嘘も方便 10
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今、百聞は一見にしかず、と言ったネ? ウン、その意見には大いに賛成だヨ。 論より証拠。
三代目がイルカ情報をビシバシ寄越そうがなんとも思わなかった。 なのにたった一日でコレ。
オレの脳ミソが処理しきれてないんだヨ。 心に頭が追いつかないなら実践あるのみだネ!
目前にはオレ自身を見てる様なテンゾウ、二メートル後ろには布団で熟睡してるイルカ。
テンゾウ。 まるっきりオレと感覚が同じなら、お前、オレの考えてるコト分かるでショ?
そんな視線を無言でテンゾウに向けてみると。 案の定テンゾウは、寝てるイルカに目をやった。
「ヨシッ! 実はイルカは強いんです作戦の前に、論より証拠作戦だヨ!」
「賛成! 三代目の暗示じゃなく、ボク達の心の変化を見極めましょう!」
「「本当に男に走ってしまったのかどうか、検証あるのみっ!」」
そりゃオレ達の気配なんて、ほぼ皆無だけどネ? クークー寝過ぎだから。 警戒心なさ過ぎっ!
いや、普通で考えたらオレ達のどっちかがつきっきりでガードしてる=安全、それでイイのヨ?
でも何がどうなるかなんて、誰にも予想できないでショ? 現にオレとテンゾウがイイ見本。
こんもりした掛け布団を剥いでみたら、イルカはアルマジロスタイルで横向きに丸まって寝てた。
「「・・・・・・・・なんか可愛い。」」
「・・・・ハッ!」
「・・・・はっ!」
「「ほのぼのしてる場合じゃない、検証っ!」」
「ではテンゾウ君。 いってみようか。」
「え。 部隊長からでしょう、ここは。」
「「・・・・・・・・。」」
こんなトコで上司の顔を立てなくていいのヨ。 だってこの期に及んでまだ信じられないもん!
イルカは野郎なんだヨ?! つい三日前まで、押し売りノーサンキュー状態だったでショ?
急激な気持ちの変化はやっぱり三代目の刷り込みじゃないの?! イルカは年も近いし・・・・っ!!
「・・・・ぅー ・・・・・んぁ?」
「はっ?! ・・す・・・・ 睡眠の術っっ!! 」
「ハッ?! ・・・・しゃ・・・ 写輪眼っ!! 」
「・・・・・ん。 ・・・・・くー すー くー ・・・・。」
「「 ふぅ! 危なかった・・・・・ 」」
アー ビックリした! イルカの目が覚めちゃうところだったヨ。 ・・・・・そりゃそうか。
いくら気配を消してるとはいえ、こんな近くで人の話し声が聞こえたら、気づかない方がおかしい。
ま、既に夢の一部になってるけどネ・・・・ って。 チョット、テンゾウッ! お前まで術かけたの?!
オレの瞳術で十分でショ?! 術の二重掛けなんかしたら、いくら中忍でも効果抜群じゃないのっ!
・・・・・・・・? 丁度いい?? 今日は一日、家でぐっすり寝ててもらいましょう・・・ って?
アー お前とオレの術だもん、丸一日は起きないよネ。 次に目が覚めるのは明日の朝だヨ、きっと。
小一時間ほど追加で寝ててもらうつもりだったケド。 同じ効果の術は相乗効果がハンパないもんネ。
「「・・・・・・・。」」
「コホン! では気を取り直して。 論より証拠作戦を開始します。」
「いっそのコト同時にやるヨ。 お前は腕、オレは脚、イイ? いっせー のー せっ!」
「「・・・・ごろーーーん・・・・・」」
オレ達は同時に縮こまった腕と脚を持って、横向きアルマジロスタイルのイルカを仰向きに戻した。
ウン、コレが通常の安眠スタイル。 よくあんなに丸まって寝れるよネ? 猫みたいだヨ、まるで。
・・・・猫?? ネコ・・・・ 寝・・・子 ?? それだヨ! イルカは後ろで感じる方かも!
きっとそうだヨ! 隠れxxy型だもんネ? 遺伝子的に受け入れる様にできてるんだよネ? ネ?
「男のクセにオレ達を誘惑する“気”は果たして偶然の産物なのか・・・・」
「はたまた唯の気のせいか。 でも謎のフェロモンが出てる事だけは確かです。」
「「 ごくり・・・・・。 」」
テンゾウがイルカのパジャマの上着のボタンを外していった。 オレはパジャマの下を担当。
!! プツリ、プツリとボタンの外れる音が耳に入って来て。 なんか妙に興奮しちゃったのネ?
パジャマのウエスト部分にかけてた指に力が入り、イルカの下着まで一緒に下ろしちゃったヨ・・・・。
「ちょ・・・ ちょっと、カカシ先輩っ?!」
「ふ・・・・ 不可抗力だって、テンゾウっ!」
「「 ・・・・・・・ごっくん。 」」
イルカはというと、ボタンを全部外したから上着は全開、腕にパジャマが絡まってる状態。
オレが勢い余ってずり下ろしたパジャマズボンと下着セットは、膝の辺りで同じく停滞中。
別に意識したワケじゃないヨ? ・・・・偶然にもなかなかそそられるアングルになってしまった。
イルカは木の葉の良心なのヨ? 木の葉の良心のクセに、こんなに色気があってイイの?!
なんなの、このむっちりした肉、スベスベのお肌っ! イルカ、あんた・・・ 野郎でショ?!
・・・・ハッ! イルカは大の風呂好き。 そうか、このスベスベお肌は長湯の賜か・・・・・
テンゾウ。 イルカの体って・・・・・ エロくさいネ? 今んトコ、オレ、なんの問題もないヨ?
嫌悪感とか、寒気とか襲ってこないもん。 というより、ドキドキしっぱなしなんだケド?!