あなたならどうする? 11
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留守中を頼むと言って、ヒロ達の後をつけたオレ達は、 自称オレ達の情人 うみの中忍を発見した。
忍者アカデミーの年少クラスの先生らしい。 オレ達の部下をあそこまで手懐けるなんて、やるネ?
遠目で見たトコロ、しっかりと雄。 どっから見ても大人の男。 しかもオレ達と変わんないぐらいの。
どうなのコレ。 まあ、ちっこい子供らと戯れてる様子は、微笑ましい保父さんのようにも見えるケド。
隠れ里のアカデミーは、一般人が通う寺子屋や学校とはワケが違う。 忍者とはナニかを教える所だ。
頭でっかちの理論派野郎や、ただの保父さんじゃ勤まらない。 あの若さで教員なら、うみの中忍は・・・・
それにここには、早くから渦巻ナルトを入学させているはずだ。 里の一般人の誰もが忌み嫌う人柱力の。
・・・・・オレ達がどこの部隊の誰で、とっさに名前が出せるというコトは、情報源は三代目しか考えられない。
つまり未来の忍びの卵を任せたり、オレ達の名を教えるほど、三代目が信用している男、ってコトになる。
だったら、オレ達の部下を自分の都合の良いように利用はしないか。 ・・・でもそれすらも仮面なら?
三代目すら騙している忍びなら、それは充分危険な存在だ。 オレ達の部下でさえ騙されたしネ。
「百聞は一見にしかず。 テンゾウ、明日あの二人に変化して、オレ達も接触しよう。」
「はい、カカシ先輩。 コバ達はどうも面識はあるみたいですしね、そうしましょう。」
オレ達はついに諸悪の根源、偽情人を発見した。 だからもうヒロ達にウロチョロされても邪魔なだけだ。
ヒロ達に変化して、直接本人の人となりを確かめる。 あの樹の上が、アイツらのポジションみたいだし。
暗部待機所から出る時に、お二人揃って昼間から動くのって珍しいですね、と部下達に声をかけられた。
そう、今からアカデミーに行ってくる。 昨日ヒロ達が潜んだ樹に。 で、ヤツと接触してみるんだ。
オレ達が二人して“ちょっと野暮用”と言うと、ヒロと猫班三人組みがビシッと親指を立てて合図した。
・・・・・・なんだヨ、その“うみの中忍の所ですね? いってらっしゃい!”な、バレバレの合図は!
ニュッて、立てた親指を人差し指と中指の間に入れるなってっ! ヤリに行くんじゃないってーのっ!!
全く、誰のせいで・・・・ 能天気なヤツらに待機所で遠回しの応援を受けつつ、アカデミーにやって来た。
もちろん、昨日見た樹の上でヒロ達に変化だ。 そこからうみの中忍の先生っぷりを眺めるコト半日。
怒って殴って、ずいぶん厳しい先生だ。 昨日ヒロ達を両腕で抱きしめた時、優しそうな感じがしたのに。
・・・・いや、やっぱり優しいのか。 子供達は嘘に敏感だ。 嫌いで怒ってるんじゃないと分かってる。
「・・・・なあ、テンゾウ。 うみの先生は危険人物だと思う?」
「正直、半日しか見張ってませんが、とてもそうは思えません。」
「だよネ。 ・・・・ってコトはさ、やっぱりあの嘘は、その場凌ぎの言い逃れの為だけ、ってコト?」
「・・・・・ええ、多分。 昨日あれからふたりで調べた書類にも、不審点はありませんでしたよね。」
「・・・・・よっぽど野郎にホられたくなかったのネ? うみの先生。」
「・・・・・なんかあったんでしょうか。 過去に嫌な思い出とか。」
「オレ達は基本、女に不自由したコトないし分かんないケド。 結構イイって聞くもんネ、尻も。」
「ああ、なんかそうらしいですね。 同時に擦られるとスパークするそうですよ?」
「・・・・ソレさ、自分の尻で体験したいと思う? お前。」
「いや、ボクはどっちかって言うと、弄り倒したい方です。」
「やっぱり? なんだかんだ言って、オレ達攻撃型だし、ソッチのが断然楽しそうだもんネー。」
「・・・・・ああやって子供達に真剣に向き合ってるうみの先生って、本当に良い先生ですね。」
そうだよ、オレもチョット考えたんだ。 ヒロも言ったけど、半日観察したうみの中忍は、確かに良い人だ。
だからそんな人が、里でも誉れ高いといわれている、暗部の部隊長の名前を安易に出すか? なんて。
潜入中の仲間と知らず誰かがヤッちゃったのかも、とか。 敵に捕縛されて輪姦されちゃったのかも、とか。
ド下手の男にヤられちゃった過去があって、全然気持ちよくなかった・・・・ とかかもしんない、ってネ。
「「・・・・!!! (げ! 見つかった!!) 」」
なんと教室の中のうみの先生が目ざとくオレ達を見つけて、胸の前で小さく手を振った。 ヒロとコバに。
取り合えず振り返してみたら、うみの先生はクスッて、笑ったのヨ。 “お疲れ様です”と口を動かして。
なんか、突然のコトでビックリしたヨ。 うみの先生は笑顔がとっても可愛かった。 雄なのにネ?
“ あはは! もう止めて下さい、お揃いの腕フリ人形みたいですよ?! ”またも先生の口がそう動いた。
オレ達は先生に振り返した手をプラプラといつまでも動かし続けていたんだ。 うみの先生が爆笑するまで。
・・・・・・なあ、テンゾウ。 オレ・・・・・ アレの尻、弄り倒したい。 スパークさせてみたいねぇ?
オレと同じコト考えてたテンゾウが間髪いれず、うみの中忍のお仕置きはそれにしましょう、と言った。
「「・・・・・決まり!!」」