闘犬島〈とうけんじま〉の秘密 6   @AB CDF GHI JKL




「「解っっ!!」」
「本体のご帰還だーヨ、イールカ先生v」
「本日、二度目のただいまです、先生v」

「カカシさん、ヤマトさん、お帰りなさいっっ!!」

あはは、先生が飛びついて来た。 影分身を先に帰宅させると、先生の“ お帰り”が二倍楽しめるんだ。
影分身は実体分身で、本人とまったく同じチャクラだから、忍犬の鼻でもなきゃ、見分けがつかない。
もちろん分身自身が“影分身だよ”と知らせるから、イルカ先生はそれを知っているけどね。
今、影分身を戻してさっきのお帰りと、このお帰りとを、同時にかみしめているトコロ。 あ〜 幸せ!

ツメさんから依頼を受けて来たと、受付にも座っているイルカ先生に、一連の経緯を説明していた。
んで、カカシ先輩もそうだったけど、イルカ先生もある一人の忍びの事を頭に浮かべていた。
うちはサスケ。 カカシ班の元メンバー、イルカ先生の元教え子。 木の葉を抜けた、サスケ。

初めて持った弟子だっただけに、カカシ先輩はサスケの里抜けが悔しいんだろうな。 イタチの弟だし。
結構目をかけて、先輩のオリジナルの雷遁、千鳥まで伝授したそうだ。 なのにサスケは里を抜けた。
一族を滅ぼした兄を裏切り者と呼び、殺す為に。 二言目には復讐、兄への憎しみを口にしたそうだ。

「自分だけが生かされた、その意味を・・・・ 勘違いしてしまったんでしょうね。」
「大好きだった兄に置いて行かれた事が我慢ならなかった、まだ甘えたかった子供だったんです。」
「イタチは、サスケに自分を恨むように言ったらしいヨ。 オレの言葉は届かなかった。」

イタチは将来を有望視されたうちは一族のエリート。 三代目からも期待されて暗部に入った、が。
うちは一族の里へのクーデター計画を知り、一族と里との板挟みになってしまった。 そして・・・・
同じく先に暗部入りしていて、誰よりもイタチが尊敬していたシスイの死で、一族の抹殺を決意した。

一族が里に謀反を企てている。 自分の目はうちは一族の最強の目だ。 きっとこの目を利用される。
うちは一族が火種になり、里や国を混乱させてはならない、それこそ一族の恥だ。 そうイタチに言い、
瞬身のシスイは、自らその命を絶った。 最強の開眼を誇った写輪眼を封印し、イタチに後を託して。

ボク達暗部はその事実を知ってるけど、イルカ先生やサスケ、正規の忍びの多くが知らない里の裏事情。
カカシ先輩の話、三代目の話に耳を傾ければ、これは何か裏があるかも、と気付きそうなモノなのに。
偶発の事故じゃないのに一人だけ助かった。 そんな不自然な話があるはずないと、なぜ考えなかったのか。

「・・・・・イタチの事は話せないけど・・・・ 信じてあげて下さい、イルカ先生。」
「シスイもイタチも、オレ達と同じ暗部だった、それだけは知っておいてネ、先生。」
「暗部にいたという事実、それは彼らが里を支えていた証拠です。 俺はそう思います。」

「「ありがとう、イルカ先生・・・・。」」

やっぱり先生は里の忍び。 そう、里の暗部として。 危険分子のうちは一族抹殺任務を自ら志願した。
謀反に関係のない弟の命だけは助ける事を許して欲しいと、その為の交換条件を、三代目に提示して。
汚名を着る事で自分が抜け忍になる状況を作り、抜け忍大蛇丸のいる組織に潜入する、とイタチは言った。
そしてイタチの希望は受理された。 三代目火影の亡き今も、傭兵組織暁への潜入は続行中だ。

「この前の侵入騒ぎの時だって、カカシさんもサスケも・・・・ どうなっていたか・・・・・。」
「ウン、本当なら何人か殺してても・・・・ 不思議じゃないでショ?」
「でもイタチはわざわざナルトに会いに来た。 暁の狙いが九尾だと知らせに来たみたいにね。」
「はい。 里は混乱しましたが誰も死ななかった。 何よりの証です。」

きっとイタチの事だ、働き過ぎの先輩に休んでもらおう、そう思って月読をかけたのかもしれない。
弟のサスケにも何かしらの細工をしただろう、実際に忍びが月読を喰らうと、運よく目覚めても廃人。
うん。 その通りだよ、先生。 言葉や態度に惑わされない、生きているという事実こそ真実なんだ。
だからあの家族を殺された犬、牙も。 その命を繋いでくれた、たくさんの人の思いを感じ取った。


「ところで、さっきオレ達の影分身が、先生にオイタをしかけてたようだケド?」
「ぷっ! くすくす、ええ、そうですよ。 ふふふふ。」
「続きは? さっきの続き、ボク達本体が続行しても・・・・ 問題ない??」
「ふふふ、ええ、問題ありませんよ、お湯は一杯になりましたし。」

わーい! さっき分身吸収した時の記憶は、お帰りなさい、と風呂場から出て来た先生にイタズラしてた。
“今、湯船にお湯をはってたんです”と言ったイルカ先生に、じゃあ溜まるまで先生に触らせて、って。
体中を撫でて、顔中にキスをして、もう、それこそ愛に飢えた子共のように、甘えながら。

「ん、んん・・・・・ あ・・・・ 後は・・・ 中で・・・ うぅ・・・んん・・・。」
「「ん、了解!」」

さっきの続きとばかりに、脱衣室まで先生を運んで、脱がせながら小さいイタズラを繰り返す。
あ、ボク達の突起物発見! とか言いながら、アンダーの上から乳首をつまんでこすってみたり。
クスクスと笑い合いながら、脱がせっこ。 服を脱がせるのがこんなに楽しいなんて、知らなかったよ。