好きだったんですよ、なんて笑いながら話せる日が来るかもしれない。
オレがイルカちゃんと一緒になる頃には、テンゾウの横に仔テンゾウ二世、三世が誕生してたりして。
ウン、遠い未来、そんな日が本当に来るかもしれない。 ま、しつこいようだけど変わっていなければネ。


ン? オレ、イルカちゃんに惚れちゃってるよネ、コレ。 そんな先の不変の愛を期待したりしてサ。
リッチで優雅な引退後の生活に、イルカちゃんが横に居れば? オレ今“あなた”な想像しちゃったヨ!
先代猫部隊長がカラオケで必ず歌ったあの曲の歌詞を! 記憶力抜群のオレはバッチリ覚えてるもんネーv

大きな窓と小さなドアをつけた家はテンゾウに建ててもらおう。 当然、中に古い暖炉も置いちゃったり。
真っ赤なバラと白いパンジーみたいな盆栽も出してもらう。 仔犬はマイ忍犬’Sに変化させてクリアー。
ブルーの絨毯を敷き詰めるのは何の問題もない。 なんてったってリッチな引退生活を送る予定だし!
後は・・・・ 坊やか・・・・ さすがにコレは無理かな、イルカちゃん、男だしネー。 でも他は完璧!