どうしてそうなる? 11   @AB CDE FGH IKL




オレ達の情人を手に掛けようだなんて。 アズサの言う通り、暗部 四天王に宣戦布告したも同然。
運よく木の葉隠れの里の中心部に入り込めた事で油断してるだろうネ、生きて帰れると思うなヨ。
バカどもをとっとと狩り、首を先生への手土産にするつもりが。 あろうコトかオレ達のコトだとは。


なんなの?! イルカ先生を訪ねてきた見たコトもないアカデミー生、変化だと気付いたんでショ?!
だったらソコは、正体を明かせないのは将来を誓い合った秘密の恋人かな、とか思うよネ?!
忍びの里なんだから、もしかして火の国のちびっこ達に大人気アニメのモデル、あの暗部?! とか。
変化の名人だ、手練れの忍びだ、と思ったならサ、そういう風な流れを想定するでショ、普通!!

不審人物?! なんでそうなんのっ! どこの世界に自分の首を手土産にする恋人がいるのヨッ!
今すぐボコりたいけどダメ、この大ボケ先生ズ三人を締め上げたいケド、絶対やっちゃダメ。
んなコト、出来るワケないでしょーがっ! 仮にもイルカ先生の同僚なんだからっ! ムキィーッ!!


「「・・・・・・・気付けよっ!」」
「なんだいアンタ達。 そういえばアカデミーに寄ったとか言ってたね?」
「もしかしてお前ら。 ・・・・・誰だか心当たりがあるのか?」

「「「・・・・たったあれだけの情報で・・・・・ さすがは暗部四天王・・・・・」」」

心当たり? ありまくりだヨ、その先生達のいう不審な侵入者は何を隠そうオレ達なの!!

プチ怒りから飛び出たオレ達の言葉を“不審者を見逃した自分への恫喝”として解釈したらしい。
だてに頭の回転が速すぎて深読みする部下達をフォローしてきたワケじゃないんだヨ、オレ達は。
なんだかイイ感じに誤魔化せそうだヨ? この流れに乗っかるとしよう、とテンゾウに目配せする。


「ウン。 ・・・・・・実はネ。 アイツらがそうだったんだ、なるほどネ・・・・・」
「アズサさん、カオルさん、お願いがあります。 ・・・ここは引いてくれませんか。」

「・・・・・ふっ。 譲ってやるか。 おれの部下達はやるべき事はやったからな。」
「おやめ。 殺気立てて頼む事じゃないだろ?  ・・・・仕方ない、狩りは中止だね。」
「「欠片も残さず狩ってくるから。」」

「カカシ、テンゾウ。 ここはアカデミーだ。 いい加減、怒気を鎮めろ。」
「・・・・コレでも抑えてるんだけど・・・・ ねぇ?」
「髪の毛一本ぐらいは残しておきなよ? 情報部がうるさいからさ。」
「それはお約束できかねますね。 ボク達の情人を狙ったんだから。」

「「「・・・・ごくり・・・。 (超怖い・・・・ ひぇ〜!!) 」」」」



・・・・ヨーシ、掴みはOK! オレ達の“今にも爆発しそうな怒気”を感じ取ってくれたらしい。
ウン、それぐらいは感じてくれなくちゃネ? アズサとカオルは問題ない、どうせ暇つぶしだし。
嘘も方便、このままいもしない刺客を狩ったコトにしてしまえば、全てが丸く収まるというもの。


研ぎ澄まされたむき出しの刃の様に鋭く冷たい気を放ち、オレとテンゾウはその場から消えた。
超完璧でショ? そんなオレ達は、誰がどう見ても不審者の後を追った処刑人、以外の何者でもない。
フフフ、あらゆる憶測が飛び交うヨ? だって証拠は残さないからネ。 というか、そもそも無いし!

自分で言うのもおかしいけどサ。 ・・・・どうヨ、このオレ達の非の打ちどころのないフォロー!
ピンチをチャンスに変えるとっさのヒラメキ。 これぞ暗部四天王の一角を担う優秀な人材でショ?
常に図太い神経で自分達の有利な様にコトを運ぶ、そうでなきゃ暗部の部隊長なんて務まらいんだヨ。



「「・・・・・・アカデミー脱出、成功!」」」

ここは迷いの森の宿。 オレ達木の葉の忍びの困った時の雲隠れ場所は、迷いの森と決まってる。
さあ、作戦会議だヨ、テンゾウ。 とりあえず危機は脱したケド、どんな感じで話を作るか決めよう。



「イルカ先生って・・・・ カカシさんとテンゾウさんの恋人だったんですか。」
「そうらしいね。 アタシも紹介された時はビックリしたよ。」
「・・・・ああ。 噛むごとに愛が深まるそうだ。」
「そ、そうですか・・・・ ははは。」

「でも。 だから暗部の皆さんがいち早く保護して下さったんですね?」
「おれの部下は任務を遂行しただけだ。 ・・・・相手が誰であろうと、な。」
「安心しな。 今も暗部内で保護は続行中だ、今度はカカシとテンゾウの部下がね。」
「さすがは木の葉の暗部ですね。」

「どこの里の者かは知りませんが。 とんでもない人達に喧嘩を売った訳ですね。」
「・・・・ふっ。 そういう事だ。 ・・・・喧嘩を売る相手を間違えたな。」
「ふん! アイツら、あの感じじゃ・・・・ 骨の欠片も残さないだろうよ。」
「凄かったですもんね、あの怒気・・・・・。」

「「「・・・・・。 (イルカ先生に残業をお願いするのはやめよう・・・・) 」」」