恋の戦略・攻略法 13
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なんだかんだ言って、持つべきものは忍び仲間達。 取引は信用第一、忍びはそれを一番知っている。
酒代込の相談役に、難癖つける奴は誰ひとりいない。 結果に見合った報酬だと、納得するから。
アレからボク達はアドバイス通り、体当たり作戦を実行した。 イルカ先生を見つけたら駆け寄って。
あの時こうだったんだ、とか。 ソコにいて全部見てたんだ、とか。 ビックリしてたな、先生。
ボク達の変貌ぶりに、始めは戸惑っていたイルカ先生も、遠慮なくモノを言うようになった。
良く見てもらおう、惚れてもらおうなんて、思わなくてよかったんだ。 そのままのボク達で十分。
先生はボク達の上辺を見てる訳じゃない。 気持ちをイッパイ見せれば、同じかそれ以上返ってくる。
情けなく泣きごとを言っても、やきもちを焼いて駄々をこねても。 それが共に生きるという事。
イルカ先生の影分身固定は、さすがに禁止された。 元に戻った時のダメージが大き過ぎたんだって。
あの時は、『中忍が耐えられる訳ないでしょっ!!』 を強行して、三日間オアズケくらったんだ。
傍にいるのに入れちゃ駄目って拷問だよ? だから先生が禁止した事は、なにがなんでもやっちゃ駄目。
ボク達三人のマイルールは 【言いたい事を言う】 だ。 あと、先生の禁止事項には絶対服従。
すごいね、暗部のトップツーをいいなりに出来るのって、火影様とイルカ先生だけだよ?
まぁこれは、三人のっていうより、先輩とボクのマイルールなんだけど。 ホント干からびちゃうから。
先生に笑ってもらえなかったり、セックスに混ぜてもらえなかったり。 それはもう地獄の責め苦だよ。
「また、そんなPRしてっ!! 保護者にプロポーズされたらどうすんの?!」
「みなさん、この笑顔は子供たち専用ですからね? あなた達にじゃないですよ?」
あ、窓閉められた! くそ!! 約束通り中に入ってませんよ?! 言論の自由まで奪うの、反対!
イイ子のボク達は、イルカ先生が禁止したから、窓の外の木の上にいる。 でないとオアズケだし。
今日一日、アカデミー校舎に出入り禁止と、イルカ先生に昨日言い渡された。 どうします、先輩?
本日授業参観日。 普段から先生の話を子供に聞いているはずの、忍びの親達がたくさん見にくる。
「ヤマト、垂れ幕作るぞ。 窓にチャクラで張り付けてやる!!」
「賛成です。 ちゃんと約束範囲内ですからね、やりましょう!!」
影分身を何体か出し、先輩の忍犬も総動員。 せっせと垂れ幕を制作して、教室の窓の外にぶら下げた。
『オレ達はイルカ所有を主張する』『思い込みの激しい奴はもれなく前線』『命は大切にしよう』等々。
おお、保護者の何人かは引きつった顔してる。 よし、この作戦は成功だ、やりましたね先輩!!
あ、カーテン閉められた! くそ! 約束は破ってないじゃないですか、校舎に入ってませんよ?!
「あ、あの・・・・・ 部隊長、補佐。 皆揃いましたが。 門で集合しています。」
「えーーー、もっとゆっくりしなヨ、真面目すぎるよ、お前ら。」
「ここまでですね、仕方ない。」
「「イルカ先生、行ってきまーーーす!!」」
これからボク達は、波の国のガトーカンパニーを皆殺しにして来る。 女子供も、関係者は皆殺しの予定。
去年ガトー本人をカカシ班が殺したらしいけど、二代目が後を継いで暗躍しているらしい。
綱手様が、木の葉を逆恨みしないように今の内に潰しておく、と言った。 恨みの芽は摘んでおくに限る。
ひとりでも生かしておいたら、後々カカシ班各個人が狙われる。 影で動くのはボク達の得意技だからね。
あ・・・・ カーテンがちょこっと開いて、先生の唇が見えた。 読めって事ですね?
【気をつけて、行ってらっしゃい、愛してますよ、早く帰って来て下さい】だって。 ・・・・もうw
ボク達イルカ先生の手のひらで転がされている感じ! そう、こんな風に一緒に生きてみたかった。
毎日毎日違う日々。 笑って、怒って、泣いて、イルカ先生と一緒だと、どれも楽しい事に思える。
「オレ達も愛してマース!!」
「マッハで帰って来ますからねー!!」
あ、ニッコリ笑った! 忘れていた感情が一気におし寄せて、先輩もボクも気持ちを押さえるのが大変。
誰かに自慢したくて仕方がない。 愛のあるセックスで、毎回ボク達は生まれ変わってる、って。
愛しいと思う気持ちを肌と肌で感じるんだ。 イルカ先生は男だけど、先生に産んでもらってるみたい。
よし、部下に自慢しよう! お前らも諦めてないで、早く愛してる者を手に入れろってメッセージだ。
「・・・・・暗部のトップツーが戻って来たのは嬉しいんだけど・・・・・な?」
「・・・・・惚気られるのは、かんべんだよね・・・・ オレらも人肌恋しくなるよ。」
「・・・・・昔と違って、ヘンに気合入ってるしな。 怪我したらエライ怒られるし・・・・」
「・・・・・まったく、はた迷惑な恋人達よね、影響力半端じゃないってわかってんのかしら。」
「全員生きて帰るよ、木の葉の里に!!」
「「はいっ!!」」
「 散っ!!」
戦いに明け暮れていた男達と、世話焼きのアスクレが書きたかったんです。 小助さんも。(笑) 聖