今度の新人イルカ君は、木の葉の忍びに見染められ、里へ嫁ぐそうだ。 そういえば昨日店に来たような。
里の忍びはウチのお得意様。 素直なイルカ君の気質と、あの愛嬌のある笑顔を気に入ったのかもしれない。
蔵にも近付かない、良い子だったのに。 でも新人がちゃんと辞めるのって、どれぐらいぶりだろう？
「ねえ、タツキさん聞いた？ イルカ君辞めちゃうんだって？」
「せっかく素直でよく動く新人が入ったと思ったのに、残念だ。」
「でも木の葉の里なら、幸せだよ。 家族もきっと喜ぶ。 私達も祝福してあげよう。」
「お前達は心優しくて、仕事熱心で。 私の自慢だよ。 さあ、井戸端会議は終わり、今日も働いておくれ？」
「「「はい、旦那様。」」」
また新人が来るのかと思っていたら、今日で辞めるイルカ君が、美しい女性を連れて来た。 ・・・・？
少しの間でしたが、みと屋の皆さんにお世話になったお返しに、有能な彼女を旦那様に推薦したい、と？
どうやらこの女性がイルカ君の後、みと屋で働いてくれるらしい。 イルカ君の紹介ならきっと良い方だ。
よかった。 彼女にも出来るだけ長く働いてもらいたい。 みと屋もウチの旦那様も素晴らしいですよ。
「いるかさんの紹介で、今日から新しく住み込みで働きます、小雪です。」
「わからない事があったら、何でもい聞いて下さいね。 あ、それとこれは決まり事なんですが・・・・」
「どうしたの？！ うちの家族の事でも思い出したの？」
「はい、スミマセン。 タツキさんが・・・・ 離れ離れの兄にそっくりなんで、嬉しくて・・・・。」
「そうか、そうか。 みんな事情がある。 でも残った家族の為に、おれ達は頑張ろう？」
「家族の為なら頑張れるもの。 タツキさんも家に妹達がいるの、いつも凄く心配してるのよ？」
「・・・・お客様には常に笑顔でおもてなし。 顔を洗ってからお店に出ていらっしゃい。 いいね？」
「・・・・・はいっ！！ みなさん、これからよろしくお願いします！」
小雪さんはちょっと涙もろそうだけど、すごく良い人みたいだ。 おれも家族の、まだ小さい妹達の為にも、
頑張って働いて、仕送りしてあげなければ。 イルカ君のように、良縁に恵まれるとは限らない。
貧しいが為に、望んでもいない家に将来嫁ぐような事になったら、兄として一生悔やむだろうから。
「「ではそろそろ我々は出発します。」」
「みなさん、短い間でしたが、大変お世話になりました。」
「「「イルカ君も、元気でね。」」」
「いるかさん！！ こんな素敵な所紹介して下さって・・・・ ありがとうございました。」
「小雪さん、俺は何もしていません。 全部、あなたの意志ですよ？」
「そうです小雪さん。 ウチで働いてくれるなんて、私はなんと感謝してよいやら。」
「わたしは・・・・ こんな旦那様と共に働く人に出会えた事が・・・・ 幸せです。」
こうやって見ると、ウチの旦那様と小雪さん、なんだかお似合いだ。 旦那様もそろそろ身を固めてもいい頃。
旦那様と小雪さん、雰囲気もいい感じだし。 ひょっとしたら小雪さんは、奥様になるかもしれない。
そうしたら、みと屋はますます安泰だ。 みと屋の安定した収入が、家族を飢えから守る事に繋がる。
「ねえ、イルカ、惚れ直しちゃった。 ・・・・・イルカだって！ てれちゃうね、なんかｖ」
「ちょ、ちょっと。 なんですかもう！ ヤメテ下さい、恥ずかしいですよっ！」
「さすが、ボク達のイルカ・・・・ 君？ ちゃん？ さん・・・・ なんて呼ぼうか迷うなｖ」
「お好きなように呼んで下さって、結構ですよ？ カカシさん、テンゾウさん。」
「「キャー！！ 名前呼んでもらえるのって、幸せｖｖｖ」」
ははは、三人とも行ってしまった。 木の葉の忍びのおかげで、火の国の国民は戦いの戦火を逃れている。
何度も大きな争いが起こったらしいが、火の国には大陸で一番の隠れ里があるから、安心だ。
こうやってみと屋が店を出して、他国にもその商売の手を広げられるのも、影のそういう力があってこそ。
火の国の国民は、誰もが木の葉隠れの里の忍びを尊敬し、頼りにしています。 イルカ君、幸せに。
「いらっしゃいませ、どうぞごゆっくりご覧ください。 みとの黒は、火の国自慢の色彩ですよ？」
「でもさ、あのご主人、肝が据わってるよネ。」
「あの海妖イカを飼っていて、死人と暮らしてますしね。」
「あははは、でも、本当に良い方でしたよ？」
「やっぱり急激に財を成したヤツはただモノじゃないな。」
「あの芸子さん、小雪さんでしたっけ？ よく店出られましたね？」
「へへへ、三代目が協力して下さったんです！」
「贔屓の愛玩忍のおねだりに、花街の名のある店の芸子の身請けとは・・・・。」
「当然里の経費ですよね。 ボク達にその分働けと・・・ そういう事ですか。」
「？？？ 火の国の為、里の為、俺達忍びは、今日も働きましょう！ ですね？」
「「はははは・・・・。 うん、そういうコト！！」」
はい、まじポルノです。 ≪恋の奴隷≫ は第一興○のカラオケ映像です、ぜひご覧になって下さい。(爆) 聖