火影の嫁探し 5
@AB
CEF
GHI
JKL
三代目の恋人になりたい、という任務依頼をしたリンゴさん。 なんと20歳だそうだ。
任務依頼に来るぐらいだからもちろん、一般人。 ふんわりと笑う、年の割に落ち着いた女性。
・・・・・てか、俺の2つ上か。 若っ!! いくらなんでも若すぎるだろっ?!
この任務依頼にかこつけて、出来れば三代目に嫁いでくれないか、と説得しようと思っていた。
他里の標的になりやすいが、ウチの暗部を信頼して下さい、と再婚話を持ちかけるつもりだった。
残りの人生を三代目と歩む事の出来る同じ位の年の人、だと勝手に都合のいい相手を想像して。
これは説得をして嫁になってもらうとか、そんなレベルの話じゃない・・・・ どうしょう。
「ところで、三代目の妻になったら、狙われるのを覚悟してネ?」
「ボク達直轄部隊が出来る限り守りますが、想定はしてて下さい。」
「ちょ、ちょっと!! 何を勝手に話を進めてんです?! 任務依頼は・・・・・」
「妻・・・・・ 三代目様は、私を後添えにして下さるのですか?!」
あ゛ーーーーーっ! もうっ!! 収拾がつかないっ! 彼女の依頼は恋人であって、妻では・・・・
・・・・・え。 何その、はにかんだ顔。 おめめに星が一杯入っている様な、ウルウルな瞳。
暗殺ターゲットにされる事よりなにより、三代目と結婚できるのが・・・・・・ そんなに嬉しいと??
俺思ったよな、三代目に幸せになって欲しい、刺客じゃないピッタリな人を見つける、って。
年の差があって若すぎるから? 馬鹿じゃないのか、俺。 この人しかいない、って思ったじゃないか。
その本人は、木の葉隠れ三代目火影の妻の座より、結婚できる喜びに花がほころんだ様に笑ってる。
これって・・・・ 立場を抜きにして、猿飛 ヒルゼンそのものを愛しちゃってる、って事だろ?
「リンゴさん、これだけは聞かせて下さい。 猿飛 ヒルゼンを、慕ってくれているんですか?」
「はい。 私は、猿飛様をお慕いしています。」
「・・・・・・俺は、いえ、俺達は、火影の嫁を探しているんです、あなたしかいません。」
「そんな風に言って頂けるなんて、天にも昇る気持です!」
「解っっ!!!」
「??」
「写輪眼っっ!!!」
「???」
「・・・・・・・なにやってるんです?」
「いや、一応、敵の変化じゃない事を確認しておかないと・・・・・」
「んー、一応、幻術や暗示かもしれないでショ・・・・ 念には念?」
うん。 気持ちは分かる。 俺だってにわかに信じ難かった。 こんなホンワカ美人さんが・・・・・。
チーム嫁探しの誰かとくっついた方が、まだ自然な感じがする年の女の人が。 ほんのり頬を染めて。
・・・・・ジジイッ! この幸せモンがっ!! どうなんだ、これ。 こんなのアリなのか?!
俺の嫁に来てもいいだろ、姉さん女房なんて理想じゃないかっ! とかな、ちょびっと思ったり。
「突然ですが明日にでも、三代目に会ってもらえますか?」
「あ、明日ですか?! は、はい、もちろん喜んで!」
「火影屋敷で、待ってます。 ボク達も行きますね。」
「んーと、ご飯なんてどうです? 昼食をご一緒に。」
「夢のようなお話です! では、明日必ず、正午までにお尋ねします!!」
「はい、お待ちしています。 俺達も同席します! 明日、正午に!!」
「「またね、リンゴさん。 明日ねー。」」
「はいっ!! うふふ、また明日、木葉の忍びの皆さん!」
鼻で笑われるかも、と依頼が受理されるかどうか、半信半疑だった為、里内の宿に連泊しているそうだ。
普段着のままなのですが、と言うリンゴさんに、そのままのあなたを紹介したいんです、と言った。
だって、あの目は愛おしい者を見る目だ。 だから鈍感な俺にも、ただの憧れじゃないと分かった。
猿飛ヒルゼンが大好きなリンゴさんを、見て欲しい。 猿飛ヒルゼンの目で、飾らないリンゴさんを。
「蓼喰う虫も好き好き、って言いますよね。」
「ウン。 事実は小説よりも奇なり、だヨ。」
「隣の芝生は青い・・・・。」
「「え??」」
「いや、ちょっとだけ羨ましかったりして・・・・ ははは。」
「「恋人募集中??」」
「年中募集中です。 ウェルカム・マイ・ラバーです。」
「「淋しんぼ??」」
「へへ! ちょこっとだけ。」
「「・・・・・・。」」
俺って、若いのにしっかりしてるって言われる。 良く言うと、だ。 ようは所帯じみてる、って事。
だってなぁ。 下忍になるまでずっと三代目の身の回りの世話をしてたし。 今さら変えようがない。
木の葉スーパーの広告から底値を割り出し、その価格でしか買い物しない、特売は見逃さない、とか。
火の国デパートが売り出す、年始の福袋は必ずゲットする、とか。 良い品をより安く、が基本だろ?
「バァって・・・・・ 棒?? 入れて欲しいの?」
「 ラが抜けてますよ、思いっきり。 ラが。」
「裸か・・・・・。 なんとか大丈夫かもしれません。」
「何の話をしてるんですか??」
「「イルカの恋人の話。」」
「そうなんですか?」
「「うん、頑張れるかも、って。」」
「マジでか?! ・・・・とうとう俺にも春が?! ぃやっほーいっv よろしくお願いしますね?」
「「はいはい、こちらこそ。」」
うわぁ〜 なんでも言ってみるもんだな? でも暗部が紹介してくれる女性って・・・・ やっぱり暗部?
でもまあ、大丈夫だろう。 俺より強い女性・・・・ というか、ハッキリ言ってその方が落ち着く。
俺っていわゆる主夫体質。 もったいない性だし、料理作るの好きだし、特売に目がないし、な。
死んだ母ちゃんみたいな、姉さん女房タイプが好きなんだよな〜 でもこの際、贅沢は言うまい!