嘘も方便 12   @AB CDE FGH IJL




ふぁああぁぁ〜〜 んーーー よく寝た・・・・・・・ お? 妙にスッキリ感まで・・・・
いくら暗部の二人が警護してくれてるからって、グーグー寝すぎだろ、俺。 だってなぁ・・・・
大陸に名を馳せる忍び、暗部のトップツー。 その二人の気配なんて感知できる訳がないだろ?
昨日もこんな感じで、グースカ寝てる間に交代してたんだよな、テンゾウさんとカカシさんが。

ってことは・・・・・ 昨日カカシさんだったから・・・・ 今日はテンゾウさんの番か。
仕方がないよな? 二人が俺んちに出入りしてるのをバラしちゃう訳にはいかないし。
ここには海野イルカ一人しか住んでませんよー って思わせておかなきゃならないんだから。


まだ警護が始まって三日目だけど、もしかしてあと数回で認識されちゃうんじゃないのか?
何って、海野イルカは上忍並みに強いんだぞ、っていうハッタリ作戦が。 う〜ん、凄すぎ!
二人の頭の位置から独占映像で見ちゃったもんな、根の忍びへの牽制。 もう大興奮だよ!

へ? と思ったら、目前に根の忍びの後頭部あって、い? と思ったら蹴りを寸止めしてるし。
三代目の暗部とダンゾウ様の暗部とでは、こうも格の違いがあるのか! って思い知ったよ、俺。
・・・・・あれ? 話し声が・・・・ 居間から? あ、もしかして俺、交代時間に間に合った??

「おはようございます、カカシさん! 昨日はどうもありがとうございました!」
「オハヨウ! イエイエ、どういたしましてこちらこそ。」
「おはようございます、テンゾウさん! 今日も一日、よろしくお願いします!」
「おはよう! うん、今日も明日も明後日も、まかせて?」

「・・・・・??」

よし! 偶然だけど三日目にして二人の交代時に起床出来たぞ! そう思って挨拶したら違った。
なんと今日から警護任務は二人掛かりだそうだ。 根の忍びが本気で暗殺に乗り出したらしい。
今度父ちゃんと母ちゃんの墓参りに行く時、お供え物も持って行かなきゃ駄目だよな、これ。


あのー。 俺なんかがこんな事心配していいのかわかりませんが。 暗部はいいんですか?
部隊長と補佐が不在だなんてダンゾウ様に知られる訳にはいかないんですよね? 確か。
海野イルカ強いんです作戦の遂行中は、二人の不在と結びつける様な行動をとらないはずでは?


「待機所には影分身のオレ達を行かせてあるんだーヨ。」
「ダンゾウがムキになって刺客を送り込んで来たからね。」
「俺があんな“只者じゃない感”を醸し出してれば、本腰を入れますよね・・・・」

「「大丈夫、昨日もばっちり撃退したから!!」」
「わー さすがっ! ・・・・? 撃退したって・・・ え、昨日?! 寝てる間に?!」
「そうそう、昨日寝てる間に・・・・ というか正確には今朝の事で・・・ 夜中?」

「すみません、俺だけぐっすり寝てて。 お二人は徹夜明けなのに・・・・・」
「気にしないで? オレ達興奮してサ、ランランと目が冴えちゃってるのヨ、実は。」
「お二人が興奮するぐらいの戦闘かぁ・・・・・ うー 俺じゃ、瞬殺でしたね、ははは!」
「「あははは! そう、それはもうギンギン!」」


ほんと凄いの一言だ。 暗部の部隊長と補佐、木の葉の黄金コンビ、もう脱帽だよな・・・・。
根の忍びはダンゾウの暗部、普通の忍びじゃないのに。 影分身を既に出してるんだぞ?
で、俺に変化までしてる。 チャクラをそれだけ余計に使ってるから二人掛かりなのかもな。
・・・・・・・ん? すると何か?? 二人の俺が対峙した、って事になるのか?! あれ??


「フフフ! 二人ともイルカ変化したヨ? 影分身の術だと思わせといたから!」
「えっ!! 俺、影分身の術まで披露しちゃったんですか?! すっげーーーっ!!
「ふふふ! ちなみに“俺を唯の中忍だと思っては困ります”って言ったよ?」
「おぉお! かっけぇーーーーーっ!! 俺って凄すぎっ!!」
「「あはははっ!」」

「では!! そんなお二人の疲労回復の為に!! 俺が朝から精のつくものを作りますね!」
「「・・・・・・・・ぇ。」」
「・・・・・。  “俺の卵メニューを唯の卵メニューだと思っては困ります”ってか?」
「「ぶっ!! ・・・・あはははは!! 早速モノマネ?! アハハハ!」」
「体は資本、スタミナをつけないと駄目ですよ? ちょっとだけ待ってて下さいね!」


うん、生卵は芸がないよな? 俺が寝てる間に、とっとと一仕事終えて来た二人に対して。
俺だってただ守られてるだけじゃなく、二人の為に何かしたいよ。 なのに卵割るだけ? 却下!
よーし、決めた! 三代目も大好きな俺の特製“元気が出るミルクセーキ”にしーょう、っと!





「ねぇ、テンゾウ。 やっとの思いで鎮めたのに・・・・ どうする?」
「ボクに聞かないで下さいよ、先輩。 同じなんですから・・・・・。」
「・・・・。 イルカどことなくスッキリした顔してたよネ?」
「・・・・。 そりゃそうでしょう、二回も出したんですもん。」

「実質ケリがついたしネ。 ココは一度引く?」
「そうですね。 三代目にも報告出来ますし。」