あしらうは毒花 2
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DEF
GHI
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「で、搾取情報をおれはさっき三代目に、そうしたら・・・・・ って、こらっ!!」
「アー 手が滑っちゃったー ごめーんネ?」
「その着物は持って帰ってきて、今情報分析部に・・・・ って、やめろってっ!!」
「あ、すみませんね。 ボクはワザとです。」
その村が一体何を行っているのか。 ただの下請けの蚕村なのか。 裏にどんな忍びがいるのか。
事情を把握出来てるから素早く動けるけど。 潜入員だからみつかっても上手くごまかせるけど。
それだけのスキルを持ち合わせているって、知ってるけど! 面白くなくて串カツの串を投げた。
一旦帰ってくればいいものを。 ボクとカカシ先輩が、ここまで機嫌が悪いのはそこなんだ。
「・・・・・あのな。 おれに当たるなよ。」
「「他に当たれないもん。」」
「・・・・・房術使いだって、わかってるだろ?」
「「そんなこと わかってるっっっ!!!」」
イルカが持って帰ってくればよかったんだ、その反物で仕立てた着物を。 で、緒方さんが・・・・
なんて。 普通で考えたら、上忍が偵察に行く訳ないんだよね。 わかってますよ、そんな事。
緒方さんと組んでたのもムカつく。 ボク達のうちどちらかを後で呼べばよかったのに、とか。
これも、暗部が情報回収だけで動けないって事ぐらい分かってる。 分かってるから余計に腹が立つ。
「・・・・・もう怒ったっ! 羽多宵の伝言、教えてやんねぇー!」
「!! 緒方様っ!! 串カツのソースがお顔に・・・・ ふきふき・・・。」
「!! 緒方様っ!! 串カツの衣がお手に・・・・ ふきふき・・・・。」
「うむ、苦しゅうない。 ・・・・“すぐに戻ります、愛してる”・・・・だってよ?」
「「ぐはっ!!! イルカ〜vv」」
「 ちょろい・・・・ ちょろ過ぎだぞ、 大丈夫かトップツー・・・・ 」
「小助さん、串カツもうひと皿!」
「あ、あとビールも三つ追加!!」
今割烹小助で飲んでる。 とっても独り言の大きい親切な、羽多宵と同行していた緒方上忍と一緒に。
羽多宵として大津家に潜っていたボク達のイルカは帰還せず、なんとそのまま偵察任務に就いた。
今イルカは問題の反物の糸の紡がれた所、つまり、呉服問屋 鏡屋のお抱えの蚕村に行ってる。
もちろんただの偵察として、だ。 今回の情報を緒方に渡し、そのまま中忍として偵察に行った。
『『は? 大津家に?! 一週間?!』』
『はい、緒方さんが城内の人達に暗示をかけてくれるんです。 ですから一週間。』
『大津家と言えば・・・・ 一ヶ月ほど前、病弱の次男が死んで、葬儀の警護の要請があった?』
『ええ。 その次男の寵愛が深かった情人 羽多宵・・・・ という設定で潜入します。』
って事は・・・・ お目当ての情報源は、その城にいる誰か?? もしくは大津家に出入りする要人?
・・・・・鏡屋? 呉服問屋の鏡屋ですか?! 店には売りに出さない特別な反物を手に入れる?!
なんでまた羽多宵で・・・・ 籠絡するのは要人ご用達の商人とはいえ一般人、シンでいいんじゃ・・・・?
・・・・・まあ確かに。 チャラいシンじゃ、そんな反物を見分ける時点で怪しいですからね?
『そんなのに羽多宵を抱かせるなんてもったいない・・・・。』
『や、今回は咥えるだけです。 直接飲んで来ますよ、暗殺じゃないですから。』
『オレこの前、緒方から忘却術コピッたから、オレが情報回収に行こうか?』
『あのですね。 わざわざ暗部がフォローするような仕事じゃないでしょう?』
ほんと、こういう所はクールなんだよね。 仕事と私生活をくっきり分ける、ていうのかなぁ。
それでこそ、木の葉隠れ 傾国の潜入員 葵ユキジの愛弟子、数少ない房術の使い手ではあるけど。
ちょっとぐらいボク達に頼ってくれてもいいのに。 自分の任務もこなし、更にフォローも出来る。
それぐらい訳ないんだよ? ・・・・とか言ったら。 イルカ怒るだろうな、無茶をするな、って。
『でもボク達変化も得意ですよ? 緒方さんみたいに可愛い仔猫にだって・・・・』
『だから! 暗部の任務と関係のないところで、無駄にチャクラを消費しないで下さいっ!』
『ンー でもそれぐらい訳ないのに・・・・。 影分身で二股任務でも全然・・・・』
『馬鹿っっ!! それが元になっておふたりに何かあったら俺、発狂しますよっ!!』
でもなんとなく主張してみる。 案の定怒られた。 馬鹿だって。 暗部の・・・・ トップツーに。
・・・・・発狂しちゃうんだ、イルカ。 ボク達がヘマやったら。 そんな顔して怒らないで?
ごめんボク達が悪かった。 だから泣かないで? もう馬鹿な事、言わないから。 ね?
『ちゅ、ちゅ・・・・ イルカごめーんネ?』
『もう我儘は言いません・・・・ ちゅ、ちゅ!』
『ん・・・・ はぁ・・・ぁ・・ んん・・・・ 俺、間違いなく壊れ・・・ ますから、ん・・・』
『『今、めちゃくちゃ抱きたい、って言ったら怒る?』』
『怒り、ません・・・・ っ! はっ・・・・ぁ・・・・・ いっぱい・・・ して・・・・んん・・・』
『『了解、めちゃくちゃにする。』』
あんな目で発狂するだの、壊れるだの言われて、こっちがおかしくなりそうだった。 目は口ほどに。
イルカのボク達を見る目は、置いて逝くなと言っている。 置いて逝くなら狂ってやる、と脅してた。
羽多宵に惚れてしまったボク達。 溺れる覚悟をして囲うつもりだった。 羽多宵なら壊れてくれない。
だから・・・・・・・ ふふふ。 ごめんね、今最高に嬉しいって言ったら、もっと怒るんだろうな。