闘犬島〈とうけんじま〉の秘密 13
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国外任務を終えて火の国に入ったら、必ずやる事がある。 イルカ先生に帰るよ、って知らせるコト。
前に先生が任務で里を出た時、オレ達は待つコトの難しさを知った。 不安も忘れてた感情のひとつ。
今までだって中忍のイルカ先生は任務に出てたのに、いざ一緒に住み始めたらそんなコト忘れてた。
先生がもし帰ってこなかったら? そこにいて当たり前、なんて。 特に忍びならある訳ないのにネ。
せっかく心も体も繋げて充実してるのに、まだ思い出してない感情がイッパイあるのに、って。
そしてオレ達のイルカ先生は、いつもこんな気持ちで待っているんだ・・・・ って思い知った。
言霊は風に乗って木の葉隠れの里へ。 一足早くイルカ先生だけに、オレ達の帰還の知らせを届けた。
凄く喜んでくれたヨ。 中忍の先生にはそんな技術はないから、むちゃくちゃ羨ましがられたけどネ。
それ以来、オレ達は知らせるコトにしたんだ。 火の国の中ならいいぞって、五代目の了承も得たし。
「「イルカ先生、もうすぐ帰るからねーーーーっ!」」
帰ったら? もちろん先生に甘えまくるヨ。 可哀想な犬をイッパイ殺して来たの、温めて? って。
先生、獣プレイしてくれるかな? 頼んでみよう。 半獣変化をかけて、耳と尻尾をつけたら・・・・
ん? ちょっとヤマト、急にスピードあげてんじゃないヨ! え? 声に出てた? ・・・ウソォ?!
フフ、今夜のお楽しみは獣プレイに決定! 犬・猫・兎・リス・・・・ どれにしようか迷ちゃうネv
昨日は迷いに迷って、やっぱり犬にしたんだケド、これがまた・・・・ アー、可愛かったw
ヤマトが悪乗りしてサ、首輪を作って先生につけたの。 木遁でちょこっと細工、花なんかもつけて。
優しい先生は花のついた首輪をむやみに壊せなくて、最中ずっとつけっぱなし。 イヤ〜 燃えたネ!
小花飾りの首輪をつけた半犬変化のイルカ先生に、ちょっと辛かったオレ達の心を温めてもらった。
「暗殺任務お疲れさま、カカシ、ヤマト。 凄い大口の顧客ゲットしたそうじゃないか。」
「犬塚一族の開発した獣化丸薬が、キーポイントだったの。 定期収入になると思うヨ。」
「ははは、アレはもともと、人に飼われてしまって野生に戻せない獣用だったんだけどね。」
「なるほど。 保護したのはいいけど、そういう獣は自然界では生き残れませんからね。」
記憶もなくなり、完全に獣にする丸薬。 でも、人にも効果があるモノに開発するなんて凄いよネ。
実はウチの里は、この丸薬を使って抜け忍を獣にして野に放ってるんだ。 物は使いよう、でショ?
裏切り者とはいえ、木の葉の里の元仲間。 人の情を忘れた忍びを、本物の獣にする、ってコト。
お、八班が牙を迎えに来た。 今日の八班は護送任務。 牙を新しい飼い主が統治している監獄島へ。
「 【ユウタ&きば】か。 牙の名前を彫り足したんだ? うん、いいねぇ。」
「牙、その首輪、カッコいいよ。 木の葉の有望な偵察班の作なんだって?」
「・・・・・シノくんが・・・・ 一生懸命作ったんです・・・・・。」
「 おれは何もしていない。 なぜなら・・・・ 蟲達が彫ってくれたからだ。」
「無表情に照れてんじゃねーよ、シノ! んじゃ、牙、出発だ。 いこーぜ!」
「オンッ!」
「あ、そうそう。 ・・・・・ちょっと、アンタ達? そのピンクのオーラなんとかしなさいよ!」
「ピンクのオーラ? オレ達から今、そんなの出てんの??」
「あ! 先輩アレですよ、きっと。 牙の首輪から連想して!」
「ナルホド! 首輪繋がりか! アハハハ!」
「・・・・・・・・・・・。 (感謝してるけどウザイ、ウザすぎるわ・・・・) 」
「ぶははは、随分と分かりやすくなっちまったねぇ、カカシ、ヤマト。」
ソウ、首輪w ウン、牙の首輪見て昨日のイルカ先生を思い出したヨ。 小花のついた首輪をした愛犬をw
最後はとれてボロボロになっちゃったけどネー。 汁だくの半獣変化の先生の体に、とれた小花がパラパラと。
つい、乳首の上に乗せたりして飾ってみたり。 ヘソの周りに並べてみたり。 でも一番燃えたのはネ、
先生のナニに挟んで、擦って出した時。 小花が先生のモノと一緒に飛び出るトコロは、もう最高!
