オセロゲーム 2
@BC
DEF
GHI
J
霧隠れの奴は、下忍に起爆札仕込んで、特攻させて来る。 弱いくせに数ばっか多くてヤダねー。
水の国の下忍はまとめて捕縛しておいてほしい、洗脳しやすいから・・・なんて、
情報部のヤツらからの要望で、殺すことも出来やしない。 現場の苦労を、考えろってーの。
起爆札取り除いて捕縛なんて、手間とチャクラの無駄使いだよ、もー、クタクタ。
「おい、テンゾウ。 動けるか?」
「ははは、もう動きたくないです、ボクも結構チャクラ使いました。」
「仕方がない、またブルに運んでもらおう・・・ 口寄せの術!!」
「呼んだか。・・・ん? またか・・・ よし、ふたりとも早く乗れ。」
「ブルさん、いつもすみません。 ・・・・・変化の術!」
「下忍は情報部が引き取りに来るから、ほっといてイイよ。 ・・・・変化の術!」
下忍捕縛任務はコレで三度目。 オレ達は暗部の中でもその腕をかわれ、それぞれ部下を持つ身だ。
だから、ついうっかり殺してしまわない様にと、情報部から結構こういう頼まれごとをする。
暗殺戦術特殊部隊に、捕縛任務・・・頼りにされているのは嬉しいが、正直、殺す方が楽だ。
ヘロヘロになったので、ブルの背に乗り帰還する。もうこれ以上無駄にチャクラを使いたくない。
「情報部は水の国の下忍集めて、何するんでしょうね。」
「そんなこと、知らないヨ。 でも、あそこのアカデミーの卒業試験は悲惨だし。」
「そうですね。かわいそうに確か、マンセルで殺し合いさせるんですよね。」
「せっかく下忍になったのに特攻させられて・・・木の葉に抱き込むにはイイのかもネ。」
オレ達はそれぞれ仔犬と仔猫に変化して、チャクラでブルの背中に張りついている。
小さな子供に変化して乗ったら重いといわれ、ノミに変化したら足の爪で掻き殺されそうになった。
このサイズがブルのお気に入り。 大抵の奴は、コイツをみたらよけるし、ラクチンだ。
こうやって帰還するのも慣れていたので、ふたりともついウトウトして、ブルの背でダレていた。
「まだひとり、隠れていたようだ・・・・・ くそっ、来るぞ!!」
「なに?!」
「うわっ!!」
「ぐうっ!!」
オレ達は爆風に巻き込まれ、吹き飛ばされた。 霧の下忍は全員、特攻をかけて来たと思っていた。
特攻が嫌で違う場所に隠れてはみたが、帰還しても待つのは自国の制裁だと、思い至ったのだろう。
水の国は、敵に後姿を見せると任務違反で処刑される。 敵前逃亡は即、死を意味する。
吹き飛ばされる前に見たのは、泣き叫びながら特攻して来るひとりの少年の姿だった。
「おー、さすが木の葉の忍犬、忍猫! 任務は完了だ、偉いぞ、お前たち!!」
「・・・・ということは・・・ここは木の葉の里だな・・・」
「・・・あー、まだ耳が ジンジンするヨ・・・」
「あなたが・・・ボクたちを?」
オレ達を助けてくれたらしい青年が、パチパチと拍手をして、キラキラした目で見つめている。
火影様から全部聞いてる、霧の下忍をたくさん助けたんだって? と青年は笑顔で言った。
・・・・ダイブ誤解があるみたいだが、いいように取ってくれるなら、ソレはソレで良しとしよう。
さあ、もとに戻ろ・・・・・・ ン? アレ? オレのチャクラが・・・封印されてる?
「せ、先輩!! チャクラが・・・・ 封印されてます!!」
「やっぱり? ・・・あの爆風かなぁ。 でも、そんな高度な起爆札じゃなかったよネ?」
「どうした 毛が逆立ってるぞ?」
「あ、ごめん! 目が覚めたらみせろって、火影様に言われてたんだ! ・・・はい、コレ。」
青年はハッと思い出したように、三代目から預かったという手紙を、巻物ホルダーから出した。
オレ達よく見るとけっこう傷だらけだーネ。 手当ては終わってる。全部この青年がしてくれたらしい。
人語を話せるし、字も読めるのか、凄いなーと、彼は、しきりに感心している。
だが感心しながらも、オレの首の後ろを掻くのはヤメテ欲しい。 犬はソコ、気持ちイイんだよネ。
両名任務ご苦労、一週間の休暇を与える。 一週間後、またバリバリ働いてもらうことにする。
お前達のチャクラを封印し、暗部部隊長が契約している、忍犬、忍猫だと、説明しておいた。
傷が治るまで、その中忍に世話してもらえ。人間性はワシが保証する。安心してよい。
その中忍、海野イルカは、動物好きなので可愛がってくれる。たまにはゆっくりと体を休めよ。
※ ←ココに足をおけばこの手紙は消滅する
火影命令なら仕方がない、たった一週間だしネ。 この動物好きの中忍に飼われてあげまショ。
指定された箇所に、テンゾウが前足を置いたら、ボフンと音を立てて手紙が消えた。
中忍、海野イルカは、またパチパチと拍手をして“凄い”を連発している。 そして・・・。
忍術を使ったと思ったのか、テンゾウの前足が気になるようだ。 触りたそうにウズウズしている。
あ、と思ったら既に肉球をブニブニしていた。 いきなりのコトでテンゾウは耳を寝かせて硬直してる。