あしらうは毒花 3   @AC DEF GHI JKL




チョット! ナニ?! さっきの仕返し?! ナニすんのヨ! ヒトがせっかくあの日の事を・・・・
あでっ! えーーー 緒方上忍? アンタいくつですか? 嫁さんも子供もいるおっさんでショ?
でっ!! テンゾー、緒方上忍が暗部の部隊長におしぼり攻撃してくるヨ? どうする?!
え、お前もおしぼりムチくらってたの? あはは、ダサーイ! ・・・って、オレもか。

「お前らが急にニヤニヤ変な顔して、戻って来ないからだろうがっ! この色ボケ忍者ども!」
「ムー 色ボケって・・・・ 仕方ないじゃない、強烈告白されたし・・・。」
「そうなんです。 ボク達は来るな、って言われてるし・・・・。」
「ほう? それで尻尾巻いて大人しくしてるのか、暗部のトップツーが。」
「「・・・・・・・。」」

ナニ? それはさ、イルカの任務に乱入しろと言ってるの? いつものでっかい独り言、言いなヨ。
オレ達は忍び、住んでる里は木の葉の里だ、か。 ・・・・・・なるほどネ。 ウン、その通り。
もうバッチリ強請れるぐらい、貢献してきたもんネ? イルカにはまた怒られるかもしれないけど。
コッソリやってもイルカにはバレるし? 堂々と乱入すればイイんだよネ。 なんか文句ある? って。

「三代目に強請りましょう。 フォローはボク達が行きます、って。」
「ダネ。 イルカを・・・・ 房術使いをオレ達に添わせてくれたしネ。」
「ははは、若き旦那達の主張ってヤツか? いいねぇ、青春だねぇ。」
「「まさか!」」

「軽く脅してみるんです。 イルカの任務の前には、抱き潰すって。」
「ウンウン。 あとサ、体に墨入れるぞ、ってのもイイと思わない?」
「ユキジさんの彫った月の両サイドに、へのへのもへじと葉っぱマークを入れるとか!」
「ナイスでショ! そんなフザケタ陰間、誰も抱きたかないよネ、興冷めもイイとこ!」

「おいおい、乱入ってレベルの話じゃないぞ、それ。 ・・・・・本気じゃないよな?」
「「もちろん、本気。」」
「・・・・・・・・ またもやはやまったか、おれ。」

緒方の後押しもあったし! よし、ここは三代目と駆け引きだーヨ。 そうだヨ、オレ達は暗部の長!
火影直属部隊の部隊長と補佐だ。 今までの事を盾にとって、多少の我儘を言える立場じゃないの!
そうと決まれば! よし、テンゾウ三代目に強請りに行くヨ! イルカの任務に合流する!!
あ、緒方、ここはオレ達持ちでいいから。 奥さんと娘さんにも、お持ち帰りしてあげて? じゃ!

「・・・・・・・お、おう! ゴチになるぞ、部隊長、補佐!   ・・・・ご武運を!」
「「行ってくる!」」







「「三代目、お願いがありますっっ!!」」
「おお、丁度良いところに来た。 お主達に任務じゃ。 イルカのフォローに行ってもらう。」
「「え?!」」

「なんじゃ、不満か? 他の隊員でもいいんじゃよ? 殲滅任務じゃし、お主らでなくても・・・・」
「「駄目、ダメ、ダメーーー!! 行きます!!! 行かせて下さいっっ!!」」
「・・・・・・・・・そうか? まあ、暗部に要請する任務じゃて、お主達の好きにするがええ。」

なんてタイムリーな・・・・ っていうか。 殲滅任務?! イルカが搾取した情報から?!
殲滅っていったら敵が多くいる・・・・ってコトでショ?! そんな所にイルカ一人で偵察任務?!
もしイルカが房術使いだってバレたら?! いや、バレてなくても、既に敵と接触してたら?!
一人のイルカが敵と接触して生き残るには、あの激エロ鬼エロな体で籠絡するしかないじゃないっ!!

「「いでっっ!!」」
「たわけっっ!! 落ち着かんか、馬鹿もんがっっ!!」
「今日はやたら何かで殴られるんですが。 ボクの気のせいでしょうか?」
「イヤ、気のせいじゃない、面は的になり易いのかも。 首にかけとく?」
「よいか? 耳の穴かっぽじって、よくよく聞くのじゃぞ? イルカの任務は・・・・・・。」

イルカから、任務先と潜入期間、目的はあらかじめ聞かされていた。 でも任務内容の詳細は知らない。
三代目がオレ達に “殲滅” と言ったのは、敵だけじゃなかった。 蚕村も。 つまり一般人も、だ。
一体何がどうなって、そんな話になっているのか。 依頼ならオレ達は、何も考えずに任務を遂行する。
ケド、誰かの依頼じゃなく、里の行動。 今回の蚕村に対する抹殺命令は、三代目の決断らしい。

「洗脳や暗示なら・・・・ 利用されているだけなら、助けてやれたんじゃが。」
「一度手にした富は人を変える、欲に目がくらむ・・・・ ってやつですね?」
「うむ。 他国の事情に干渉してはいかんが。 鏡屋はその村と独占契約を結んでおるのじゃ。」
「・・・・・鏡屋をお気に入りの、大津家の夢美様もとばっちりを受けるカモ、ですネ?」

「もしも事実を水の国へ報告すれば、間違いなく霧があの国に報復を行うじゃろう。」
「下手をすれば、我が国の大津家の夢美様や、鏡屋の何も知らない職人、商人まで一掃されると?」
「霧が見逃しても、いずれ同じ被害にあったどこぞの要人が、各隠れ里に暗殺依頼をするじゃろう。」
「有り得ますネー。 大名同士の繋がりで、水の国から情報が確実に流れるでしょうカラ。」

イルカの任務は、着物好きで有名な大津家の夢美様から、鏡屋の行商人に紹介してもらうコト。
そして問題の糸で織った反物を見分け、着物を仕立ててもらう・・・ だから “一週間” だったのか。
羽多宵は、娼夫の自分がタダで取引は出来ないからと、その行商人のモノを咥える。 なるほどネ。
で、反物が着物になるまでの全過程、鏡屋が直接関与しているのか、その全ての情報を知った、と。

緒方は・・・ きっとまた三毛猫にでも変化して、一緒に居たんだろう。 城内の連中に暗示をかけた。
一ヶ月ほど前亡くなった次男の情人が、羽多宵だと。 で、情報を頂いた後、あの忘却術で記憶を抜く。
城の者も夢美様も皆、羽多宵を忘れる。 悔しいけど、さすが長年組んでるだけあって、完璧な仕事だネ。

「「海野中忍に合流し、抜け忍の討伐と蚕村の抹消を実行します。」」
「・・・・・また掃除を頼んで、すまんの。 汚れてくれるか?」
「「流れる民の血が最小限で済むのなら、いくらでも。」」
「鏡屋や水の国の大名に真実を知られる事なく、速やかに頼む。 ・・・・散!!」