「「イルカ先生、愛してまーーーすっっ!!」」
「だから! ところ構わず叫ぶんじゃないよ、まったく・・・・・」
「まあいいわ、今回はウチの子達が迷惑をかけたし。 ・・・・ありがと、カカシ、ヤマト。」
「ん、平気、楽しかった。 イルカ先生を巻き込んで、親子ごっこも出来たし。」
「ボクもプチ上忍師の気分を味わいました。 いつか受け持ちたいなぁ、ボクも。」
「ふふふ、もうね、可愛くて仕方がないの。 ・・・・戻ってくるといいわね、サスケ。」
「・・・・ウン。 でも、サスケはもう・・・・ まあ、気を長くして待ってみるヨ。」
「先輩、提案です! 新しい人員を入れて、新生七班を結成してもイイじゃないですか?」
「新生七班、それもいいネ。 ナルトとサクラをスリーマンセルに戻してやれる、ウン。」
「ふふふ、新メンバー選びね? 新しい生き甲斐ができたじゃない、お父さんズ?」
二代目火影 扉間様が考案したといわれている、忍者アカデミー制とスリーマンセルの班編制。
そうなんだよネ。 スリーマンセルっていうのは、最小限の人数で多数決が取れる班編制になってる。
一人だけの行動、二人で水掛け論、それらは人の思考の成長を妨げる環境。 意見の中和剤が三人目。
問題が上がったら多数決。 言い争いもなくなり、行動も迅速になる、だからスリーマンセルなんだ。
「「「紅先生〜 早く〜〜〜!!!」」」
「今日の任務を割り当ててくれたイルカにも、ヨロシクね? じゃ! ゴメーン、今行くーっ!」
「監獄島か・・・ 大丈夫なのか? 牙は。」
「ソレは心配ないヨ。 あの島の所有者は、鞍馬達と違って、牙を利用しない。」
「監獄の死刑囚を全部獣にするなら、本物の癒しが欲しくなったそうです。」
「じゃぁ牙は、飼犬 兼 獣達の番犬、所有者のパートナーとして、あの島に迎えられるんだね?」
「「そういうこと!」」
片足を半分失っても諦めなかった頑張り屋さん。 家族の復讐に我を忘れなかった聡明な心。
あの犬は飼い主の死に気付いたはず。 オレ達が、ユウタ君の死体から形見のペンダントをはずしたと。
飼い主の死を受け入れて、もう一度生きようとした、そんな立派な牙に。 オレ達からの贈り物を。
島に打ち上げられていた、牙の家族の腐敗しかかった遺体。 キレギレになった服を剥ぎ、燃やした。
監獄島には牙が来た時の為に、家族の着ていた服をあちこちに埋めて来た。 探しまわるだろうネ。
それはきっと、一か所に集めて埋められる。 自分の宝物を集めて埋めておくのは、犬の習性だカラ。
イルカ先生にこの話をした時、オレもヤマトも布団をかぶせられ、クルクルと包まれた。
先生曰く、今の俺は半分犬ですから、宝物はしまっておくんです、だって。 もう、撃沈。
おかげで先生の首につけていた小花の首輪が、ボロボロになるぐらい攻め立てちゃったんだケド!
「「 イルカ先生、愛してまーーーすっっ!! 」」
「・・・・・少々うるさいぐらいは、我慢するか。 なぁ、黒丸?」
「ああ。 奴らの忍犬チームの被害に比べたら、可愛いモンだろう。」
この後お父さんズは、自分達と同じ目をした少年 サイを見つけ、七班に入れちゃうんです!(笑) 聖