あうんの門の狛犬 13
@AB
CDE
FGH
IJK
「「イルカ君っっ!! 中忍合格、おめでとぉ――――っ!!」」
「わわわ!! いて、いててて・・・・!! なにごと?! ・・・・ひ、兵糧・・・丸??」
いつもの様におにぎりをお供えして、柏手をいつもの様に二回打っただけ。 他にはなにもしてないよ?
なのに門の上から兵糧丸が、雨あられと降って来た。 見れば、花咲かじいさんの様な二人の暗部が。
いや、小脇にカゴを抱えた暗部が、兵糧丸を俺に降らせているだけなんだけど。 ライスシャワーか??
えっと・・・・・ なんだか分かんないけど・・・・・ これって・・・・ 祝われているんだよな?
「あ、ど、どうも、ありがとうございます・・・・・??」
「「木の葉カンパニー卒業、おめでとぉ――――っ!!」」
「そ、そう言えば、そうなりますね。 俺、中忍になったし・・・・」
「長かったよネ・・・・ この一年間。 イルカ君はすぐ騙されちゃうしサ。」
「そうですよね。 あれから何度、ガイさんに出動してもらった事か・・・・。」
「騙される・・・・ って?? ガイ上忍・・・・が??」
「「もう大丈夫、ひと安心っ!!」」
・・・・・・これもなんだか分からないけど・・・ どうやら俺、どこかで助けてもらっていたようだ。
マイト・ガイ上忍は体術のスペシャリスト、凄くサバサバしてて仲間思いの忍び。 その人にも迷惑が??
俺、知らないところで、いろんな人に助けてもらってたんだなぁ・・・・ どうもありがとうございました。
ところで、あの・・・・・・ 中忍になったら、暗部さんがお祝いしてくれるのは、里の儀式ですか??
「ン? そうだったヨ! アドバイス!!」
「つい安堵して忘れていましたね、では・・・・・。」
「「始めまして、イルカ君! 木の葉の狛犬さんこと、暗部の黄金コンビですvv」」
「・・・・・え?! 狛犬って・・・・ えぇええーーーーっっっ!!!! 」
「いっつもおにぎり、ありがとネ? おいしかったヨ。」
「イルカ君の報告を聞くのが楽しみだったよ、ありがとう。」
「うそぉ・・・・ わ、だから・・・・ 兵糧丸シャワーだったのか・・・・」
「「うん! すぐわかるかな、って!」」
まだ信じられない・・・・ 木の葉の狛犬さんが実は暗部、ゴールデンコンビって言ったら、トップツーだ。
じゃぁ・・・・ 人知れず俺の事を助けてくれていたのは、このふたり?! ・・・・・・と、ガイ上忍??
木の葉の狛犬さんは、三匹いた・・・・ てか、おにぎり二個しか置いてなかった!! 駄目じゃん、俺!
え? ガイ上忍は個人的感情で自主的に参加だから気にするな、ですか?? ほっ! よかった・・・・
「あうんの門の・・・・ 狛犬・・・・さん?? 本当に??」
「ウンそう、カカシだヨ、ヨロシクーv」
「ボクはテンゾウです、よろしくねv」
「カカシさんと、テンゾウさん・・・・・ 実在してたなんて・・・・・・ 俺・・・・」
まだぼんやりと覚えている。 まるでエコーがかかったような不思議で・・・・ 優しい声だった。
“木の葉の下忍だね”“頑張れ”そう言ってくれた、いつも兵糧丸をくれた、俺をずっと見守って・・・・
今迄も三代目を始め、いろんな人に助けてもらいながらここまで来た。 暗部だから隠れていた??
きっとそうだ、暗部が下忍の前にホイホイ姿を見せる訳にいかないもんな・・・ 俺が中忍になったから?
「俺が中忍になって独り立ちしたから・・・・ 姿を見せてくれたんですね?」
「「うん、まあ・・・・・ 認識では・・・・ そう、かな??」」
「お礼を言うのは俺の方だ・・・・ 今までありがとうございましたっっ!!」
「「い、イルカ君っっ!! ( 会長! マジで速攻飛びついて来ましたよっvv ) 」」
思わず飛びついちゃった。 里のエリート集団、それもそのトップツーと言われているほどの忍びに。
だってどう表現すればいいか分からない、今までの感謝の気持ちを。 言葉ではとても言い表せない!
木の葉の狛犬さんこと暗部の黄金コンビも、しっかりと抱きしめ返してくれた。 なんて寛大な人達だ!
自分でも馬鹿かと思うぐらいボロボロと涙が出て来た。 ふたりは暗部コートでゴシゴシふいてくれる。
「うぅぅ・・・・えっ、えっ、ありがとう・・・・ ございますぅ・・・ うっ、うぅ・・・・」
「「 ハァハァ い、イルカ君ちに・・・・ 送っていって・・・
ハァハァ あげる・・・ね・・・?」」
「うう! ごま゛い゛ぬ゛ざん・・・・ わぁーーーん!」
「「な、泣かないでねー? メチャメチャ可愛いから・・・ 」」
そんな事言われても涙が出てくるんです、グス! 寛大で優しいふたりに慰められながら自宅に戻る。
ところで、ふたりともそんな腰が引けたポーズで・・・・・ 歩きにくくないですか?? あ、そうだ!
今まで狛犬さんに報告したのは、ほんのちょっとだけなんですよ? 聞いてもらえます? 俺ね・・・・・
「なあ。 突然、補佐の周りに黒焦げのツルが出現して散乱してたけど・・・・・ なんで??」
「そう言えば、部隊長の左半分の面も。 突然、葉っぱが貼り付いて柏餅みたいになってたぞ?」
「「目にもとまらぬ早業・・・・・・ さすがは我らが暗部の、黄金コンビだなぁ・・・・」」
今回に限り“おうごん”コンビを“ゴールデン”コンビとお読み下さい。 “金”だけにv ←アホ(爆) 聖