歯車の潤滑油 3
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ってことで、さっそくあうんの門に来た。 先輩とふたりで。 ボクは暗部服にマント着用だけど。
先輩もそうだったけど、ボク達暗部の長は、引退するまで素顔はみせない。 あ、イルカ先生は別だよ?
先生はアカデミーの授業が終わったら、その足で任務に行くつもりだと言っていた。 だから先回り。
門番のイズモ中忍とコテツ中忍は暗部の拷問部所属、イビキさんの部下だ。 当然ボクの事も知ってる。
「イ〜ズモ&コ〜テツちゃんvv」
「「ナンすか、カカシさん、気持ち悪いっす、普通に呼んで下さい。」」
「 ・・・・・口のきき方には気をつけた方がいいよ? 」
「「 どわぁーーーっっ!! 」」
「フフフ、驚き方も同じだネ! まさにあうんの門番、アハハハ!」
「確かに。 ・・・・あ、ひとりでやると虚しいんですよね、これ。」
「「・・・・・。 ( これか、噂の “ひっかけ恐怖の支配” ・・・・。) 」」
懐中電灯係のアラシがいないから、自分で下から照らしてみたけど、なんかヘンな間があいて虚しい。
まさか先輩にやって下さいなんて、お願いできないし。 やっぱ、これはアラシとコンビでなくちゃね。
このお間抜けさに騙されないでね? 一応イビキさんの部下なんだから。 チラリと表情を確認する。
お、結構引きつってるな、よしよし! ここで鼻で笑おうモノなら即、黙殺縛り決定だったよ?
「ところで、今日の里外任務に就く予定の小隊、教えて?」
「え。 そ、それは・・・・・ あの、守秘義務が・・・・」
「 ボク達が他里の偽物に見える? これを見てもまだ?? 」
「もう、いちいち脅さないで下さいよっ! わかりました!」
一応暗部所属のふたりだからね。 こうすれば察してくれるかな、と思ったけど! うん、正解。
カカシ先輩とボクに脅された、って言えば、誰にも咎められないよ? さてさて例の小隊は・・・・。
んーーーーーー オッケイ。 よし、5人全員と話をつける! 今から説き伏せましょう、先輩。
あ、予定を変更しといて下さいね? 代わりに剣の国に行くのは、ボク達ふたりだから、よろしく。
「・・・・・・・・・し、仕方ないよな、元暗部の黄金コンビに脅されたら。」
「・・・・・・・・・うん。 仕事は速いし、問題ないと思うし。 な?」
「なにはともあれ、イルカ絡みであのふたりに口出ししない方が無難だよな。」
「うん。 触らぬ神に祟りなし、暗部では常識だし。 ・・・・・暗部では、ね。」
「引っ掛け恐怖の支配、始めて見た・・・・・ 普通にビビっちゃったよ、おれ。」
「・・・・ちょっとだけな、“自家発電か!”って、ツッコミたかったけど。」
「・・・・実はおれも。 “13日の金曜日か!”って、ツッコミたかったけど。」
「あれにツッコミ入れたら、黙殺縛りだろ? 容赦ねーよな、マジで、笑えねぇよ。」
「ねぇ、午後出発予定のサ、剣の国の任務。 腹痛で行けないよネ?」
「え、腹痛ですか? いえ、そんなまさか、健康管理は充分・・・・・」
「もしくは、今から誰かに襲われた、とかでもいいですよ?」
「・・・・・・・えっと・・・ おれはどうすれば??」
「イルカ先生とオレ達の、暗殺新婚旅行に変更するカラv」
「ほら、やっと里も落ち着いてきたでしょう? だからv」
「・・・・・・・・・・・・・・・・腹痛で寝込みます。」
「「ありがとうvv お土産期待してて?」」
よし! あと4人ですよ、先輩! いや〜 皆、察しがよくて助かりますよね? さすが木の葉の上忍!
暗部のメンバーだと、もっと楽なんですけどねー。 さっきのイズモ&コテツコンビのように。
正規の中忍や下忍だと・・・・ てか、他国の暗殺任務に、中忍や下忍を入れるはずないですけど!
ん? でもイルカ先生は・・・・ 何ででしょう?? まあいいや、とにかく自主的に辞退の方向で!
「・・・・・・なんだと!? 全員が腹痛?! なにをやっとるんだ、アイツらは!!」
「はっ! どうしました綱手様、問題ですか?!」
「五代目、ボク達なら今すぐに動けますよ?!」
「・・・・・・・・ワザとらしく待機してると思ったら・・・・。 お前らか!」
「「なんのことでしょうか?」」
「・・・・・・・・まあ、いいだろう。 だが上手くやって来いよ? お前らは目立ち過ぎる。」
「「??」」
「さすがに聞いていなかったか。 今回は表向き、イベントコーディネーターだ。」
「イベント??」 「コーディネーター??」
「剣の国の若き王、昴殿下の生誕セレモニーを演出する、大陸屈指のチームという事になってる。」
「「・・・・・・・変装して行くんですか??」」
「ああ。 誰にも真相を知られる訳にはいかん。 依頼人たっての頼みだ。」
「「依頼人の希望に沿う様に、極力努力します。」」
「・・・・・里も落ち着いて来た。 慰安旅行だと思ってゆっくりしてこい。」
「「五代目っ!! 里の為に、これからも尽くしますっっ!!」」
「ちっ! 手回しのイイ奴らめ! アイツに・・・・ アカデミー長に似たな?」
「「あはははは! それはもう。 バッチリ、鍛えられましたから。」」
「ハ・・・ ハックシュンッ!!」
「アカデミー長、御風邪ですか? 俺、これから任務なんで、うつさないで下さいね?」
「・・・・そこは、お体を大切にして下さいね、だろ。 イルカ先生。」
「あははは! つい。 セクハラのお返しがしたかったもので。」
「・・・・・13年も前の事だぞ?! とっくに時効だろ。」
「俺にとっては半月前ですから。 アカデミー長がまさか前部隊長だったなんて・・・・。」
「はははは・・・・ 前部隊長はカカシ。 おれは前々部隊長。」
「そうですね。 そして今はテンゾウさん。 ・・・・俺、皆に会えて幸せです。」
「・・・・・“チュー印ガム”で遊んでるアホ三号。 一号と二号の事、頼むな?」
「!!!! ま、まさか・・・・・・ なんで知って・・・・??」
「ははは! おれも貰ったんだよ、実は。 あれ結構、楽しいな?」
「・・・・・では。 アカデミー長もアホ四号という事で。」
「はははは! 違いない!!」