心にいつも太陽を 6   @AB CDF GHI JKL M




どうも最近、ボーっとしてるらしい。 あ、任務中じゃないよ? もちろん終わってから。
この前も隊員が、ボクの目の前で手を左右に動かしてた。 軽く親指を逆向きにしてやったら、
ギブギブって言いながら、どっかに分身を飛ばしてるのかと思いました、って言い訳してたっけ。

「溜まってんのかな・・・・・ 遊びに行ってこよう、溜めるのは体によくないしね。」

陰間ってどうかな? 女体が大好きなんだけど、後学の為に、一度は経験しておく方が良いのかも。
ないと思うけど、戦場慰安支援で陰間しか都合つかなかった、とか。 ないと思うけどあるかもしれない。
そうなったら、あっちは仕事で来てるのに追いかえすのは可哀想だし・・・・ 絶対ないと思うけど。

「食わず嫌いしないで、何事も経験かな・・・・ 何が起こるかわかんないし・・・・・。」

あの娼夫、羽多宵に頼むのはどうだろう。 口が堅そうだし。 木の葉の暗部だからと構えないはずだ。
・・・・・は???? なんでソコにいくかな、ボクは。 羽多宵は今、関係ないだろ。 まったく。
最近ボーっとしてる、なんて言われる時は、あの高級娼夫を思い出してる時、だったりするんだよね。
あんな目をした売りモノ、初めて見た。 女体大好物のボクが、勉強したくなったのもそのせいだ。

「いっそどっかの娼館に入って聞いてみるか、羽多宵の事。 いくら出せば来てくれるのかな。」







興味のないボクでも知ってる娼館に来た。 火の国の花街で、デリヘル専門の窓口になってる娼館。
ここなら男・女関係ない。 コアな趣味に応じた対応をしてくれるらしく、一番有名だ。
本来ならデリヘルなんてお断りだ。 頼んで来てもらうなんて冗談じゃない、ヌクだけなのに。
お金払ってるのに、なんで頭まで下げなきゃならないんだ、バカじゃないのか・・・・って思ってた。

「すみません、ちょっと聞きたいんですが・・・・  え?!」

私服で面もとってるし、気配も抑えてる。 ボクが声をかけなければ、誰もボクに気付かないはず。
なのに肩を叩かれた。 ギョッとして距離を取ったら・・・・・・ カカシ先輩がいた。
もう、吃驚させないで下さいよ、危うく殺気が漏れるとこだったじゃないですか・・・・。 でも。
悔しいかなカカシ先輩なら、例えボクが気配を抑えたとしても、気付くのは当たり前。 暗部の長だ。

「ヨ。 珍しいトコにいるネ、テンゾウ。」
「ははは・・・・ まあ。 先輩こそ。」
「「・・・・・・。」」

カカシ先輩も面をとって私服で来てる。 しかも完璧に気配を消して。 先輩もボクも、見た目が良い。
これは自慢じゃなくて、事実。 特に先輩なんか、黒の眼帯してるからミステリアスな雰囲気バリバリ。
もし気配を抑えなかったら、どうでもいい女が群がって来て大変なんだよ。 いつも気配を抑えて行動する。
花街ではこっちから声をかけない限り、一般人やほとんどの忍びが、ボク達の存在を認識できないんだ。

「・・・・・気配、完璧に殺してますね・・・・ まさか潜入任務、とか?」
「なワケないでショ。 任務なら、そんなめんどくさいコトしなーいヨ。」
「「・・・・・・。」」

任務じゃないなら気配を抑えるだけで、殺す必要はないと思いますが。 ・・・・・・・まさかね。
まさかとは思うけど、先輩もボクと同じ理由で此処に来たとしたら? 羽多宵の仲介を頼もうと。
カカシ先輩は、ボク以上に女体好きなヒトだ。 “七並べ”って言って、七人の女を壁に向けて並べる。
それぞれに尻を突き出させて、影分身で一斉に突っ込んで楽しむそうだ。 元に戻った時が最高らしい。

「だいぶ前、七並べは飽きた、って聞いたんですけど。 新しい遊びですか??」
「・・・・・コマキちゃんにサ、ヌイてもらおうと思ったんだけどネ。」
「まさか先輩が待たされた?? そんなことないでしょう、お得意様だし。」
「んー 《イカせてあげる》には寄ってないのヨ、店の前まで行ったんだけどネ。」

最近のカカシ先輩の一押しは《イカせてあげる》の手コキサービス。 中でもコマキちゃんは上手だ。
別料金を支払えば、本番もOKの店。 ガラス越しに顔が拝めるから、良心的でハズレがないヘルスだ。
ヌイてる手元を見せるから、ズルができないようになってる。 ガラス張りっていうのはポイント高い。
商売柄、急所をさらす訳だから気を付けてる。 ヘンな気起こしたら、すぐに殺せるからね。

「・・・・・・ボクは後学の為に、一度は男も体験しとかないと・・・・ なんて。」
「ア、ウン。 オレも同じ。 食わず嫌いしないで一回ぐらい試そうか、なんてネ。」
「「・・・・・・・・。」」

はははは。 カカシ先輩も同じか。 女体好きのボク達にこんな興味を抱かせるなんて。
あの高級娼夫は超一流なんじゃないのか、ひょっとして。 先輩とボクは仲良く尋ねる事にした。

「「おばちゃん!! 羽多宵って、いくら?」」