再会の時 4   @AB DEF GHI JK




・・・・・・あの。 一つ聞いていいですか? どうしてカオルさんがここに? ボク達より前から??
周りを警戒しつつ、白のイタチを首に巻いているイルカを間に挟みつつ、町長宅にお邪魔したら。
なんとよく知っている気配が。 そう、暗部猿部隊 部隊長のカオルさんの。 どういう事でしょう?

・・・・?? そうか。 ここって・・・・・ もともとカオルさんの産まれた土地だ。 元氷の国。
今でこそカオルさんは、ウチの暗部の部隊長だけど、元々は他里の人間だった。 氷河一族の生き残り。
まあ、でもそんなの気にする奴は木の葉にはいない。 実際、カオルさん自身が気にしてないしね。




「・・・・・・・遅かったな。 イルカを連れて来るだけだろ。」
「ムカッ!! ナンなの、お前っ!! オレ達はナニも聞かされてないのにっ!!」
「なんですか、カオルさん。 ボク達のイルカに何をさせようとしているんですか?」
「あはは! ほら、カオルさん! このコの体ってこんなに伸びるんですよ? ビロ〜〜ン!」
「「「・・・・・・・・・・。」」」


イルカが嬉しそうに白イタチを首から外し、ボク達の目の前で胴体を持ち上げてみせた。 フリフリと。
・・・・はいはい、嬉しいんだね? 新たな発見があってよかったね? でも今は大事な話をしてるから。
そいつ本当に気に入ったんだね? うん、よかった。 ボク達はこのチケットの真意を聞きますからね?
少しだけそれと遊んでいて下さい、すぐに終わりますから。 ここで、だよ? でかけちゃだめだからね?

「イルカ、白イタチと遊んでていいから。 無理に話に絡まないでいいから。 ネ?」
「イタチ? ・・・・・そろそろアイツの後釜を指名しろと言われているが・・・・・」
「カオルさん、元猿班のうちはイタチの事じゃないです、この白いヤツがイタチです。」

「・・・・・そうかお前か、イタチ。 変化に気付かなかったぞ。 腕を上げたな・・・・ ふっ。」
「「・・・・・・・・いや、これは本物だって。」」

しまった、カオルさんにイタチの話題を振ってしまった。 うちはイタチは猿班のナンバーツーだった。
いや、でもまさかカオルさんがいるとは思わないから、あの白のイタチをイルカに与えたんですけども。
ややこしいし、なんか違う動物捕まえて来ましょうか先輩。 ・・・・・って、カオルさん?!

違います! 本物のうちはイタチじゃなくて、動物のっ!! イルカから奪わないでやって下さいよっ!
ああ! そんなに引っ張ったらちぎれちゃうじゃありませんかっ! それは哺乳類のイタチですっ!!
いや、うちはイタチも哺乳類ですが・・・ ああもう!! カカシ先輩、なんとかして下さいよっ!
え?? 本当に伸びるな?? ・・・って!! そんなところ感心してる場合じゃないでしょう?!



「足から手を放して下さいカオルさんっ!! 痛がってるじゃないですかっ!! もう!!」
「・・・・・すまなかった。 きっと理由があるんだな? 暁に潜入中だからな、っふ。」
「よしよし、怖かったな〜? 吃驚しただろう?? 暗部のお猿は怖いからな? 気をつけろ?」
「「・・・・・・・・・・もういいや、なんでも。」」

「あの。 いい加減覚えてあげて下さい。 このコはイタチ科のオコジョ! 冬毛が白いんですっ!」
「・・・・・なんだ、ただのオコジョか。」
「お前はこの休暇中、俺とずっと一緒だからな? ふふ、もう一回。 ビロ〜〜ン! 可愛いっっvv」
「「・・・・・・・・・・・むかっ!」」

む。 この話の間だけ、のつもりなのに。 いつからずっと一緒にいる事に? そのオコジョとやらと。
・・・・・さっきカオルさんがオコジョの足をひっぱてたけど。 イルカに見えない様に動けば問題ない。
あ。 先輩も同じ事考えてた。 イルカからオコジョを取り上げて、窓から森に向かって放り投げた。
さすが黄色い閃光の愛弟子です、カカシ先輩。 イルカには絶対見えてませんでしたよ、今の動き。




「あ・・・・・ あれ?? あのコは??」
「お腹が減ったから森に帰ったみたいだよ?」
「また後で蔓で巻いて来てもらえばいいよ、ネ?」
「う〜ん、残念。 そうか、ランチタイムか、ふふ。」

「・・・・・・・・・さっきおれに、引っ張っるなと言ったな?」
「言いましたね。」
・・・・・・・・・・投げるのはアリなのか?」
「アリだヨ。」
「・・・・そうか。」

ここが安全だと分かった以上、わざわざ動物をイルカに与えなくてもいい。 じっとしててもらうだけで。
さあイルカも一緒に聞きましょう。 はい、ここ。 ここに座る。 そう、先輩とボクの間だよ、うん。
先輩とボクとでイルカをサンドイッチだ。 うろつかない様にイルカの手を繋いでおこう。 よし、完璧!