再会の時 9
@AB
CDE
FGI
JK
頂上まで一直線! 大ジャンプして着地したら、あのコが俺を覚えててくれて遊びに来たんだよ!
あのコの家族とその友達なんだろうな、たくさんのフサフサのオコジョ達とジャレまくった。
そのうち数がどんどん増えて行って、こそばいよ! ってなったけど、めちゃくちゃラブリ〜vv
伸びるから面白くて、俺の足のつま先から順番にズラズラと並べてみたりした。 壮観だったなー!
・・・・・? あれ?? カカシさん、テンゾウさん、カオルさんも。 急にフリーズしてどうしたの?
皆を俺から一匹ずつ解放して、森へ帰してた。 そのまま動くな、と言った三人も、ストップ状態。
あ、もう一匹残ってたんだっけ? 皆は帰されちゃったしね、ごめんごめん、さあお前も・・・・ ??
「・・・・あれ?? フサフサじゃ・・・・ ない、オコジョ?」
「「・・・・・・・・どうみても違う。」」
「あっ! このコは・・・・ シロクマの子? 冬眠してたのかな、ごめんね・・・・ よいしょ・・・」
「こらこら、雪をかけるな、止めろ。」
「喋ったっ?!」」
「写輪眼っ! ・・・・・あれ?? 誰かの変化じゃない・・・ ヨ?」
「おれは召喚獣だぞ。 この姿は変化でも幻術でもない。」
「・・・・・・・・・ほう?」
「・・・・・・か・・・・・・ 可愛いっっ〜〜〜〜〜〜〜vv 」
雪の下で冬眠してたのかもしれないと思って、元に戻してあげようとしたら、人語を喋ったんだ、吃驚!!
・・・・・というか、この声。 めちゃめちゃ渋いんだけど。 何、このアンバランスな可愛らしさ!
仔熊じゃなく、召喚獣だって!! うわ! うわーーーー、俺と、契約して!! お願いっ!!!
カカシさん、テンゾウさん、このコ、ウチで飼ってもいいですか?! このサイズ! 可愛すぎますっ!!
「「・・・・・・・絶対ダメ、家にはオセロがいるでしよう?」」
「それは・・・・ でも!! なあ、ウチの子にならない? なって〜〜〜〜 お願いっ!!」
「冗談じゃない。 お断りだ。 他を当たれ。」
「・・・・・動物マニアでも断られるのか。」
「「「・・・・・・・・。」」」
・・・・・いや、二人と一匹に断られたからショックだとか、そんな事はほんの些細な悲しみだ。
それよりも。 このちっこくて丸くて白くてフカフカの・・・・ めちゃめちゃ可愛い仔熊の声は・・・・
カオルさんに似てる。 カオルさんも少し低くて響く、何とも言えない渋い声で話すんだ。
このコも、同じではないんだけど、全然その姿からは想像できないぐらいの渋い声で・・・・・
「・・・・・・・そいうか。 このコ、カオルさんに似てるんだ・・・・・。」
「「はあ?! どのヘンが?!」」
「・・・・・おれのどこがチンチクリンだと言うんだ?」
「ちんちくりん・・・・・・ それが新しいおれの名か。」
「「「?!」」」
「ほら!! 話し方なんか、もう、そっくりですよ!!」
「・・・・・・・・・・・お前は・・・・・。」
「カオルさんの・・・・ モノマネを・・・・ してるんですかね?」
「もしかしてサ、コイツが北王・・・・ とか言う獣なの??」
そうだ、さっき本人が召喚獣だと言った。 このコの他にもう周りには獣らしき姿は確認できない。
なら・・・・ きっとこのコが噂の北王だ。 ちっこくて白くて可愛いけど。 高位の口寄せ獣・・・・
・・・・・・・はぅあっ!! なんだ、この驚異のアンバランスさ!! 駄目だー 可愛すぎるっ!!
抱っこさせて、お願いv ・・・・・・あ。 お願いv ・・・・・くそ。 お願いったら! ・・・・っ!
召喚獣の北王は、めちゃくちゃ可愛いけど、めちゃくちゃすばしっこかった。 かすりもしないよ、う〜。
俺の抱っこの腕をかいくぐり、カオルさんに飛びついてよじ登り、暗部マントの中に無理やり入った。
きっとベストの位置だ。 暗部マントの合わせからポコリと顔だけ覗かせてる。 ・・・・なんだこれ!!
「ぎゃぁ〜〜〜 なに、これ!! 可愛いっ!! 可愛すぎるっ!! はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
「イ、イルカ、ちょっと落ち着こう? ね? はい、深呼吸。 吸ってー 吐いてー 吸ってー ・・・・」
「自分の任務を思い出して? ヤ、任務じゃないケド。 木の葉の里に来てくれ、って説得するんでショ?」
「・・・・・思い出したぞ。 コイツはおれの契約獣だ。」
「「「 え゛ーーーーっっ!!! 」」」
なんと! そんな羨ましい話があるのかこの世の中に?! 深呼吸したけど全然動悸がおさまらない。
ウチのふたりの言う様に少し落ち着こう。 雪花の町の人達の言う北王は、カオルさんの口寄せ獣。
説得して、わざわざ木の葉の禁断の森に来てもらう必要はもうない。 契約者に再会出来たから。
雪花山の頂上に棲みついた獣は主を見つけた。 今後は北王の主の第二の故郷、木の葉の里に来てくれる。
カオルさんの契約獣なのに・・・・・ 北王と呼ばれ、たった一人この地で忘れ去られていたのか?
契約者のいる召喚獣なのに? ・・・・うぅ・・・・・ どんなに離れてて淋しかっただろう・・・・・
口寄せ獣の情、俺は誰よりそれを知ってるよ。 ずっとここで待ってたんだ・・・・・・・ よかったな?