あなたならどうする? 2
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今日は結構気分がイイの。 なんでかって言うと、やっとうるさいコバエがいなくなったから。
なーにが、“戌部隊長様ぁ〜v” だ。 でもさすが箱入り娘ちゃん、眼球を見ただけで失神しちゃった。
フフフ。 あの時の真っ白な顔・・・・ 血の気が引いていく様が、まるで絵に描いた様で面白かったヨ。
一体オレ達 暗殺戦術特殊部隊に、ナニを求めてんだか。 もう少し親父さんを見習った方がイイよネ。
あのお姫様の親父さん・・・ 火の国ではわりと非情で有名な大名。 ま、娘にだけは甘ーいパパってヤツ。
その大名が一ヶ月ほど前、外交へ行ったんだケド、その時の裏の護衛として暗部の戌部隊が就いたのヨ。
火の国の有名な大名の首は、他国では狩りの対象。 だから、いろんな里からわんさか忍びが暗殺にくる。
そういうヒマな忍びを返り討にするのが任務。 結局火の国に戻って来るまでに、16人の忍びを葬った。
もちろん全部、表向きは分かんないように狩ったヨ? 相手は陰でコソコソ動き回るんだモン、お互いさま。
自分を暗殺しに来たヤツの頭蓋骨で杯を作るのが趣味らしいから、わりと綺麗な首を一つ選んで献上したの。
そしたらサ、“こんなに傷が少ない頭部は久しぶりだ” とかなんとか大喜びしちゃって、もう大変!
これから自分の裏の護衛は戌部隊にするって言ってくれた。 まあ、その時はそれで良かったんだけど・・・・
それから数週間後、本当にオレ達を指名してきて、娘のストーカーまでどうにかしてくれときた。
なんでも、城の中の使用人の誰からしい。 気持ちの悪い視線を朝夕問わず寄越して、姫が怖がっているとか。
【あの時の戌部隊で姫の警護及び、ストーカーの始末を頼む】だってサ。 はぁ? って思ったネ、マジで。
そんなのはハッキリ言って暗部の任務じゃないのヨ。 中忍以下の忍び一人で十分なの。 なのに、ザ・指名!
本来なら暗部がするような仕事じゃない、部下の誰か一人に押し付けると、間違いなくブーイングが出るしサ。
だからオレは部下達に指示だけ出して待機してた。 庭の樹でヒマつぶし。 クナイ当てとか、千本飛ばしとか。
自分を守る為の鍛錬をしてるように見えたんだろうネ? 実際は他にやる事なくて、遊んでただけなんだケド。
そのお姫様が、何を血迷ったかオレに惚れちゃったのヨ。 ひたむきに努力するお姿に心奪われました・・・・
血を好まない忍びもいるのですね・・・・ とか言っちゃって。 勝手に夢見てうるさいのなんの。
確かにあの時オレは、血まみれじゃなかったヨ? 指示出してただけだし、努力も何も時間潰してただけだし。
一応、依頼人の娘だから、特に無視する訳にも行かないじゃない、“そりゃ光栄ですネ” って言っといた。
そしたらサ、ストーカーを部下が見つけてくるまで、やれタオルをどうぞ、やれ差し入れをどうぞとベッタリ!
オレ達忍びは一般人より視線に敏感でショ? だからオレにしてみたら、あの姫の視線こそストーカーだったヨ。
終始、柱の陰からチラチラ、モジモジと。 ウゼェ! って、鍵爪で目ん玉刺してやろうかと思ったほどにネ。
で、親父さんにまた首を献上しようとしたんだケド、よく考えたらあのヒトを狙っての忍びの首じゃないし。
そこでオレは思いついた。 部下が引きずって来た姫のストーカーの目玉をくり抜いてやろう、ってネ。
仮にもあの親父の娘なら、ストーカーの一人や二人怖がってちゃ、世の中渡っていけませんヨ? 的な意図で。
だってそうでショ? 有名な大名の子息や息女は狙われて当然、使用人の視線ごときにビビるな、ってーの。
『はい、お姫様。 アンタを朝夕見つめていた気持ちの悪い男の視線は、これで無くなったヨ?』
そう言って、姫の目の前で取り出した眼球を潰してやった。 ま、その他は全部燃やして灰にしておいたケド。
姫はその場で失神、でも大名は大満足だった。 その灰で給仕に銀食器を磨かせよう、って言ってたネ、確か。
銀食器は生き物の灰で磨くとピカピカになるんだってサ。 そんなこんなで、今オレは、機嫌がイイのヨ。
「「きゃぁ〜 忍者さぁ〜ん アタシ達にもぉ〜〜〜っvv」」
「ンー 今日は上機嫌だしねぇ。 特別サービスしちゃうか。」
「「して、してぇ〜!」」
「写輪眼っ! ・・・・・Gスポット連続摩擦!!」
「「あ〜〜〜んvv うそ! イッちゃう〜〜〜〜vv」」
「フフフ、幻術サービスなんて、めったにしないヨ?」
「「あっv あっv あぁぁ〜〜〜〜んvv 最高〜〜〜〜vv」」
「スゴイネー ビシャビシャだねぇ そんなに気持ちイイんだ? フフフ・・・・ ン? ナニ??」
そのまま部下を引きつれて花街直行! キャバクラではしゃいでたら、ジャンケンで負けたヒロが戻ってきた。
先に里に報告書を持って帰らせた部下だ。 お前、まだ拗ねてんの? ジャンケンで報告書係決めたでショ?
せっかく合流しに来たのに、なんで無言なワケ?! キャバ嬢の潮吹きショー、一緒に楽しみなさいヨ。
もし気に入ったのがいたら、お持ち帰りしてもイイから。 あのコなんか、ノリよさそうじゃない? ねぇ。
「部隊長っっ!! おれ・・・・ おれ部隊長を尊敬してます! でも・・・・ はしゃぎ過ぎですっ!!」
「ヤ、あのサ。 あれぐらいやんないと。 この先、忍びを誤解したままだと姫の為にも・・・・・・・」
「そうじゃありません! あれはおれも大賛成でしたよっ! あの姫のことじゃありませんっっ!!」
「運も実力のうちヨ? 潮吹きショーに遅れたちゃったのはジャンケンに負けたお前の・・・・・・・」
「だからっ!! そんな事じゃなくてっっ!!」
「??? じゃぁ、どんなコト??」
「部隊長は・・・・・・ いえ、おれが口を出す事じゃありませんね。 でも・・・ 淋しいはずですよ。」
「・・・・・誰が? 三代目が?! まさか! 一般人処理ごときの任務で?!」
「おれ、部隊長を尊敬していました。 立場が立場だけに仕方ないとも思います。 でも、やっぱり・・・・」
「チョット! なんで過去形?! さっきまでは現在進行形で尊敬してたでショ?! ナンなの?!」
「いざとなったらおれ達だって力になれますよ! なのに・・・・・ うみの中忍が・・・ 可哀想だ。」
そう言い残して部下はキャバクラを出て行った。 ・・・・ジャンケンに負けて報告書を出しに行ったヒロは、
戻ってくるなり無言の抗議をしてたかと思えば、潮吹きショーを楽しむ訳でもなく、不信任感丸だしで。
オレはお前を充分信頼してるヨ、と声をかける間もなく。 オレなんかしたの?! 記憶にないんだケド?!
オレは部隊長だし、皆の尊敬を集めてナンボ。 ついて来てくれる部下がいなくちゃ戌班の意味がない。
どうやらオレへの尊厳が失われたらしい。 でもナンで?! うみの中忍って・・・・・・ ソレ誰ヨ?!