灯台下暗し 11
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オレもヤマトも、里の行く末だけを考えて、今まで突っ走って来た。 いつか人柱力の為に、と。
四代目とクシナさんが命懸けで守ったモノを、オレ達残された忍びが受け継がなきゃ、って。
火の国も、この里も、息子のナルトも。 そこに住む全ての人々の為にずっと戦って来た。
んー イルカ先生って・・・・・。 今まではただ、ナルトの前任の監視者、と敬意をはらって来た。
ナルトの精神の安定には、イルカ先生を失うワケにはいかない、それだけを考慮してつき合って来た。
でも、それを抜きにしたら・・・・ 確かにこんな忍びは稀だ。 コイツなかなか目が肥えてるネ。
ナルトがなついた。 サスケが唯一“先生”と呼んだ。 サクラが頭を撫で回されても怒らない。
アカデミー教師だからじゃない、ナルトの前任者だからじゃない。 たとえ男で、忍びであっても。
イルカ先生は、常に全身全霊で相手と向き合う人なんだ。 それは、敵忍も村の子供も同じ。
イルカ先生の、その温かな情が自分だけに向いたら・・・・ こりゃ・・・・ 堕ちるネ。
一度は巻物と共に自決する覚悟をした上忍。 イルカ先生と一緒に死ねるなら本望だと。
でも、目の前でイルカ先生が汚されるコト、それは死ぬより見たくないモノだったんだヨ。
まぁ、まだ突っ込んでなさそうだったから、この作戦でイケる、って踏んだんだケド。
イルカ先生の肩に顎を乗せた時、あ、ココ、オレの居場所だと思った。 落ち着く、って。
ももの内側をなでて、先生の肌を生で感じたら、止まらなくなった。 この先に進みたい、って。
自慢じゃないが暗部を引っ張って来た。 オレもヤマトも、大陸を代表する忍びだと自負している。
そんなオレ達が誰かを触って落ち着いたり、歯止めが利かなくなりそうだったり、あり得ないでショ。
ヤマトなんか、名残惜しそうに、乳首の先をひと舐めしてた。 う〜ん、策士策に溺れる、かナ?
「じゃぁ、オレ達はコレで引き上げるヨ。 早く五代目に知らせたいしネー。」
「約束は守りますよ木の葉は。 あなたの先生はお返しします。 はい、どうぞ?」
「マ、マシラさ・・・・・ぅっっ!!」
「 巻物は渡しただろう! 早く帰れよっ!! エロ木の葉め!! 」
エロ木の葉? 見逃してもらって、それはないでショ? 大事そうに抱きしめちゃって、生意気!
イルカ先生を返す時、なんとなくだけど、手が出ちゃった。 オレとヤマトで片方づつ尻をおさわり。
程よく弾力性があって、しまってたヨ。 硬過ぎず、柔らか過ぎず、イイ感じ。 もう一回触りたい。
あー コレは決定的だネ。 もう一回触りたいなんて、今までどの体にだって思ったコトなかったヨ。
「ケチだねぇ、マシラ上忍は。 ・・・・岩を抜けるなら、早くしなヨ?」
「ここを離れないと、この村に住んでる人全員が・・・・ 危険ですよ?」
「・・・・・わかっている。 明日の朝一で出るつもりだ。」
「「・・・生き残れよ?」」
マシラは、オレ達の問いに力強く頷いた。 噂通り、木の葉は敵にも温情をかけるんだな、と。
それはあくまで噂だヨ。 暗殺の目撃者はその場で殺すし、オレ達ならこの場でコイツを殺してる。
コレはイルカ先生の任務だから。 オレ達は先生の安否確認と、先生の考えに配慮して行動したダケ。
温情型? それはサ、イルカ先生のような忍びのコトだ。 後は先生が、綺麗に別れてくれるヨ。
「マシラさん・・・・・ 俺・・・・ 俺は火の国で何をしたんでしょうか・・・・」
「イルカさんは何もしていない。 何も思い出す事なんてないから、心配しないで?」
「うぅ・・・・・ ごめんなさい、俺のせいで・・・・ ごめんなさい・・・・。」
「やだなぁ。 イルカさんには笑って欲しいのに。 でも明日、この村を出よう?」
ふたりの会話を背中で聞きつつ村を去る。 オレ達はこのまま、鷹丸のいた山の中まで一旦退却。
イルカ先生がマシラとお別れして来たら、山中で合流する。 それまでは待機だ、先に報告しておこう。
巻物を奪還、イルカ先生を無事に保護、これなら先生の体裁も保てるでショ。 恩を売るのも有りだネ。
イルカ先生は敵に疑われて拷問されてたケド、木の葉の忍びだと悟らせなかった、みたいな。 どう?
「土の国でもなく火の国でもない、どこか違う土地に行って、ふたりで暮らそうね。」
「・・・・はい。 うぅっ、うっ・・・・。」
この作戦を利用する、ってイルカ先生は言ってた。 きっとイルカ先生は自殺を装う気だと思うヨ。
自分は何故だか狙われている、この先自分と一緒にいたら、マシラも狙われる。 そんなトコだろう。
そこらへんの川に身投げするか、崖に身投げするかは、わからないケド、マシラの為を思って身を引く。
先生なら、そんなめんどくさい手の込んだコト、しそうだモン。 遺書もサ、用意してあるんじゃない?