くノ一の男 11
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煌々の里の刺客に接触して、木の葉の忍びへの繋ぎをとるように仕向ける事。 俺の役目は果たした。
でも槇はただの刺客じゃなく、あの里の暗部だった。 もし俺が木の葉の潜入員である事がバレたら?
どこの里も暗殺戦術特殊部隊の忍びは、一騎当千のエリートと呼ばれている忍び達、俺は瞬殺だよ。
暗部の隊員は・・・・ って正規の上忍もそうだけど、プライドが高いんだ。 自信と誇りがあるから。
自里の忍びなら、それはもう頼りになる忍び。 どんな状況でも打破してくれる感じのカリスマがある。
でも他里の忍びだと“心で笑っていたのか 恥をかかせてくれたな”なんて逆恨みされるかもしれない。
だから最後まで俺は小珠としてお見送りするんだ。 役目を果たしても、しばらくは沖屋に滞在する。
槇さんが木の葉にいる煌々の里の赤ん坊を手に入れて、クノイチを殺して自里に帰るまで。
・・・・と思っていたら、煌々の里からの式が来た。 それからしばらくしてウチの暗部の二人も。
俺は里との一切の連絡を断ってる。 こんな忍びの隙を見て式を飛ばすなんて、まず不可能だろ?
でも正確な情報源がある、暗部の二人だ。 木の葉の上忍達と他里の暗部のやり取りを見れてればね。
おのずと今の状況や、水面下で動いただろうたくさんの事柄が見えて来る。 安心して潜ってられた。
どうやら無事に両里間で話が纏まった様だ。 俺もそろそろ戦場から離脱する頃・・・・・ だな。
まさかこんなおイタをされるとは思わなかった。 あっという間に自里に戻るだろうと思っていたのに。
小珠をチョイチョイと呼んだ槇さんは、なんでしょうか・・・ とかがんだ俺を自分の前に座らせた。
後ろから腕を回し、小珠の着物の裾から手を入れて、俺のモノにちょっかいをかけ始めたんだ。
はっきり小珠の表情が見える様に、片手で俺の顎をすくい、暗部二人に顔を向けた。 ・・・・もう、最悪!
「ぁ・・・・ ぁ・・・・ や・・ っっ・・・・ ぅぅ・・・・・・」
多少のおさわり系はスルー。 だって俺は沖屋の陰間だ、しかもいらない褒美までもらった小珠ちゃん。
忍びに抱かれるのが今は怖いんです・・・・・ って、ピルピル怯えてたのを勝手に克服させられたんだ。
余計な事しなくていいんだよ! そこまでギブ&テイクにこだわる必要ないだろ! って思ったよ、正直。
もっと色狂いの奴だったら速攻襲って来て、俺も夢中で抵抗するフリして噛みついたり出来たけどな・・・
三代目特製のこの睡眠針。 今迄幾度となく、俺のピンチを救ってくれたありがたい針だったのに・・・・
キスがてら、噛みつきがてら、体のありとあらゆる場所に打ちこめる、そんな俺の自慢の舌技が・・・・
無効化された。 顎を固定されてるのにどうやって針を打ち込む? そんなの出来るか! な状態だ。
この睡眠針を打ち込まれた相手は夢の中へ。 三代目が、俺達 潜入員用に作ってくれた極細の仕込針。
仕込は淫行催眠剤、お望みのままの夢が見れる。 ちなみに夢精した精液は、処理しなくちゃならない。
でないと、スッキリしてないのがばれちゃう。 テッシュ箱持って、待ち構えてるだけなんだけどね。
この仕込針の凄い所はそれだけじゃない。 相手のチャクラによる追効果付きだから、絶対にバレない。
例えば、相手が夢の中で俺にキスマークをつけたとするだろ? 夢と同じ場所に、俺の体に痕がつく。
相手のチャクラが現実の俺にイメージを伝えて来るんだ。 でも思考そのモノを伝える訳じゃない。
頭の中の思考を実行させる事・・・ ようは、相手のチャクラを借りて幻術を誘発させる、って事なんだ。
ポルノじみた映像は流れてこないし、体感もない。 身体に攻撃した、と分類されて俺に痕が付くだけ。
まあそれはそれで、色々想像出来るから面白い。 あんた、一体どんな抱き方してんの?! って。
槇さんはほとんど痕をつけなかった、綺麗なもんだったよ。 あ、一個だけ腰についてたな、確か。
そりゃ、槇さんの頭の中でどうだったかは分からないけど・・・ 何が、イイ顔するだろ? だ!
ウチの暗部の司令塔の前で! この二人は黄金コンビとまで言われてる、暗部のトップツーなんだぞ?!
なのに・・・・・ ?? あれ? なんか・・・・・ いつもの軽いノリじゃない。 ・・・悲しそう??
「ふ、ぅっ・・・ ぁ・・・・ ん・・・ ま・・ き・・・ 行かないで んん・・・・」
・・・・・・とりあえず、槇さんにお別れのキスをしてもらおう。 んー。 せめてもの反撃をする!
ちょっとだけ針で撫でておいた。 眠りはしないが、後からジワジワ効果が表れるはずだ。 何かって?
フラッシュバックの様に、小珠とお楽しみの記憶が甦って起つんだよ、俺の予想は里に着くぐらいかな。
里長の前で赤ん坊の入った封印の巻物を開いた時・・・・ ってのが第一希望。 ざまーみろ!
頭の中にはクノイチを送り込んだ里の殲滅の事しかないんだろう。 実に見事な消えっぷりだった。
・・・・・あの。 どうしたんですか? どうしてそんなに悲しそうなんです? 任務は終了しましたよ?
俺、気になっちゃって・・・・ だって俺の知ってるお二人は、もっと楽しそうで・・・・ って。
暗部の部隊長と補佐に対して“知ってる”だなんて軽々しく言ってすみません。 でもね、ほんと・・・
俺まで悲しくなっちゃいますよ・・・ ね? もっとイキイキと・・・ いやらしい顔してたでしょう?
「「ちょっと、海野中忍っ!! イキイキといやらしい顔って、なに?!」」
「あはは! コイツ、剥いてやりたい・・・・ って顔です。」
「「・・・・・・・・・・・・ぅ。」」
「・・・・・・・?? 正解?!」
「「・・・・・・っ!!」」
「・・・・・・すみません、俺・・・・ 無神経でしたね・・・・」
「「・・・・・・別に・・・・ その、任務だったし・・・・・」」
「・・・・・・この妙な間は・・・・。 本気ですね??」
「「うん、本気。」」
てっきり、やった事のない猿芝居が楽しいのかと・・・・ あの熱の籠った目は・・・・ 本物だったのか。
里はおろか、他里でその名を知らない者はいないほどの忍び達なのに。 そんな二人が俺を望むなら。
・・・・・いいですよ。 剥いてみます? たくさん他人の手垢のついた男ですが。 それでも良かったら。