どうしてそうなる? 10   @AB CDE FGH JKL




ボク達はイルカ先生の顔を知っているコバ&ヒロ達に、先生の足止めを頼んだ。 ミカミにも。
ふふふ、イルカ先生の恋人はボク達だからと説明したら、やっちゃった感丸出しで平謝り。
もうとっくに猿軍団の誤解は解けてるから心配するな、と言ったら少しだけ立ち直った。
猿部隊の奴らに吉報を届けたつもりでにわか喜びさせた自分に、ヘコみまくってたけどね。

アイツらは偶然にも真実を知る事になったんだ、先生を狙って里に侵入した刺客のおかげで。
テンションMAXな所へ先生の保護任務ときた。 ぜひ自分達に! って、なったんじゃないか?
三代目なら、そんな奴らの妙なテンションも、仕事熱心ぐらいにしか思わなかっただろうし。

イルカ先生がボク達の情人だから狙われていると聞かされた時、一瞬で夢から覚めたんだろう。
まあ、猿軍団にしてみれば、やっぱりな・・・・ みたいな反応だったんじゃないかな。
でもタダでは転ばない、ボク達の出会いを参考にしようとして、先生から色々探ってたんだ。


イルカ先生も忍び、ただ暗部に守られているだけという状況を嫌がるかもしれないだろ?
だからあえて先生には保護だと知らせずに、ボク達の部下のふりをして立派に足止めをしてた。
結果的に奴らの虚しい思い込のおかげで、いち早く先生を暗部で保護出来たんだからヨシとする。

でもそれはボク達が乱入するまでの話。 先生が保護されてるとも知らず帰しちゃったからね。
だからミカミにこう言ってやった。 “ヘマしたボク達の代わりにイルカ先生の足止めを頼むね?”って。
つまり“先生に興味を持った事はこれでチャラだよ”という、ボク達からのメッセージでもある。
やっぱりバツが悪いと思うよ? 知らなかったとはいえ、ボク達の恋人に興味を示したんだから。


暗部の一部隊を預かる部隊長として、部下のわだかまりを綺麗さっぱり無くしてやるのは当然の事。
本音は二〜三発入れてやりたいけど、ミカミにも言った通りボク達もミスをしたからね、±0だよ。
それにヒロが喝を入れたって話だし。 ボコスカやり合って、吹っ切れたのは事実だろうからね。

そりゃーもう、ヒロやウチの三人組なんか霞むぐらい“俺いい仕事しますよオーラ”を発してたよ。
だからミカミ達に先生を任せておけば、ボク達は狩りに集中できる。 生きては帰さないよ、絶対にね。



アカデミー内に待機して小半時、待てど暮らせど不審者は現れず、だ。 殺る気満々で潜んでるのに。
こうなりゃ、ボク達の誰かがイルカ先生に変化して誘き出すか。 それが一番いいかもしれない。
アズサさんが変化するよと言ってくれたけど、はっきり言って嫌だ。 S丸出しのイルカ先生は却下。
カオルさんは言語道断。 無表情のイルカ先生なんて、S丸出しバージョンよりもあり得ないから。

「ここはやっぱり、カカシ先輩かボクが変化するのが妥当ですよね?」
「そうだネ。 体の黒子の位置まで忠実に再現できるし、完璧だヨ。」
「「先生の体は、隅から隅まで熟知済み〜〜〜vv」」

「全裸の囮かい? あんまり見たくはないねえ・・・・」
「確かにな。 野郎の裸など楽しくもない。 ・・・・ふっ。」
「「はぁ?! 脱ぐなんて一言も言ってないよ!!」」

冗談! 先生の裸をあなた達に見せる訳がないでしょう?! それになんですか、楽しくないって!
先生と楽しむのはボク達だけの権利で・・・・・ あれ?? あの先生達、あの時煙玉を投げた・・・?
・・・・・へ? あの三人が、カオルさんが言っていたアカデミーの先生、だったんですか?


・・・・・・という事は。 あの先生達の誰かが、刺客の気の一部を覚えてるかもしれなという事だ。
こうしちゃいられない、火影室へ侵入者の疑いありと報告した先生達の前に、超高速瞬身移動をした。

でも速攻過ぎたのか、三人とも抱き合ったまま壁の隅っこまで行って固まってる、フリーズ状態だ。
・・・・・ビビり過ぎ。 いくら警戒令が出てるとはいえ、ボク達の格好をみれば判るでしょう?
まるで、荒い波をものともせず岩肌にへばりついているフジツボの様ですね、カカシ先輩。

「ハイ、フリーズ終了! 再起動してネ? ナンでもイイからサ、覚えてるコトはない?」
「「「あ・・・・・ 暗部・・・・ お、お疲れ様です・・・・・」」」
「ボク達はイルカ先生を狙う刺客を細切れにする為に来ました、協力してくれますよね?」

実はイルカ先生は、ここにいるボク達二人の愛する恋人なんですよ、だから狙われてるんです。
お願いします、どんな事でもいいですから聞かせて下さい。 校舎は汚さないと誓いますから。
ボク達より少し遅れて、アズサさんとカオルさんがやって来た。 もう、二人とも遅いですよ?
今、アカデミーの先生方からお話を聞いていました。 アカデミーにまで侵入した奴らの情報を。


「覚えてるも何も、手練れだとしか・・・・ 逃げるので手一杯で・・・・・」
「えっと・・・・ 私達が接触した人数なら。 二人・・・でした。」
「変化してましたし確信はありませんが、多分・・・ 男です。」

「最初はただのアカデミー生かと思って・・・・・・」
「海野先生を探しに来た年少クラスの子かな、と・・・・・」
「ふがいなくてすみません・・・・・。」

「仕方ないさ、完璧な変化だったんだろう? 退却はあの時点でアンタ達の最善の策さ。」
「纏めると、年少クラスのアカデミー生に変化してた刺客は男二人・・・・・ だな?」
「「・・・・・・・・・・。」」


・・・・・・。 年少クラスの子供に変化して、先生を探しに来た男二人? それってまさか・・・・・。

ボクとカカシ先輩の事じゃないよね? 三人もいて、ボク達の変化が見抜けなかったとか言います?
てか。 煙玉を投げつけたのって・・・・ 思いっきり不審者扱いだったから、なんですか?!

三代目も暗部も動いてる。 しかも四天王総出で。 今更ここでそれはボク達だ、とは言い出せない。

ちょっと、ちょっと! 勘弁して下さいよ、どうしてそうなるんですかっ! 仮にも先生でしょう?!
やっぱりあなた達は、イルカ先生を見習った方がいいです! イルカ先生は観察力抜群ですよ?!
抜群すぎて感じやすいんです! ボク達三人のセックスライフは愛と汁まみれなんですからっ!

・・・・と、怒鳴りたい所をグッとこらえる。 カカシ先輩。 このピンチどうやって切り抜けましょうか?