あなたならどうする? 10   @AB CDE FGH JKL MN




今、ボク達の情人の警護を任されたつもりの、戌班のヒロヤと、ウチの班のコバこと、オコバを見てる。
うみの中忍を見張っているヒロとコバを、任務に出たフリをしてつけたんだよ。 すると忍者アカデミーに。
コバとヒロはなんでか忍者アカデミーの側の樹の上に待機した。 ・・・・ナゼにアカデミー??


あ。 もしかして・・・・ 三代目がコバに言った“うるさい奴ら”って・・・・ アカデミー生の事?!
昨日先輩に言われて、ウチの盛り上ってた三人の口止めに遊郭へ戻ったんだけど、その時に聞いたんだ。
それぞれがグッタリしてる遊女に入れながら、コバが“部隊長の本命”の話をしている途中だった。
三代目にも注意された、とかなんとか。 “あ奴に何かあればうるさい奴らがおるでの”そう言ってたらしい。


もう声も出ないみたいだよ? 濡れないだろうからローション使ってあげた方がよくないか? なんて。
いつもならそう注意してあげるトコロだけど・・・・ てか、意識がないとはいえ、ここで説明?!
まあいい、とにかくまだ遊郭で遊んでくれてて助かった。 盛り上がるネタがあったからなんだろうけど。
はいはい、三人とも、注目! あ、遊女から抜かなくていいから別に。 ハメたままでもOK、気にしない。

ヒロに聞いた話に間違いは無いか確認しに来た。 知っているのは、ヒロとこの三人だけ・・・・ だよね?
ヒロにも言ったけど、怒らないから事の詳細を全部知りたいんだ。 クノイチ達にも、仕返ししないから。
ボクがそう言うとコバは・・・・ っていうか三人は、ニュルンと遊女からブツを抜き駆け寄ってきた。

「・・・・・あー 取り合えずしまっとこう? 急所だし。 ね?」
「「「はいっ! 部隊長っ!!」」」


・・・・あんなに頑なに情人を否定してたボクが、打ち明けてくれたと思ったんだろう。 妙に嬉しそうだ。
てか、オコバ・・・・・。 お前ら二人して、まんまと中忍に騙されてるんじゃないよ。 読み過ぎなんだよ!
まあ、さっきの話が本当なら、そう勘違いしちゃうよね。 しかも三代目の言葉もあるなら疑う余地はない。

「ボク達そんなに“うるさい奴ら”なのかな・・・・ 結構上手に隠してたつもりなんだけど。」
「ははは、三代目には隠さないですむから、その反動じゃないですか? いろいろ注文つけてたり!」
「オレもね、いっつも部隊長は中出ししないからおかしいな、って思ってたんですよ、実は!」
「だろ? 部隊長が中に出すのは、うみの中忍だけなんですよねー? やー ラブラブですねv」

・・・・・ははは。 そういう風に解釈した訳か。 でもなんで三代目はそんな事を言ったんだろう・・・?
― なんとイルカが?! あ奴に何かあればうるさい奴らがおるでの。 全く世話を焼かせおって ―
コバが中和剤を取りに里に戻った時、状況を説明したら、三代目がこう言ったらしい。 なんの謎かけ?!


ひよっとしてうみの中忍は、本当に誰かの情人なのかも。 三代目が気を遣うほどの・・・・ 野郎達の。
欲情したクノイチの所に行かせても女では満足できない男なら間違いは起こらない、ヒロもそう予想したし。
でもソイツらは暗部より弱いただの上忍で、それでコバ達を制止できる上司の名前を出したのかもしれない。
ボク達の名前と三代目のそういう意味深な言葉で・・・・ コバ達は完全に信じちゃったんだよな・・・

部隊の皆を信頼してない訳じゃない、情人の安全の為に。 ここにいる三人の胸だけに秘めておいてほしい。
そう言ってみたら、エライ感激したコバ達が突進して来た。 ・・・・さっきブツをしまわせてよかったよ・・・。
まあ、ヒロもコバも・・・・ 頭良すぎてお馬鹿だけど・・・ これってやっぱり慕われちゃってるんだよね?



うみの中忍がどっかの野郎達の情人説はこれで崩れた。 まあ、どっちでもいいんだけど、そんな事。
部下が騙されちゃったのが悔しいだけ。 それにこの先、まだそのおいしい立場を利用するかもしれない。
暗部の隊員を中忍ごときがアゴで使うなど言語道断。 ヤツがどういうつもりなのかハッキリさせてやる。


・・・・・カカシ先輩。 うみの中忍は、どうやらアカデミーの先生ですよ。 うるさいのは生徒だったんです。
ほら。 コバ達の目線が・・・・・ あの教師に・・・・・ はぁ?! ちょ・・・ 何やってんだ、お前ら!
暗部が日中堂々とアカデミーの中に・・・・・ 駄目だろう! いや、例え変化していても、だ!

ボク達が見つめる先で、コバ達は子供に変化して、アカデミー生に紛れた。 そして男の元に走って行く。
コバとヒロを見つけたその男は、かがんで小さいふたつの体を受け止めた。 ふたりの内緒話を聞きながら。
途端に吃驚したような表情になった男・・・・ いや、自称ボク達の情人うみの中忍の口元は、確かにこう動いた。

“オコバさん?! ヒロヤさんなんですか?! わ! 凄い、全然気付かなかったです、さすがですね!”って。

「・・・・・さっき先輩が予想した通りみたいですね。 名前まで教えちゃってますよ、二人とも。」
「・・・・・だネ。 もしかして・・・・ 言われるまでもなく自主的に警護しちゃったり・・・・ とか?」
「有り得ますね。 知ってるのは自分達だけだから、少しでもボク達の為に、とか思ったら。」
「でも懐き過ぎでショ。 もしヒロ達がいいように・・・・ コキ使われちゃってたら・・・・」

「「許すまじ、中忍!! 特Sランク同行決定!!」」