お人好しの忍び 4   @AB DEF GHI JKL M




おかげさまで。 毎日毎日充実した日々を送っている。 今までの倍の速さで任務をこなし帰還。
少しでも早くイルカ先生の待っている家に帰りたくてサ。 それはヤマトも一緒、早いのなんの。
なんか、ニンジン目指して快走する馬、って感じ。 どこにも寄り道しないで先生の家に一直線。

あの笑顔で迎えてもらいたい、優しい顔で“お帰りなさい、お怪我はありませんか?”って。
どこの誰に言われても、今まで何も感じなかった。 でも先生に迎えられると嬉しい。 これってサ、
オレ、先生を母親かナニかと勘違いしてるの? って、自分で自分を疑う元になる様な感情だよネ?
でもそうじゃない、分かったんだヨ。 これが生きる時間を共有するコト、愛し愛されるコトだって。

自分のテリトリーに相手を入れる。 オレ達忍びがそれをしたら、弱くなると思っていたケド。
とんでもない、逆だった。 とにかくネ、生きて戻りたい、って思いがハンパなく沸いて来るのヨ。
オレが怪我なんかしたら、イルカ先生がメチャメチャ泣いちゃうでショ?! どうすんのヨ! みたいな。

あのさ、ヤマト。 お前“起ちっぱなし”って・・・・ 経験したコトある? ア、やっぱり?
ンー オレもハジメテ。 ヤー ブッたまげたネ。 そんなの遅漏野郎の戯言かと思ってたヨ。
多分さ、自覚していなかった分、目覚めちゃった今、ドバーッと波が押し寄せているんだと思う。
まいったねぇ。 いくらイルカ先生が忍びで男でも・・・・・・・ へばっちゃうよネ、アレじゃ。

「イルカ先生にこれ以上無理させられないよネ? この前、呼吸止まっちゃったしサ・・・・」
「中忍に影分身プレイは無茶でしたね・・・・ しばらく3pで我慢しますか、順番っこで。」
「二十代後半にもなってこんだけ元気なのって・・・・ どうヨ?」
「ボクも驚きですよ。 砂漠に水をまく感じで・・・・ キリがありません。」

ネー。 あの気持ち良さそうな顔がいけない。 “もっと、もっと”と縋ってくる腕も。
出した後に目が合うと“気持ちイイ”って顔して必ず微笑むイルカ先生。 抑えが効かないヨ。
なんであんなに表情豊かなんだか。 先生、忍びでショ? もう少し忍びなさいヨ、そう思うケド。
あの包み隠さない心と体に溺れる。 気が付いたら殺しちゃってたなんて、シャレになんない。

「オレ達みたいなのが惚れた相手を抱くのってサ・・・・・ 怖いネ?」
「こんなの、今まで想像した事なかったですからね・・・・ 怖いです。」
「アイツ・・・・ マシラが言ってたケド。 先生のニコリの笑顔って・・・・ イイよネー。」
「そうですね、一緒になって笑っちゃいますから。 ・・・で、エンドレスですよ、最悪です。」

そうなんだよネ。 オレも気持ちよかったまだイケる? って目で訴えたら、ニコリ・・・って。
んで、ついヤリ過ぎちゃうっていうか、先生のニコリでまた復活するっていうか。 とにかく危険。
こんなに飢えたセックスした事なかったヨ。 今なら花街中の遊女に顔射できるよオレ、てな具合。
イヤ、そんな気がするだけでイルカ先生以外じゃ起たないケド。 気持ち入りのセックスって怖い。

「どうしよう。 先生抱き殺しちゃったら、オレ立ち直れないヨ・・・・・。」
「ボクもです・・・・ もう少ししたら・・・・ 落ち着くのでしょうか?」
「ヤッパ、恥を忍んで五代目にお願いしてみるか、精力抑制剤を作って下さい、ってサ。」
「その方が無難ですね。 イルカ先生を回復させたら、それこそ一日中ヤっちゃいますよ。」

こう、ちょっと目を潤ませて目尻を下げるんだヨ。 ふ、っと息を吐きながらゆっくりと口角を上げる。
それからオレ達の汗ではりついた髪をかき上げるのヨ、目を見つめながら。 ウガーーってなるよネ?!
なんでそんなに嬉しそうなんだ、なんでそんなに優しく微笑むんだ、って。 で、ガッついちゃうワケ。
確かにオレ達も悪いケド、イルカ先生もダメだよネ? もう無理、って拒絶しないんだもんっっ!!

「「恐るべし、ニコリの誘惑。」」


「・・・・・おい。 アレって一種の牽制か?? イルカとヤッた自慢??」
「多分な。 おれらは証人で、他のヤツらに伝えておけ、って事なんだろうな。」

「まあ、さっき上忍待機所には俺達しかいなかったしな。 ホントなら全員に聞かせたかったのかも。」
「だな。 しゃーねーな。 期待通り、振れ回っておくか、カカシとヤマトの色はイルカだ、って。」

「ビンゴブック級の忍びでも、可愛いトコあんな?」
「てか、俺、イルカがちょっとだけ心配になった。」

「・・・・・・なあ。 マジで精力抑制剤を五代目に頼みに行ったと思うか?」
「・・・・・・ああ、マジっぽかったな。 脂の乗った男盛りの時期に初恋・・・・。」
「「イタイな。」」