あうんの門の狛犬 7   @AB CDE GHI JKL




・・・・は? 引退って・・・・・ 部隊長、どういうコトです? ナニほざいてんですか?!
【木の葉に食品流通カンパニーを設立させよう案】を提示したら、部隊長が突然、謎の引退宣言。
テンゾウもオレも目がテン。 なんでも、自分がその卸問屋を管理、運営したいとか言いだした。
オレが部隊長を引き継ぎ、テンゾウが補佐を引き継ぐらしい・・・・・・・ って、マジで?!

「予算確保担当 臨時 下忍監督忍は引き継ぐ! 木の葉の財源建て直しがおれの使命だったんだ!」
「イヤ、もっと大事な使命があるでショ、暗部本来の殲滅任務とか討伐任務とか・・・・」
「四代目、クシナさん、おれやりますよ! ナルトが大きくなった時、ひもじい思いはさせませんっ!」
「それも確かに大事ですが・・・・ あの・・・・ もしもし? 部隊長??」

「これからの下忍を一括で管理出来るし、おれ、営業にはちょっと自信あるしなー。」
「・・・・・遊女の腰紐を貰うぐらいですカラ? 自信があって当然でショーネ。」
「心配するなカカシ、テンゾウ! 暗部に十分な予算を組んでやる、超贔屓してやるからな?」
「それって世間一般に “天下り” って言われている癒着なんじゃ・・・・??」

里のエリート集団と言われていながら。 その里の忍び連中の憧れであるオレ達が切り詰め生活。
消耗品は大切に使おう! をモットーに、アンダーが汚れたら血を川でゴシゴシ洗い流して再利用。
木の葉の門外不出の丸薬、奈良家秘伝の兵糧丸は高いから、食べたつもりで正露丸を丸呑みしたり。
オレ、他里のビンゴブックに載ってる男なんだケド? って、愚痴のひとつも言いたくなるでショ?

でもコレでやっと昔の・・・・ 九尾襲来前のエリート暗部生活をエンジョイ出来るんだーネ?
え? 花街で使うお金があったら暗部の予算に回せ?? ヤダよ。 自分で稼いだのに冗談じゃない!
オレの血と涙と汗の結晶は、楽しく人生を送る為に使うって、写輪眼をくれたオビトに誓ったもん!

「ワーイ!! 十分な予算!! エリート暗部復活っっ!! 本物の兵糧丸でチャクラ回復っ!!」
「そ、そうですよね・・・ あ、暗部のベスト、もっとかっこいいのにしましょうよ、先輩っ!!」
「ははは、そのイキだ!  もう、お前らの好きに部隊を動かしていいんだぞ?」
「「っしゃーーーーっっ!!!!」」

「んじゃ・・・・・ 脱、水鳥の遊泳政策?」
「それはもうちょっと頑張れ? 必ずおれが予算作ってやっから。」
「では近々廃止決定、水鳥の遊泳政策ですね?」
「ははは! そういう事だ。」

もしこの事業が上手く軌道に乗ればサ“オレと有料デート”でチャクラを使わなくて済むんじゃない?
今までは我慢してたケド。 正直、たかが一般の女にオビトの写輪眼の瞳術なんか、もったいないよネ!
よし、いろいろ案を出し合って、皆で協力して食品流通カンパニーをサポートするヨ? いいネ?






まずはエリート暗部再建の話し合いだ、とか言いながら。 オレとテンゾウが向かう先はもちろん花街。
だってこの前、ルミさんの顔を拝み損ねたし。 ・・・・・ン? でももう部隊長はオレだよネ?
ってコトは・・・ 前部隊長の弱みを聞き出す必要もなくなった・・・・・ ま、いっか!
遊郭デビューさせたばっかりのテンゾウに、触手プレイのなんたるかを説明してやらねば、だ。

テンゾウから恥辱ツルを生やしたい、オレはその光景をオビトに見せてやるんだ! だってサ・・・・
若かりし日にオレは見た、野宿でスヤスヤ眠るリン・・・・ の乳首を木の枝で撫でようとしてたオビトを。
あの時オレは悟ったネ。 オビトは触手プレイが好き! リンに惚れちゃってるワケね? ナルホド、って。
そのリンももういないから、本人にはしてやれないけど。 テンゾウなら似たようなコト出来るでショ?

「あれ?? イルカ君?? 何してるんだろう・・・・ もうすぐ門が閉まるのに・・・・」
「ン? おにぎり?? なんで?? お米は自分で食べなさいヨ、もったいない・・・・」
「・・・・・カカシ先輩。 ボク、ある想像が頭をよぎったんですが。」
「あのまま閉門まで潜んでいたら・・・・ その想像は正しいヨ?」

つい声をかけたくなる様な人懐っこい下忍のイルカ君が、あうんの門の横におにぎりをお供えしてた。
で、閉門を待っているのよ感まる出しで、門の近くの茂みの中に身を潜めて・・・・ 隠れているつもり。
頭にいくつもさしてある葉っぱのついた小さな枝は、カモフラージュ? ま、映画なんかではよく見るネ?
もの凄く苦労して額当てを巻いたんだろうと思うケド。 気配を感じ取る忍びには、あんまり意味ないヨ?

そんなイルカ君を、オレ達も見張るコトにした。 あー テンゾウ、また今夜も遊郭遊びはオアズケだネ。
オビト、いつか必ずテンゾウを育てて、本物の触手プレイをお前に見せてあげるからネ? 待ってろ?

そんな決意を胸に秘めたオレの目に、やっぱりな光景が映る。 閉門と同時に出現した転送トラップ。
“木の葉の狛犬さん ありがとう”そう言ってイルカ君は、ルミさんの腰紐を引っ張ろうとしたんだ。
もちろんソレはさせなかったヨ? 今はまだ水鳥の遊泳中、予算が組まれるまでこのトラップを使う。
てか、貧乏くさいけどその性能は確かだし、前部隊長の力作だし。 出来れば残すつもりでいるのヨ。