嘘も方便 13
@AB
CDE
FGH
IJK
ごめーんネ? 今さっき三代目から呼び出しがあったの。 そう言うとイルカは納得してくれた。
コレは敵前逃亡じゃないヨ? 昨日の検証でオレ達の気持ちが一過性ではないと判明したから。
論より証拠作戦はイルカの隠された情報を暴き、オレ達自身を納得させる成果を上げた。
“イルカがxxy型の染色体の持ち主ならアナルで感じるはず!”は、二回検証して確認済み。
尻の穴に指を入れて刺激したら射精するか否か。 見事、イルカは二度とも射精したんだヨ。
テンゾウとオレ、一回ずつ検証して二回とも射精したのネ? もう、完璧にxxy型でショ?
イルカを二つ折りにして尻を持ち上げ検証。 その結果、イルカは自分の腹に射精するハメに。
オレもテンゾウも、ギンギンになった息子を取り出し、一緒にイルカの腹に気持ちよく射精した。
イルカの腹にオレ達の精子の水たまりが出来たの。 ミルクセーキでそれを思い出しただけっ!
「すぐ帰ってくるからネ? イイ子で待ってて!」
「くれぐれも外出はしない様に。 いいですね?」
「はい! 了解ですっ!」
だから敵前逃亡じゃないの! いきなり襲い掛かって腹にミルクセーキを作るよりマシでショ?!
イルカが作ってくれた特製ミルクセーキを一口だけ飲んで、オレ達は速攻アパートを出た。
暗殺の心配はもうない、昨日イルカが寝てる間に決着した。 また懲りずに根の忍びが来たからネ。
問答無用でイルカのまま半殺しにしといた。 途中だったからサ、ヤツ当たりのダブルボンバー。
ナンの途中かって? 決まってる! イルカの尻を検証しようと思ってたトコロだったのっ!
サアこれから・・・・・ って時に!! 最低でショ?! 殺してやればよかったヨ、まったく!
だからイルカに言ったコトは本当。 『俺をただの中忍だと思わないで下さいね?』って。
実はその続きもあったりする。 『同胞を殺しはしませんが仏の顔も三度まで、です』で、半殺し。
でもそれは今朝じゃなくて、昨日の日中だけどネ! 術のせいで丸一日、イルカは寝てたからサ。
影分身を使える中忍、しかもことごとく余裕をかまして、だヨ? 文句ナシに暗部レベルでショ?
オレとテンゾウ、二人のイルカを見た時、アイツ思わず口走ったもん。 “やはり隠し玉か”って。
“やはり”ってコトは、ダンゾウがそういう結論に達してる、ってコトなの。 だからもう暗殺はない。
根の連中がコードネームとして使ってる“隠し玉”っていうのは、火影隠密の忍びの事なんだよネ。
暗部とは別に、里内を探る忍びの事なの。 その正体は火影以外は知らない、暗部でさえも。
・・・・なーんて、まことしやかに囁かれてるけど実在はしない。 そう思わせてるだけだから!
しいていえば、暗部の部隊長と補佐がそういう関係の任務を請け負うんだよネ、今回みたいに。
ダンゾウは深読みしすぎて、三代目が作り上げた架空の忍びの正体をイルカだと思ったワケ。
あの中忍が火影隠密とは。 なるほど、あの可愛がりようはカモフラージュだったのか・・・ とかネ!
