お人好しの忍び 13   @AB CDE FGH IJK M




あ・・・・ 帰って来たましたよ、先輩! 先生がいなかった三日間はなんとも言えない怒りが・・・・
今までこんなの、体験した事なかったですよね? ビックリです。 きっとあれですよ、シズネさん。
先生と年の近い女性が一緒・・・・ それだけでこんなにムカムカするんです、彼女に罪はないのに。
イルカ先生との仕事の話も、口にすら出して欲しくないですよ。 てか、うろつかないで欲しいです。

「あ! カカシさん! ヤマトさん! これから任務ですか?! 入れ違い?! ただいまです!」
「お帰り、イルカ先生・・・・・ とサクラとイノと・・・・ あとその他一名。」
「イルカ先生お帰りなさい、下忍のクノイチもお帰り! ついでにあなたもね。」

ついでにその他一名も戻りました〜 なんて。 あははは・・・・ はぁ・・・」
「「・・・・・・た、ただいま戻りました。 (シ、シズネ先輩、ガンバッ!!) 」」

「ん・・・・・ は、ぁ・・・ ちょ・・・ サクラ達が・・・・ んん・・・・」
「「ん・・・・ 先生のぬくもりが恋しかった、お帰り・・・ チュ、ちゅ!」」
「「「・・・・・・・。」」」

ふふ、イルカ先生はね、ストレートに求めると拒絶できないんだよ。 これはマシラで立証済み。
ボク達が気持ちを込めて接すれば接するほど、その気持ちに応えようとして受け止めてくれる。
今もね、淋しかった、会いたかった、先生が大好き、その気持ちを感じ取って応えてくれるんだ。

綱手様の秘書が一緒だったから問題ないですよね? 報告書はお任せします。 ボク達忙しいんですよ。
先生の帰還の知らせを受けたから、少しでも早く顔を見て一緒にいたいんです、忙しいですから。
今色々な所から戦いを仕掛けられてますからね、カカシ先輩にも応援を頼んでいるんです、復活ですよ。
え、なにが復活かって? 決まってるじゃないですか、暗部の旧黄金コンビです。 先輩とボクの。

先輩の暗部への復帰は、他里の連中に圧力をかけられますからね、里の内部にも睨みをきかせられます。
まあ、そんなこんなでむちゃくちゃ忙しい訳ですよ。 だから少しの余暇も無駄にしたくないんです。
人の心を忘れるぐらい殺しまくるボク達にとって、イルカ先生は心に温かさを入れてくれる人なんですよ。

「「ちゅ! チュ! んーーーー 補充・・・・・」」
「・・・・・・ぅん・・・・ 補充・・・ ん、出来まし・・・・た?」
「「もちろん! さ、帰ろ?」」
「あ・・・。 じゃ、お先に・・・・・ サクラ、イノ、シズネさん、また!」

「あ、邪魔しないでネ? 先生んトコに遊びに来たら、サクラとイノでも千年殺しだーヨ?」
「「 は、はいっっ!! 」」
「聞いてましたよね、シズネさん。 ボク達は報告書を出しておいてくれと言ったんですよ?」
あ、あひぃ〜!! リ、了解ですぅ!!

「「「 お、お疲れさまでしたっっ!!! 」」」

ふふふ、勘の良い人で助かった。 きっと必要以上にイルカ先生の周りをウロウロしないだろうな。
それにサクラやイノも。 さすが先輩の教え子ですね、それとイルカ先生の。 理解力って大事だよ?
上忍待機所で牽制した上忍達に、勝るとも劣らない対応だね、その調子で皆に広めてくれる?
イルカ先生にはボク達がいるから、ヘンなちょっかいをかける気なら命懸けで来い、って。

ナルトが旅立ってから先生を独占して舞い上がったけど、今度は不意の喪失感に見舞われる事になった。
イルカ先生を誰かに盗られちゃうんじゃないかって。 どこのヤキモチ焼きの子供だよこれ、って感じ。
抱いても抱いても抱き足りない。 いっそ全部食べて、人間をやめてしまおうかと思うぐらいだよ。

こんな感情がどこに眠っていたんだろうね、自分で自分が怖くなるよ。 ボクは大蛇丸の実験体だから?
ひょっとして始めから、人間ですらないのかも? そう思った時、カカシ先輩が震えた声で言った。
このままじゃ先生を殺しちゃいそう、って。 先輩もボクと同じ思いを抱えていたんだって分かった。
だからボクもその気持ちを打ち明けた。 そうしたら・・・・ 先生を殺さない限り人でいれる、って。

ナルト、人柱力でその身に尾獣チャクラを宿している君の方が、ボク達よりずっと人間っぽいよ。
ボク達も、もっと早くイルカ先生と知り合えていたら・・・・ 君のようになれたかな・・・・・。
・・・・・でももう、先生はボク達のモノだから。 後から返してって言っても絶対返さないからね?




「イノ・・・・ 私・・・・・ あんなカカシ先生の目、初めて見た・・・・ 怖かった・・・・」
「サ、サクラはまだいいわよ! 私なんか心転身の術で先生の記憶覗いちゃったんだからっ!!」
「イルカ先生には悪いけど、今後火影室への出入りはなるべく遠慮してもらうわ、あの“気”は勘弁。」
「「・・・・・・シズネ先輩・・・・ ガンバッッ!! 」」

「でも書類整理の苦手な綱手様の為に、誰か中忍のサポートが必要なのよ、切実に・・・・」
「シズネ先輩も医療班の指揮で忙しいですしね・・・・ 誰か・・・・ あ! さっきの門番!!」
「ナイス、イノ! そうよっ! イズモさんとコテツさんなら・・・・ 息もピッタリだし・・・」
「二人の推薦ね? わかった! 綱手様に進言してみるわ、ありがとう!」



「「うおっっ!!! 突然 寒気がっっ!!」」

「ん? コテツ、お前も??」
「・・・・ってことは、イズモも??」
「「 ・・・・・・何かいや〜な予感がする・・・・・ 」」