あなたならどうする? 9   @AB CDE FGI JKL MN




「「・・・・・・・・。 (間者じゃないのか・・・・) 」」

・・・・・・・チョト待て。 ナニか。 その、うみの中忍は男なのかっ! ・・・・・テメー ヒロッ!
お前、可愛がってもらってる恩を変化球で受け止めやがって! 中忍にコロリと騙されてんじゃないヨッ!
開いた口が塞がらないとはこのコトだ、オレ達のどこをどうみたら雄が情人だなんて話に納得するワケ?!
どう聞いても、性欲モリモリの暗部にヤラれたくない一心で、苦し紛れについた中忍の嘘でショ?!


「うみの中忍の怪我は予想外だったんですっ!! だからクノイチ達を責めないでやって下さいっ!」
「「・・・・・・あー うん。」」
「美味しそうだと思ったのは最初だけですっ!! おれ、ちゃんと介抱してましたっ! ほんとです!!」
「「・・・・・・あー 信じるから、うん。」」

だからサ、そんな必死になって言い訳しなくてもお前は騙されちゃってんのヨ、そのうみの中忍に!
って言ったら間違いなく単独特Sランク志願するな、ヒロのヤツ。 どうよ、テンゾウ。 オコバもこう?
・・・・・・・・あ、そう。 一致団結しちゃったのは、恩返しのつもりなの。 なら同じく特S志願しちゃうネ。
ここまで慕われてて嬉しいっちゃ、嬉しい・・・・けどネ? もっと裏の裏を読もうヨ・・・ 暗部でショ?


「部隊長・・・・・ ありがとうございますっ! おれらも全面的に協力しますからっ!」
「「・・・・・何を??」」
「決まってるじゃないですか! 部隊長達の情人を守るんですよっ! 敵に利用はさせませんっっ!!」
「「・・・・・うん。 頑張って?」」
「はいっっ!!」

ナンなのヨ、その良い子の返事と“どんなことがあっても秘密と情人は守りますから!”的な目は。
わかったヒロ、お前サ・・・・ 裏の裏を深読みし過ぎて墓穴を掘ったネ? メチャクチャ考え過ぎたんでショ。
暗部って、時々そういうコトがあんのヨ。 無駄に優秀な頭脳が・・・・ いや、無駄じゃないか。 とにかく。
一つの物事を超深読みし過ぎて、いらない誤解を招く時もある。 コレがまさにソレ。 こりゃまいったネ!

テンゾウ、お前んトコのオコバとその他二名。 ちゃんと口止めしておけヨ? オレんトコはヒロだけだから。
・・・・・・男か、よりによって。 どんな女かと思ったよ。 ・・・・このままってワケにはいかないよネ?
だってオレ達の部下の忠誠心を利用したんだから。 ちょっと躾の悪い犬に噛まれたと思えばよかったのに!

「・・・・・ま、瀬戸際だった・・・ ってコトか。 盾に使っちゃったんだネ、オレ達のコトを。」
「・・・・・ですね。 考えに考えたんでしょうね、このままだとヤラれちゃうから、って。」
「うみの中忍を・・・・ 責めないであげて下さい、つい口が滑ったんですよ。」

「「・・・・・・ははは、うん、そうだね?」」

なけなしの知恵を振り絞って、自分の出来る最大限の努力をして回避した・・・・・ と思ってあげまショ?
でも部下を騙したツケはキッチリ払ってもらう。 オレ達ネ、部下から尊敬されまくってんのヨ、これでも。
だから当然、瀬戸際中忍の嘘にまんまと騙されちゃったおバカな部下でも、慕ってくれてるから可愛いワケ。
どんなお仕置きがイイかなテンゾウ。 尻を死守する為に、真面目で可愛い部下を騙した自称情人にはサ?



「ヒロ! 昨日は急に呼び出して悪かったネ? 今からオレ達、ツーマンセルで特S任務だから。」
「ボク達のいない間、情人の周辺監視を頼むね? 今まではどっちかがやってたんだけど・・・・」
「!! 部隊長・・・・ 猫部隊長っ!! はいっ! もちろんですっっ!! コバと手分けしますっ!」

「お前達なら安心して任せられるからネ。 部隊長が二人でショ? 仕事もはかどっちゃうヨー ホント。」
「お役に立てて嬉しいですっ! でも両部隊の皆に知らせた方が、より完璧に近辺監視が出来るんじゃ??」
「ヒロヤ、気持ちは嬉しいけど。 暗部の中でも特にボク達が信用している部下でないと・・・ ね?」
「・・・・・わかりました。 ほんと良い人だし・・・・ あっ!! ヘンな意味じゃありませんからっ!!」
「「・・・・・・分かってるよ、ははは・・・・・・。」」


どうやら自称情人のうみの中忍は、良い人らしい。 おーおー 私用命令なのに燃えちゃって、まぁ・・・・
テンゾウと二人の特Sランクは全くのデタラメ。 オレ達の留守中、情人の警護を頼まれた部下にしてみた。
そうすればヒロは偽情人を見張る。 ヘー 仲良く騙されたオコバと一緒に、近辺監視をするらしいヨ?

何気に仲イイのネ、お前ら。 ・・・・知ってはいけない秘密を知った者同士・・・・って感じ??
戌猫両部隊長が今迄内緒にしていた情人を知ってしまった・・・ と思い込まされちゃったんだもんネ?
“王様の耳はロバの耳”か。 そりゃ、意気投合もするよネ。 でもこの感じは・・・・・ ??
なあ、テンゾウ。 コイツらひょっとして、あれ以降に自称情人と接触してるんじゃないの?

だって“良い人”とか“可哀想”とか。 一回介抱しただけじゃ分かんないよネ、そんなコトまで。
・・・・・は? オコバ?? オコバが三代目に何か言われたの?! だからここまで信じ込んだんだ?
昨日あれから猫班の三人に口止めに行って・・・・・??  ・・・・もう! 全く深読みし過ぎ、お前らっ!!