「“実はイルカは強いんです説”のはずだったんですが。 チョット力を入れ過ぎて・・・・」
「ゴージャスかつ壮大に“海野イルカは火影隠密説”ってな結論に達した模様です、はい。」
「火影隠密か・・・・ ほほほほ! ダンゾウらしい深読み具合じゃの?」
「下手したら、三代目の耳に入れたい偽情報をイルカに流しに来るかも・・・・・」
「イルカの近くに居る忍びを柔軟して根の子飼いの忍びにする可能性も・・・・・」
「・・・・まあよい。 結果的にダンゾウはイルカから手を引いたんじゃろ?」
「「はい、それは間違いありません。」」
「イルカの近くに居る者は、あ奴と同様に強い心を持っておる、心配は・・・・ むぅ。」
「「??」」
「・・・・・そういえば、一人おったの。 イルカを必要以上に妬んでおる奴が。」
「お言葉ですが三代目。 そういう奴が根に利用されたとしても、自業自得では?」
「ですネ。 もしイルカに害をなしたその時は、遠慮なく狩りますヨ、オレ達が。」
今の返答で、オレ達の心変わりに勘付いたらしい舅は、とたんに小さくニヤリと意味深に笑った。
ポンポン! と腹を叩いたところを見ると、イルカ手編みの小豆色の腹巻を着けてるとのPRだろう。
ふかしていたキセルを置き、煙の輪っかを口からポッ、ポッ、と出す器用な真似までしてくれた。
片眉を上げて自慢げにネ。 オレ達の目前でフワフワと形を変えた輪っかは、可愛いハート型に。
「ハイ、そーですヨ、認めますヨ、羨ましいデス!」
「手作り弁当自慢も頷けます、美味しいですもん!」
「ほほほほほ! の? 言ったじゃろ? イルカはええ子じゃと。」
「「いやー まさか隠れxxy型だとは思いもしなかったです!」」
「・・・・・・・・・・。」
「男は勘弁でしたが、女の染色体を持ち合わせている男なら、全然OKでしたヨ!」
「個人の秘密を暴いてしまった以上、ボク達二人ともがイルカの恋人になります!」
「でもナノレベルの染色体ですからネ・・・ イルカが孕むのは無理かと。 残念ですが。」
「すみません、三代目。 楽しみにしてらしたのは知ってますが、孫の顔は諦めて下さい。」
「・・・・・・・・・・。」
そうして三代目はしばらく考え込んだ後、オレ達にイルカを頼んだぞ、と言ってくれたのヨ。
で、本人も知らないイルカの秘密を知った。 フタナリのせいでイルカは発育不良だった。
その昔、悩んだ海野夫妻が三代目の奥さんだったビワコさんに相談しに来たんだってサ。
どっちかを切除しないと三歳まで生きられないと言われ、それならば体力のある男の子に、って。
「そーなの・・・・ そうだったんだネ? 頑張ったネ、イルカ。 ウンウン・・・・」
「三代目がイルカだけ手元に残した意味も分かりましたよ。 心配だったんですね・・・・」
「本人には・・・・ 秘密にしておいてやってくれ。 知らぬ事ゆえ・・・・ の?」
「「当然ですっ! 誰だって秘密の一つや二つありますよっ!!」」
「うむ! お主らなら、安心して木の葉の良心を任せられるわい。 ほほほほほ!」
アカデミーには採用でショ? アッ! 任務受付所も手伝わせたらどうです? 三代目の横で!
そうしたらイルカは里外任務に就く確率が低くくなって、火影隠密説が更に信憑性を増しますヨ!
じゃ、三代目! イルカが特製ミルクセーキ作って待っててくれてるんで、オレ達はこれで!
やっぱりネ! 絶対そうだと思ったよネ、テンゾウ! オレ達が男に転ぶワケないもんネー?
そうだ! まだ任務は終わってないコトにしょうヨ! 只今根の忍びを警戒中ってコトにしてサ。
そんで、また悪戯しちゃおうネ? 昨日みたいに! 自分の夢の中だと思う幻術、なんてどう?
イルカの中のxxy型を刺激し続ければ、いつか気づいていてくれるヨ? オレ達を受け入れたい、って!
「“俺、お二人に対して破廉恥な夢を見ちゃいました” ・・・・とかっ!!」
「“俺、お二人に対して下半身が反応しちゃいました” ・・・・とかっ!!」
「「くあぁあああっ! 今にも爆発しそう・・・・ イルカ〜〜〜〜vv」」
「イルカはフタナリだったか、じゃと? そんな事実ある訳がなかろう。 イルカは正真正銘の男じゃ。
ほほほ! 嘘も方便。 カカシ、テンゾウ。 理屈ではなく相手を求める、それが恋というものじゃよ?」
え? イルカの意思ですか?? イルカは命の恩人の二人に絆される事、間違いナシです!(苦笑) 聖