灯台下暗し 9   @AB CDE FGI JKL M




三代目が生前教えてくれた。 今の暗部の部隊長と補佐は、ナルトの監視役を兼ねている、と。
カカシさんとは、中忍試験の推薦の事とかで意見が食い違い、納得いくまで話をさせてもらえた。
あの時は・・・・ 『まったく、イルカ先生は過保護なんだから!』そう怒られたっけな。

厳しいけれど、上忍なのに気取らなくて。 すぐに打ち解けたんだ。 いろいろお話してくれた。
その時に、暗部の元部隊長だと教えてもらったし、引き継ぎは補佐にしてきた、とも聞いた。
そうか、そのふたりが、影でナルトを支えていてくれたんだ、そう胸が熱くなったのを覚えている。

マシラの気配が強い。 これは、さすがに俺でも判る。 上忍の・・・・“気”というヤツだ。
ふたりの顔つきが変わった。 俺はこれから、このふたりに殺されかけるらしい。 うっ・・・・
結構・・・・ というか、かなり怖い! 俺、ちょっと本気入って、ビビっていいですか?
みっともなく声が震えたり、体が動かなかったりしても、迫真の演技、って事でお願いします。


「どっかで見たコトあるなー って思ってたケド。 アンタあの時の寺子屋の先生じゃない?」
「・・・・・・・??」
「ちょっと失礼? 髪をこうすると・・・・ あ。 ほんとだ、ウチの拷問部が連れてった先生だ。」
「な、なんの話ですか?! 手当もしました、食事も出しました! もう帰って下さいっ!」

髪の毛を解かれ、耳にかけられた。 この顔の傷は、情報部の記憶操作の印だもんネ、とか言ってる。
そうか、土の国に逃がしたのか、でも偶然って怖いですね・・・・ って、目が怖いんですけど?!
ついジリジリと後退してしまうのは、仕方ないよな? だって、ふたりの殺気がっ! 俺泣きそう。
飛び込んで来たマシラも、上忍の殺気全開で。 うぅ・・・・ 怖くて立っていられないっ!


「イルカさんっっ!! ・・・・木の葉か。 イルカさんから離れろっ!!」
「へー。 その気配は忍びだネ? 岩の上忍・・・ってトコか。 なんでこんな村にいるワケ?」
「しかも一般人の格好までして・・・・ なんか怪しいですね。 なにを隠してるんですか?」

「・・・・・・イルカさんは・・・ 見逃したはずじゃなかったのか?」
「マ・・・・マシ、ラ・・・・さ、ん・・・?!」
「んー でもココで会ったのもナニかの縁でショ。 思い出されちゃ困るからネ。」
「ウチの情報部の記憶操作を信じない訳じゃありませんが。 念には念を、です。」

「ゴメン、イルカさん。 おれは鍛冶屋のマシラじゃない。 おれは・・・・・」
「土の国は岩隠れの里の上忍、でショ? ナニ、お前。 この先生に惚れてんのー?」
「へぇ。 なんでこの村に上忍が潜伏してるのか。 その訳を知りたいですね、ぜひ。」
「!!! くそっ! イルカさんっっ!」

俺の喉元に、ヤマトさんのクナイが突き付けられた。 少しぐらいは覚悟してたけど、血が滲む。
薄皮一枚切っただけ・・・・ って、凄い技だと思うんですけど、これ。 さすが暗部の部隊長。
俺の血がついたクナイを、マシラに見せ付けるようにヤマトさんが舐める。 ぎゃー、怖いっ!


オレ達ふたりと戦って勝ち目あると思う? カカシさんがマシラを見下しながらそう言った。
マシラはやがて悟ったのか、静かに、優しく、俺に語り始めた。 ・・・・イルカさんゴメンね、と。
ここで一緒に死んでくれる? おれイルカさんと一緒なら淋しくない。 おれと逝こう? って。
“そう、死を選ぶんだ? 話したら見逃してあげるつもりだったのに”とカカシさんが近寄って来た。

「マシラさんっ! ・・・・・逃げて! 逃げて下さいっっ!!!」
「別に今すぐ殺してもイイけど・・・・ ふ〜ん 先生、アンタこうして見ると、なかなか。」
「どうせ死ぬなら、楽しませてもらってもいいかな? あなたが仕込んである、この先生に。」
「!!!!! や、やめろっ! イルカさんに触るなっっ!!


あれ? ここは俺がマシラを説得するんじゃ? ヤマトさんが、今クナイで出来た傷に舌を這わせる。
髪を掴んで首を仰け反らせ、性的な動きで。 俺そんなの聞いてませんよ、てか、読んでませんよ?!
マシラにも色々されたけど、でも、まだ未通なんです! カカシさんが俺の背後に回り込み、屈む。
ペタリと座りこんでいた俺の手を後ろで拘束した。 俺の肩に顎をのせ、マシラを肩越しに挑発する。

「見たトコ、そうとう大事な人のようだーネ? そんなにイイの?」
「楽しみだなぁ、ご飯も美味しかったし。 本人も期待できそう。」
「ちょ・・・・ なに、を・・・・・ ん・・・・ ぁっ・・・・」
イルカさんっっ!! やめろ! やめてくれっっ!!!

・・・・まずい。 非常にまずい!! カカシさんの手が着物を割って、ももの内側に入って来た。
ヤマトさんが前身ごろの合わせを力任せに開き、そのまま舌を鎖骨に・・・・ って、どうする俺?!
掘られてはないけど、でも。 いつもヘニョヘニョになっちゃうっ! 仲間に醜態をさらすのか?!


女抱く時には、自分だって色々してたくせに。 される方も気持いいって、男としてまずいよな?
敵でもなんでも、自分の事を大切に思ってくれている人間の温かさは、うっとりするほど気持いい。
そんなことに気付かされた、この9日間だった。 いつもマシラはさりげなく、そっと触れて来た。

このふたりにだけは、そんなこと知られたくなかったのにっ!! うぅ、なんだか泣けて来た。