火影の嫁探し 12
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なんだか呆然としてる間に、引きずられて帰って来た。 当たり前だ、ここは俺んち。
目の前にはこれでもか、ってほどニコニコした忍びがふたり。 そんなに嬉しいの??
えっと、一つ聞いていいですか? ナゾの下ネタチン揉み挨拶は、ワザと・・・・・だったり??
「んー 最初は三代目の言う通り、緊張をほぐす為にオチャラケたんだよネ。」
「でもイルカ、一度揉み返したでしょう? あの時吃驚したんだよ、ボク達。」
「思いのほか反応良かったですもんね?」
「いや、それもあるけど、一応急所だし。 中忍に掴まれるとは。」
「・・・・おい、何気に失礼だな。」
「違うヨ、無意識に命を預けちゃってた、ってコト。 オレ達が。」
「・・・・で、結局ワザと揉んでた訳ですか?」
「「うん!」」
「・・・・・・あ、そう。」
リアクションを面白がって、からかってる訳ではなかったのか。 するとなにか、俺、自爆したの?
・・・・・・・・なんてこった。 笑顔でスルーが、嫌悪感ゼロ、バッチコイな印象を与えたのかも。
俺達受付忍の世渡り術、笑顔でスルーは、暗部の猛者ふたりには通用しなかった、って事だ。
これがマンセルを組んで最初の頃なら、キッパリくっきりハッキリお断り出来たのに・・・・・。
お断りするには、ふたりを知り過ぎてしまった。 凄く優しい事も、甘えたな事も、我慢強い事も。
そして、三代目が自慢するぐらい素晴らしい忍びだと。 俺は身を持って知ってるんだよ、悔しいけど。
ここでどっちかを選べとか、戦々恐々となってしまったら、即座にお断りする。 でも、それもなし。
俺の理想の恋人は、姉さん女房、仕事上で妥協しない、所帯じみた俺を嫌がらない人、と言ってみた。
「姉さん女房か・・・・ オレ年上だヨ、よし、クリアー!」
「仕事上、妥協はなし・・・・ ボク、恐怖の支配、得意中の得意です。」
「生真面目で所帯じみてる所が、イイんじゃない。」
「他人の事に一生懸命になる所も、好ましいです。」
「「真剣にボケてて、見てて危なっかしいのも魅力vv」
「・・・・・・そりゃ、褒めてんですか?」
「「もちろん!!」」
「はははは・・・・・ つまりは、お二人合わせると俺の理想の恋人像に当てはまる、と?」
そうなんだよな。 まさに俺が欲しかった恋人像なんだよな、合わせると。 でもそんな事可能なの?
確かに凄い有名な上忍には、妻や夫が数人いる事もある。 でも、俺、ただの受付中忍ですよ?
俺の恋人だなんて、おふたりは胸を張って言えますか? 里を代表する忍びのおふたりが。
え? リンゴさんは一般人なのに火影の嫁だ、ですか? それとこれとは話が違いますよ。
「違わない。 だってイルカが言ったヨ、死ぬまでに幸せをイッパイ感じろって。」
「そうです、こうも言いました。 せめて家では、幸せを満喫して欲しい、って。」
「・・・・・・俺と一緒にいれば、一杯幸せを感じて、満喫できるってことですか?」
「リンゴさんに、猿飛ヒルゼンを慕ってるか、って聞きましたよね?」
「それから三代目に、ありのままのリンゴさんを見てもらう、って。」
「そうですね、違いません。 立場や肩書きなんてクソくらえです。」
ははは。 その通りだ。 俺がこだわってどうするんだ、俺自身が言った言葉なのに忘れるなんて。
全部、覚えててくれたんですね。 俺の言葉や意思を・・・・ 尊重してくれてたんだ・・・・。
なあ、冷静になって考えてみろよ。 俺、ここ一ヶ月、やっぱりメチャメチャ楽しかったじゃないか。
同じだ、ふたりが言った事、俺もそう思った。 一緒にいて楽しくて、時間が経つのが速くて。
家族が増えたみたいで嬉しかったじゃないか。 頭を撫でてくれた手が優しかったじゃないか。
言いたい事言って、したい事してた。 本当なら、力ずくでどうにでも出来たはずなのに、だ。
理解不能だったけど。 一度だって俺、嫌だ、なんて思い・・・・・した事あったか? ないだろ?
「俺・・・・・ カカシさんとテンゾウさんが大好きです!」
「「イルカ!! うん、ありがとう、大好き! 嫁になって!!」」
「くすくす、はい、喜んで。 ・・・・・・・って。 ど、どこ触ってんで・・・・ す・・・っ!」
「「やっぱり〆はチン揉みでしょう?」」
「ちょっと!!! せっかく人が感動して・・・・ あ! 馬鹿!! やめ・・・ ろ・・・ ぁ 」
「キャーーーーーッ! ナニ、今の声!! “ぁ”だって・・・ フガフガ・・・・ 」
「イ、イルカ、ちょっとこっち向いて! 顔見せて、か・・・ モガモガ・・・・ 」
「このっ!! いちいち言わんでいい! 馬鹿チンがっ・・・・・ ちょ!! んん・・・・。」
なんでこうあけっぴろげなのか。 意図的に触られれば、誰だって気持ちいいだろ! 悪かったな!
今まで俺、ただでさえ一人淋しく風呂場で抜いてたのに。 いや、それもふたりのせいだけど。
恥ずかしい言葉が飛び出さない様に、口を手で覆った。 でもその手を・・・ 俺の指に舌が・・・・
「「えへへ! イルカの指の味vv」」
「・・・・・・・美味しいんですか?」
「「うん!!」」
「・・・・・・あ、そう。」
「「ていうか、イルカが美味しいvv」」
「・・・・・・・へ、へぇーーーーー。 ・・・・・食べてみる? 」
「「食べるーーーーっvvvv」」
アスマ兄ちゃん、俺、先に嫁にいくよ。 そしたらアスマ兄ちゃんにもイイ嫁見つけてあげるね?
だって俺達は、元、チーム嫁探し。 チームアス母は更に改名、チームアス嫁だ。 てか、里の仲人?
三代目、リンゴさん、俺達ふたりに負けない様に、超ラブラブな家庭を築きます、子供は無理だけど。
俺がアカデミー生だった頃、皆三代目の子供のつもりだった。 教師になったら子供が一杯出来るかも!
あーあ。 こんな嬉しそうな顔されちゃ、振る舞いたくなるだろ? 俺、料理作るのも結構好きだし。
縁は異なもの味なもの。 こんな俺でよかったら、いつでも好きな時に、どうぞ残さず召し上がれ?
そして力を一杯つけて生きる糧にして欲しい。 必ず、俺の家に帰ってきて下さいね、俺の黄金コンビ。