心にいつも太陽を 12
@AB
CDE
FGH
IJL
M
先輩もボクも暗殺任務が入ってて、それぞれ部下を2人と3人、連れて行く予定だった。 ・・・・予定変更だ。
ちょっと甘いかもしれないけど、全員でボクの担当だった暗殺任務に行かせよう。 5人もいれば充分。
当然カカシ先輩の担当する暗殺任務は、今からボクとツーマンセルだ。 そして、一日で終わらせる。
これもボク達の特権。 火影様が勅命を出す時を除いて、暗部に来た依頼は、ボク達に編制が任されている。
「ジンを隊長、ハスナが副長。 それだけいれば2〜3日で殲滅出来るでショ?」
「今回はいつも頑張ってる君達に、ボーナス任務だよ。 二人の指示には従うように。」
「「「はいっ!!!」」」
「・・・・・・ねえ、ジン。 部隊長と補佐、薔薇色のチャクラしてるように感じるのは、私だけ?」
「・・・・・・いや。 明らかに浮かれている。 ここ最近のイライラが解消されたんだろう。」
ほんのり程度の酒の酔いなんか吹っ飛んだ。 コイツらを始末すれば羽多宵に会える、そう思えば足も弾む。
しつこいようだけどこれは酔ってないよ、ウキウキ気分なんだ。 最近はアンダーの消費が激しかった。
応援を頼まれてもいないのに、勝手に隊員の支援に行って、それを必要以上に細切れにしたり、色々と。
元々黒のアンダーは血染みが目立たない様に、なんだけど。 搾れるほど返り血を浴びたら臭いが、ね。
「今日のボク達は機嫌が良いから、一瞬であの世へ送ってあげます。」
「い、いつの間に・・・・・ がはっっ!!!」
「今日は着替え持ってきてないから。 よかったネ、ラッキーだヨ?」
「き・・・・ 奇襲・・・・ だ・・・・・ ごふっっ!!」
「補佐、挟み撃ちでケリをつけるぞ、向こうへ回れっ!」
「ひとりも逃がしません、了解です、部隊長っ!!」
三代目の言った事は正しかった。 心から欲しい者が出来て手に入れた時、もっと強くなるって。
今なら封印されてる尾獣が暴れても、バッチリ封印し直す自信があるよ。 もちろんそんな気がするだけ。
実際に尾獣の封印が解けたら大変なことになる。 人間って、案外気分屋なんだね、っていう話。
え? まだ手に入れてないだって? そんなの関係ない! あははは、もうウキウキ・ルンルンだ!
だってね、房術使いはヤればわかるから。 ボク達の生きてきた道も、どんなに惚れて渇望してるかも。
あの羽多宵の目が忍びの目なら。 ボク達と一緒に生きてくれるはずだ。 忍びである限りずっと。
・・・・・・これ誰?? いや、さっきまで確かに羽多宵だった。 緒方さんの任務を代行しに来たけど。
一緒に同行して、緒方さんの代わりをするつもりなんだけど。 とっとと着替えに戻ったうみの中忍。
ものの10分ぐらいで戻って来たら、後腐れなさそうな、イイ感じの陰間に。 “シン”だそうだ。
「・・・・・髪の毛半分結ってるネ。 銀のかんざしもイイ感じ。」
「あ、コレ、暗器なんですよ。 特製です!」
「・・・・・その羽織の下は・・・・サテン生地? ツルツルの??」
「ええ。 滑りやすくて直しやすいでしょ? 楽なんですよ。」
「「・・・・へー。」」
羽多宵と違って、清楚な雰囲気はまるで感じない。 ただ・・・・ つい手を出したくなる感じは同じ。
悪戯っぽい目をして、相手を誘うんだろう。 軽く遊べる陰間のシン、コレも抱いてみたい・・・・。
結局ボクらはうみの中忍なら何でもいいらしい。 ははは、惚れてるって・・・・ 怖いね?
「シンが手に入れた情報を受け取って、狩ってくれ。 あと、首は必ず元締めに。」
「・・・・了解。 バカだネー。 “ベガス”でイカサマやったんだ?」
「ははは、元締めは扉間様の時代の元暗部部隊長だからな。 間違いなく他里の忍びだろ?」
「この国の裏事情を知らない、どっかの馬鹿一味。 その命で、償ってもらいましょうか。」
「じゃあ、おれは帰るから。 ・・・・・シン、あんまり挑発すんなよ?」
「?? はあ。 ・・・・あ! 暗部がついてるからリラックスしろ、ってことですね?」
「「・・・・・・・情報搾取、ヨロシクね?」」
「はいっ! 任せといて下さいっ!」
周りには、賭場で儲けた上客を逃すまいと、売りモノ達がハイエナのような目で客を物色している。
ベガスの営業時間は朝5時まで。 ソコからホクホクで出てくるだろう、自分の獲物を待ちかまえるシン。
ロリポップキャンディーを口に入れてはモゴモゴとさせ、口から出してはチロチロと舌で舐めながら。
人を待ってるから、と声をかけられては売約済みをアピールして、寄ってくる男を追い払っていた。
シンの口角が微かに緩む。 ボク達のターゲットと組んでるらしい商家の坊っちゃんを見つけたんだ。
潜入部隊 傾国の潜入員 葵ユキジの愛弟子。 いってらっしゃい、うみの中忍。 お手並み拝見です。